ウェットフードは、嚙む力が弱くなってきた愛犬も重宝するドッグフードです。高齢になると、歯や顎が弱って来る為、それまで食べていたドライフードも食べられなくなるのを目にする事も多くなります。今回は子犬や高齢期におすすめのウェットフードについての与え方や種類について解説していきます。
老齢期の犬は歯も弱りがち
愛犬も高齢期を迎えると、徐々に歯や顎が弱ってくるため、思うようにご飯を食べられなくなったり、ご飯を残してしまったりということがあります。
それまで食べていたドライフードと呼ばれるカリカリのご飯は、老齢期の犬にとっては固い物となってしまうのです。これは、人間でも同じですよね。おじいちゃんが固いせんべいを食べることが大変なように、犬も固いものを噛む力が無くなってきてしまうのです。
また、高齢期になると消化する力も弱くなってしまいます。そのため、ドライフードでは消化が追いつかず、便秘がちになってしまったり、思うようにご飯を食べなくなってしまう事があります。では具体的に、老犬にとって最適と見えるウェットフードの特徴について見ていきましょう。
噛む力が弱くなったら「ウエットフード」を検討してみましょう。
そんな時に重宝するのが、ウエットフードと呼ばれるご飯です。ドッグフードは、大きく分けると
・ドライフード
・セミドライフード(セミモイスト)
・ウェットフード
といった物に分けられます。
ドライフードは、成犬が食べるようなカリカリのフードです。セミドライフードは、いわゆる半生のドッグフードで、犬用のおやつなどはこの半生の状態のものが多いですね。そして、ウェットフードというのが、レトルトフードとも呼ばれるゼリー状になったドッグフードです。
ウエットフードは、食いつきの悪い場合にドライフードにトッピングする与え方もあれば、子犬でまだ固いものが食べられなかったり、老犬で歯が弱かったりする場合に与えやすい物です。
また、原料も柔らかくなっているので消化にもよく、子犬や老犬で消化する力が弱い場合や、病後等で体が弱っている犬にもオススメです。
さらに液状になったスープタイプも
ウエットフードのラインナップには「14歳以上用」といった超高齢期の犬の利用も考えられたラインナップも揃っています。14歳頃の犬は、噛む力自体も弱くなっている犬も多いため、更に柔らかく、かつ栄養素も高齢犬向けに調整されたものがほとんどです。
また、ウェットタイプだけでなく、スープタイプといった、完全にトロトロとした状態のウェットフードもあります。
ドライフードにかけて与えることもでき、スープのようにして飲んで栄養を摂取することもできるので、完全に噛む力がなくなってきてしまった場合には、こうしたスープタイプに近いものを選ぶと良いでしょう。
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消化力の低下する老犬
噛む力が弱くなってきた事でもウェットフードを与える理由となりますが、老犬になると消化する能力も低下してしまいます。
ドライフードなどは水分量も低く、さらには固形であるために消化する時間も掛かってしまいます。消化が追いつかない状態が続くと、消化不良を起こしてしまうばかりか、食欲の低下も招いてしまうために、あまり良い循環にはなりません。
こうした時に活躍するのがウェットフードです。ウェットフードは水分量も多く、すでに素材も柔らかい状態ですので、消化のしやすい状態になっています。ドライフードと比べても、圧倒的にウェットフードの方が消化するのに時間がかかりませんので、老犬でも安心してご飯を食べることが出来ます。
サプリメントも水分量を気にしましょう
サプリメントで消化不良を解消したり、消化能力を上げるという対応策も考えられますが、この場合はある程度自発的に移動したり、散歩する様子がある場合の対応策としたほうが良いでしょう。
犬は体を動かすことで消化器官にも刺激を与え、蠕動運動を促します。しかし、寝たきりの状態の老犬や、あまり動くことをしない老犬であれば、サプリメントを与えてみても消化する事に結びつかないため、場合によっては解決しない場合もあるでしょう。
もしサプリメントを与えるのであれば水分を含んだ物を与えるようにし、わざわざ消化のしにくいような形状のサプリメントを与えるのは避けましょう。それよりも、元々が消化のしやすい状態になったフードなどを与える方が、老犬にとっては体に負担なく消化できます。
