ドッグフードの原材料を見ると「トウモロコシ」が使用されているフードをよく見かけます。トウモロコシは犬にとってあまり良い影響を与えないと言われますが、実際はどうなのでしょう。今回はドッグフードに使用されるトウモロコシについて調べてみましょう。

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ドッグフードで使用されるトウモロコシは、私たちが食べるトウモロコシとは違う?

ドッグフードで使用されている「トウモロコシ」と、私たちが茹でたり、焼いたりして食べる甘い「トウモロコシ」は全く違います。私たちが食べるトウモロコシは、「スィートコーン」と呼ばれる品種で、「ビタミンB1」「ビタミンB6」「ビタミンC」「ビタミンE」「ナイアシン」「葉酸」「パントテン酸」などのビタミンや、「モルブデン」「カリウム」「マグネシウム」「銅」「リン」などのミネラルが豊富に含まれています。

このスィートコーンは、「野菜」に分類されるのに対し、ドッグフードで使用されるトウモロコシは、「穀物」に分類されます。この穀物にあたるトウモロコシは炭水化物になりますが、米と比較すると利用価値は低く、主に家畜の飼料や肥料でしか使用されず、栄養価もあまり高くはありません。

コーングルテンとは

ドッグフードの原材料には、トウモロコシの他にも「トウモロコシ粉」や「コーングルテンミール」という紛らわしい表記がされていることもあると思いますが、これも全てトウモロコシのことです。

コーングルテンミールとは、トウモロコシから作られているものですが、コーンスターチやコーン油を作る製造過程で、栄養価が高い「ふすま」が分離されてしまい、「デンプン」や「胚芽」を取り除いたものを乾燥させたものです。言わば、トウモロコシの絞りカスのようなものなので、高い栄養価は期待できないでしょう。

トウモロコシは必要な栄養素なのか?

そもそも、犬にとって最も必要な栄養素である「動物性タンパク質」ですが、これは肉類や魚類から摂取されます。しかし、トウモロコシは「炭水化物」になるので、犬にとって最も必要な栄養素ではないと言えるでしょう。安価なドッグフードの原材料を見ると、原材料の一番始めにトウモロコシを記載しているフードも多くあり、これは、犬にとって必要な動物性タンパク質が多く含まれていないということになります。

愛犬が健康でいるために大切なのは、「高タンパク質・低炭水化物」のドッグフードを選んであげることです。トウモロコシがメインのドッグフードを食べさせ続けると、炭水化物の過剰摂取により、肥満になりやすくなったり、糖尿病を発症してしまうこともありますので注意が必要です。

消化に悪いトウモロコシ

私たちもトウモロコシを食べたあと、未消化で排泄されてしまうことってありますよね?トウモロコシはあまり消化に良い食材ではないということがお分かり頂けると思いますが、犬は人間よりも穀物類を上手に消化することができないので、大量にトウモロコシを摂取すると、愛犬の消化器官に大きな負担をかけてしまいます。

愛犬に安価なドッグフードを食べさせると、やたら便の量が増えることがあると思います。これは、犬にとって消化が苦手な穀物類が多く含まれており、未消化で排出されるため、便の量が多いのです。要は、犬の体にとって必要な栄養分が、体内に吸収されていないということです。しかし、良質な動物性タンパク質が多く含まれているドッグフードを与えると、犬の体内できちんと栄養分が吸収されるため、便の量は少なくなります。

私たち人間は快便だと喜びがちですが、犬にとって便の量が多いということは、あまり良くないということですね。

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アレルギー反応を起こしやすいトウモロコシ

トウモロコシを使用したドッグフードについて、これが消費者に一番敬遠されている原因かもしれませんが、ドッグフードの原材料の中でもアレルギー反応を起こしやすいのがトウモロコシと言われています。

トウモロコシには、「ナイアシン」(ビタミンB3とも言います。)を合成する必須アミノ酸である「トリプトファン」が少ないため、トウモロコシが多く使用されたドッグフードを食べ続けると、必然的に体内のビタミンB3が不足し、皮膚病を引き起こしやすくなるのです。

トウモロコシを原材料で使用される理由

では、なぜ愛犬にとってあまり良い影響を与えないようなトウモロコシが、未だ原材料としてドッグフードに使用されるのでしょうか。

それは、トウモロコシのような穀物類は、肉や魚より安いため、ドッグフードの量のかさ増しで使うことで、大幅なコストダウンができるためです。安価なドッグフードにトウモロコシがふんだんに使用されているのはこのような理由からなのですね。

さいごに

ドッグフードを購入する時、少しでも安いものを・・・と思う気持ちは分かりますが、安価なドッグフードには、それなりの理由があるということはお分かり頂けたと思います。低品質のドッグフードを愛犬に食べさせることによって、皮膚病や肥満、消化器官に負担をかけて慢性の軟便になり、病院へかかって治療代を支払うことになれば、せっかく安いドッグフードを買っても下も子もないですよね。

ドッグフードを購入する前には、一度原材料を確認し、肉や魚がメインに記載されているもの、トウモロコシなどの穀物は使用されていないものを選ぶことをお勧めします。

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