「ローシェン」という犬は、珍しい犬種の一種のようです。そんな「ローシェン」ですが、これから飼いたいと思っている方や、飼っている方も、犬種別の特徴をしっかり把握しましょう。「ローシェン」と一緒に暮らすために、気をつけなければいけないはどのような事があるのでしょうか?「ローシェン」について、チェックしてみましょう。
ローシェンとは
ローシェンとは、ドイツ語で「小さなライオン」という意味を持ちますが、その名の通り、ローシェンのカットは、顔から胸にかけてタテガミがあり、腰のあたりから後ろを刈り込み、尻尾の先と足先に毛を残すという、まさにライオンのような特徴的なカットスタイルが有名です。
あまり日本でも見掛けることは少ない犬種ではありますが、その特徴的なライオンカットは一度見たら忘れることはないでしょう。また、ローシェンはしつけがしやすいのに、その個体数が少ないということから、高額犬種であることも知られています。
ローシェンのルーツ
ローシェンは、元々は硬い毛質の犬が祖先であると考えられており、その犬にビション・フリーゼやマルチーズを掛け合わせ、今のような絹のように柔らかい毛質のローシェンが誕生したと言われています。
ローシェンのルーツは古く、15~16世紀頃のヨーロッパの美術品や文献などにもローシェンに似た犬が頻繁に登場していたり、スペインの有名な画家のゴヤの絵にも描かれていたなど、ヨーロッパの貴婦人の間で人気を博していました。
この頃にはもうすでにライオンカットのローシェンが存在していたとも言われていますが、ローシェンは、「生きる湯たんぽ」として重宝されており、寒い夜にはローシェンをベッドの中に入れて暖を取っていたのですが、地肌の方がより暖かかったため、地肌が見えるライオンカットにしていたという説もあります。
そんな人気があったローシェンですが、手のかかる被毛と、無駄吠えや落ち着きのない性格で会ったため、どんどん人気が下火となり、ついに「世界一珍しい犬」として、1960年代のギネスブックに載ったほど数が減少していきました。
その後、ローシェンの愛好家たちが熱心に繁殖を行い、家庭犬として飼育しやすいように改良されました。未だ珍しい犬種であることは変わらないですが、徐々に頭数を回復しています。
ローシェンの性格
ローシェンは温厚で、落ち着きがある性格で、初めて犬を飼育する人でも比較的扱いやすい犬種です。また、とても明るく、好奇心旺盛な性格なので、子供とも仲良く遊ぶことができるでしょう。
その他にも、忠実で愛情深いところも持ち合わせており、常に飼い主さんや家族が喜ぶことをしようとする、まさに家族思いの理想の家庭犬です。
ローシェンは、利口で物覚えも良く、無駄吠えも少ないため、しつけで困らせることはないですが、たまに吠え癖が付きやすい子もいます。元々、飼い主さんや家族以外の人や犬に警戒心を持つところがありますので、幼少期から様々な環境に慣れさせると良いでしょう。
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ローシェンの大きさはどのくらい?
小型犬のローシェンは、メスの体高が30cm〜33cmほど。オスは33cm〜36cmほどとなっています。体重に関してはメスが4kg〜6kg、オスが5kg〜8kgほどです。
ローシェンはかつて「抱き犬」として貴婦人からも敬愛され、人気を博した犬種ですので、ペットとして家庭内で飼育するにも丁度よいサイズの犬種でもあります。また、スペースの狭い日本の家屋でも飼育のし易いサイズではないでしょうか。
ただし、ローシェンは小型犬種で運動量をそこまで必要とはしませんが、性格的に活発な個体もいるので、求める運動量は消化してあげるのがベストと言えるでしょう。その子その子で必要とする運動量は変わってきますので、愛犬の運動量をしっかりと把握するようにしましょう。
ローシェンの被毛
ローシェンの被毛は、「シングルコート」といい、下毛がないのが特徴で、絹糸状の被毛はカットしなければ床に届くほど長く伸びます。ドッグショーなどではライオンカットするのが一般的ですが、家庭で飼育される場合は、「パピーカット」や「サマーカット」など、短めにカットされることが多いようです。
ローシェンの被毛は、換毛期がなく、毛は抜けづらいのですが、毛玉になりやすいため、こまめにブラッシングをする必要があります。この犬種のブラッシングに関しては、毎日欠かさないことが必要となりますので、ブラッシングを嫌うことがないよう、幼少期からスキンシップを取りながら、根気強く、優しく声を掛けながらブラッシングしてあげると良いでしょう。
ローシェンのトリミング
ローシェンは被毛が伸び続けてしまいますので、適度なタイミングでトリミングを行う必要があります。そんなローシェンのメジャーなカットとなるのがライオンカット。
ライオンカットは、ライオンの「たてがみ」をイメージさせる被毛を頭と胸に残し、一部を除いた大部分は刈り込むカットです。
