一部のキャットフードに含まれている「ゼオライト」という物質。どこかで聞いたこともある方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はこのゼオライトの優れた効能と、ゼオライトの正体について解説していきたいと思います。

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「ゼオライト」とは?

「ゼオライト(Zeolite)」とは鉱物の一種で、ギリシャ語では「沸騰する石」という意味があるのだとか。このゼオライトには、「天然ゼオライト」と「合成ゼオライト」があり、天然ゼオライトに関しては60種以上もあるもののようです。

天然ゼオライトが作られる仕組みは少々ややこしく、海底などに堆積した堆積物が圧縮などを繰り返すうちに堆積岩へと変わっていき、十分な水と特定の物理化学的な条件が揃うことで晶出されたものがゼオライト。こうしてゼオライトは晶出されていき、ゼオライト岩へと変化していくのだそう。簡単に書きましたが、要は岩のような状態で発見される物なのです。

ゼオライトは何に使われる物?

なぜそんな岩がキャットフードに使用されているのか。それはゼオライトが持つ様々な効果に理由があります。ゼオライトは現在、様々な製品に利用されている物質で、建築材料や園芸用品、脱臭乾燥材、水槽濾過材などにも利用・応用されているものです。また、キャットフードの他にも猫用トイレ砂にも応用利用されています。

ハッ!体に悪そう!と思った方もいらっしゃるかもしれません。ここから説明していきますが、結論から言うとゼオライトは研究の段階では副作用などは認められていないもので、むしろ病気の治療などに一定の効果をあげている物でもあるようです。

ゼオライトの効能に関して、アメリカ総合医療学会が発表した「ゼオライトの12の作用」を見てみましょう。

1.重金属の除去
2.毒素の吸着・除去
3.発がん物質の除去
4.消化を助ける
5.phを整える
6.癌と戦う
7.抗酸化作用
8.細胞膜を防御
9.心臓血管系の強化
10.免疫の強化
11.脳を明晰にする
12.アダブトジェニックな特性(アダブトジェニック=順応性があるとの意味だそうです)
参考:ゼオライト生命体応用研究会 ペットにおけるゼオライト症例報告(http://zeo-lite.jp/img/report/meeting4_shibata.pdf)

これだけ見てみると、非常に優れた物質であることには違わないようです。具体的にゼオライトの効果とゼオライトの性質に関して見てみましょう。

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ゼオライトの効果とは?

ゼオライトは微細な孔(穴)を持つ多孔質の物質で、毒素やアンモニア等を吸着する作用があります。こうした効果を持つため、猫砂や濾過材にも使用されるわけです。また、ゼオライトはこうした毒素を吸着する反面、水分だけを放出する機能も持つため、猫砂ではシステムトイレ等でお馴染みの、1週間置いたままで掃除いらずなトイレ砂に採用されています。

こうしたシステムトイレは、上に猫砂、下にマット等の吸収体が設置されているかと思います。ゼオライトはアンモニアだけを吸着し、水分は放出すると説明しましたが、尿を排出した際には上の層でアンモニアを吸着、水分は放出するので下の層へと流れていくという構造になっています。濾過材に採用されているのもうなずけます。

こうした効果を応用したものが、ペットフードなどに含むゼオライトです。ドッグフードやキャットフードに含まれるゼオライトは微粒子状にした物になりますが、フードとして配合することで、体内で毒素やアンモニアを吸着、熱や胃酸等にも強い性質を持つことから体内で溶かされることはなく、毒素などを吸着したまま排泄物として排出されるというものです。

また、吸着するのは毒素などに限られ、タンパク質などの栄養分は吸着しないのだそう。ビタミンやミネラル分に関しても、フード中に含まれるゼオライトの量では吸着はされないようです。こうした働きをするために、主に下痢に対して効果を発揮したり、病気に対して効果を挙げているのが、ゼオライトの効果なのです。

さいごに

今回参照した資料には、ゼオライトを投与した効果の報告も多数掲載されています。例えば、尿毒症を発症している猫(4歳)に2週間投与した際には、その数値が大きく減少していたり、22頭の様々な癌(前立腺がんや皮膚がん、肺がんなど)を持つ犬に投与したところ、14頭の犬に癌の完全な消失、または縮小が見られたなど、高い効果を挙げているようです。

一方で気になるのが副作用等の問題ですが、こうした実験の中では副作用と思われる症状は確認されなかったとのこと。今後も研究が進められ、より正確な事がわかるように願うばかりです。現在では一部のキャットフードにもゼオライトが配合されています。ph値の調節も効能の一つに挙げられていますので、猫に多い尿路結石等の予防にもなるのかもしれません。

参考1:岐阜大学 教授 鷲巣誠氏「ゼオライトの作用機序と動物への応用」(http://zeo-lite.jp/img/report/report_04_201104.pdf)
参考2:ゼオライト生命体応用研究会 「ペットにおけるゼオライト症例報告」(http://zeo-lite.jp/img/report/meeting4_shibata.pdf)

※内容は2017年1月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。

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