色々なウェットフードが揃っています
ウェットフードで有名なのは「シーザー」でしょうか。厳選素材で少し高級感のあるシーザーは今も昔も人気のウェットフードですね。味のラインナップも相当な種類がありますので、必ず愛犬の好みが見つかることでしょう。
その他にも「ペディグリーチャム」もウェットフードの種類がたくさん揃っているブランドです。低脂肪にこだわったラインナップもありますので、肥満傾向の老犬に与えやすいのではないでしょうか。
この他、プレミアムフードで知られる「ロイヤルカナン」や「ニュートロ」にもウェットフードがあります。他のウエットフードに比べると価格はやや上がりますが、内容成分等はプレミアムフードのレベルで作られているので、健康管理に気を使っている際には利用し易いかと思います。
低脂肪タイプ等、ラインナップも豊富
ウェットフードはこの他にも「デビフ」や「サイエンスダイエット」「いなば」など、たくさんのメーカーからウェットフードが販売されています。また、色々な味や低脂肪といったシリーズがありますので、愛犬の好みに合わせて選んであげるようにしましょう。
後述しますが、こうしてたくさんのラインナップが揃いますが、ウェットフードの与えすぎには注意しましょう。ウェットフードはあくまでも食欲が低下している時や、子犬・老犬に与えるのが望ましいです。
各社、様々な年齢用にウェットフードが販売されていますが、成犬でウェットフードばかり食べていては、顎の発達も弱くなり、老後はさらに困った事態を招くことでしょう。6ヶ月〜成犬はドライフードでしっかりと顎を鍛えるようにしましょう。
ウェットフードは子犬・老犬だけにしましょう
ウエットフードは、食いつきの悪い場合や子犬・老犬にも与えやすい柔らかいドッグフードですが、若い頃から積極的に与えるドッグフードではありません。
若い頃から柔らかいご飯を食べていると、顎の成長も発達しなくなり、老後を迎える頃には本当に柔らかいものしか食べられなくなります。こんな状態では、愛犬も健康を維持することが難しくなってしまいます。
ですので、ウェットフードを与える際には、子犬、もしくは顎や歯の弱くなった高齢期から与えるようにしましょう。そして、子犬の歯固めが必要なように、子犬が固いものを消化出来るようになった時には、しっかりと固いものを食べさせるようにしましょう。そうすることで、愛犬も健康な歯や顎を鍛えることが出来るのです。
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熱中症予防としてのウェットフード
老犬にウェットフードを与えるのは、「熱中症予防」としての効果を得ることにも繋がります。熱中症は単に太陽に照らされているだけで発症するものではなく、体の水分量が低下してしまっても脱水症状をひきおこしてしまうため、結果として命の危険をさらす事に繋がるのです。
特に老犬は思っているように水を摂取することも出来ない場合が多いため、こうして食事から水分を摂取させることも重要なのです。
食欲の低下や栄養不足、消化不良など、老犬にウェットフードを与える意味はたくさんありますが、こうした問題は特に夏場にも多く聞かれるトラブルです。常に脱水症状にならないよう、老犬には水分を摂らせるようにしましょう。
また、冬場は部屋も乾燥しがちです。こうした環境下でも水分量は低下しますので、適所適所でウェットフードを与えていくとより効果的でしょう。
まとめ
ウェットフードはドライフードに比べると非常に味も美味しい物に作られています。ご飯の食いつきが悪いからと言ってウエットフードばかりを与えたり、トッピングしてしまうと、犬はトッピング無しでは食べなくなりかねませんので、十分に注意しましょう。
記念日や病後など、1年のうちに数回であれば問題はありませんが、必ずウエットフードが無ければ食べないという事にならないように、ドライフードだけを食べさせる習慣が必要になります。
ウエットフードは食いつきもよく与えやすいものではありますが、若い頃から癖を付けさせないように、与える頻度を調整する必要があります。ウェットフードを利用する際には、愛犬の状態を理解し、賢く利用するようにしましょう。
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