ローシェンのライオンカットに限ってはマズルの周りの刈り込みは行わないのが一般的。また、足首にも房を残してカットします。尻尾の先はライオンをイメージさせるように、少し残してカットされます。
ローシェンはライオンカットが一般的なカットとなりますが、この他にも様々なカットが行われていますので、自分好みのカットや、愛犬に似合うカットを探すのも良いかもしれませんね。
ローシェンがかかりやすい病気
【膝蓋骨脱臼】
膝蓋骨脱臼とは、後ろ足の膝蓋骨(膝のお皿)が正常な場所から、内側か外側にずれてしまう(脱臼する)状態になる骨の病気です。
最初のうちは気付かない場合も多く、放置していると、どんどん悪化していきます。愛犬が散歩中スキップしたり、足を上げて歩くような素振りを見せた場合は危険信号です。
膝蓋骨脱臼を予防するためには、まず膝に負担をかけないことです。フローリングなどの硬く滑る床には、カーペットやラグを敷きましょう。
また、ローシェンの垂れ下がった耳は、耳の中まで毛で覆われています。立ち耳の犬種に比べ通気性が良くないため、耳の中が蒸れたり、カビや雑菌などが繁殖しやすく、「外耳炎」などの原因になります。暑い夏や湿気が多い季節は特に気を付けて、こまめな耳掃除が必要です。
ローシェンの寿命
ローシェンの寿命は、おおよそ12年〜14年といったところ。特筆すべき疾患もありませんので、健康的な生活を送っていれば寿命をしっかりと全うしてくれることでしょう。
健康的な生活を送るには、しっかりとした食事の管理を行い、適切な運動量を行うということです。また、ストレスのかからないような生活環境も大事になってくるでしょう。ストレスは体に悪影響を与えるもの。ローシェンが過ごしやすい環境を整えてあげることが大事です。
小型犬種と言えど、ある程度の運動量は大事になります。それに加え、消化に悪い食事など、しっかりとした食事の管理が出来ていなければ、目には見えない部分からダメージがかかり、病気を引き起こしてしまう可能性もあります。
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ローシェンのブリーダーは?
ローシェンは、日本でもまだまだ珍しい犬種ではありますので、ペットショップで見かける機会も稀でしょう。そのため、ローシェンを迎え入れたいと思った時にはブリーダーからの直販が、一番の近道となるでしょう。
ただし、ローシェンのブリーダーに関してもまだまだ少なめ。インターネットで検索するとブリーダーの情報も出てはきますが、その数も少ないです。
また、ローシェンは希少犬種ですので、価格に関してもやや高めであることが予想されます。というのも、現時点で調べた所、ローシェンの子犬を販売している情報が見つからなかったため、価格に関する情報も不明となります。
輸入で迎え入れるという方法もありますが、平均すると50万円以上する場合もあるでしょう。血統や毛色、月齢によっても価格は変化してきますので、あくまでも参考程度としておきましょう。
ローシェンの飼い方について
前述の通り、ローシェンは日本でも飼育頭数の少ない犬種です。というよりかは、2016年度のJKC飼育頭数で調べてみると、その頭数も0頭という結果に。あくまでも「登録頭数」ですので、実際の所は何頭か居るとは思いますが、それでもかなりの希少犬と言えるでしょう。
そんなローシェンですが、ローシェンを飼育している方もやはり少ないので、飼った後に関しては、ローシェンについて相談ができる方も少ないというのがデメリット。犬に関しての相談はともかく、同じ犬種についての悩みや相談を共有できる機会も少ないので、飼い主さんがインターネット等で情報収集する能力も若干必要になってくるかもしれませんね。
とはいえ、希少犬種を飼育している優越感は大きい犬種です。散歩中なども何の犬種と聞かれる機会も多いかもしれませんね。
ローシェンと暮らすために
それほど多くの運動量は必要のないローシェンですが、ストレス解消のため、1日1度は散歩をした方が良いでしょう。また、とても賢いので、家族みんなで「かくれんぼ」や「宝探し」など、頭を使うようなゲームをするのも良いかもしれませんね。
ローシェンは、遺伝子的疾患も少なく、健康的な体質と言えますが、「病気をしないから」「丈夫だから」と健康な子こそ、何か危険信号があっても見逃してしまいがちです。あとで最悪な事態にならぬよう、年に一度は健康診断をして、愛犬の健康状態を把握しておきましょう。
また、日頃からのスキンシップも重要です。毎日スキンシップを重ねているからこそ、小さな変化にも気がつくことが出来ますので、頭を撫でるだけではなく、体にも触れて飼い主さんがボディチェックを行うようにしてみましょう。
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