ネットでも話題のドッグフード「カナガン」は動物性タンパク源を豊富に使用したドッグフードですが、老舗ドッグフードブランド「ニュートロ」の「ナチュラルチョイス」と比較すると、どちらの方がより良いドッグフードなのでしょうか。
そこで今回は「カナガン チキン」と「ニュートロ ナチュラルチョイス」の成分値や品質内容を徹底比較してみたいと思います。
カナガンとは?
イギリス原産のドッグフード「カナガン」は、動物性タンパク源が60%を占める高タンパクなドッグフードを展開するドッグフードブランドです。
犬はタンパク質を多く必要とする動物で、特に幼犬や活発な成犬は多くのタンパク質を必要とします。タンパク質は丈夫な体を作るのに欠かせないもので、主に筋肉を作り、筋肉を維持するのに欠かせません。
そんなタンパク質を摂取するためには肉や魚を摂取する必要がありますが、カナガンはこの肉類を60%配合する高品質なドッグフードとなっています。また、使用される動物性タンパク源はすべて人間が食べられるクオリティであるヒューマングレードの素材が使用されていますので、愛犬にも安心して与えることが出来ます。
カナガンはグレインフリーのドッグフード
犬は前述の通り、タンパク質を多く必要とする動物で、肉を消化するのに適した体を持ちます。一方、犬は穀物や野菜などの植物成分を消化するのには不向きな体でもあります。
そのため、犬にとって穀物や野菜は微量でもよいというのが近年の考え方になりつつあります。これまでのドッグフードや、安価なドッグフードでは主原料に穀物類を使用しているドッグフードもありますが、前述の通り、犬は穀物を消化するのに不向きな体であるため、消化するのにも長い時間を要してしまうのです。
消化する時間がながければ体への負担も増加してしまいますので、結果として犬にとって健康なドッグフードであるかどうかも微妙なところと言えるでしょう。
カナガンに関してはこの穀物類を含まない「グレインフリー」のドッグフードとなっていますので、消化のよい動物性タンパク源が豊富に使用された消化しやすいドッグフードと言えるでしょう。
消化にも良いドッグフードを
ドッグフードがグレインフリーである意味は消化の良さだけではありません。
近年、特に話題になっているのが犬の「食物アレルギー」についてです。中でも特に多いと考えられているのが「穀物アレルギー」で、小麦やトウモロコシなどが含まれるドッグフードでアレルギーを引き起こしてしまうものです。
グレインフリーのドッグフードには当然、穀物は含まれませんので穀物アレルギーの心配はありませんが、中には「チキン」など動物性タンパク源にアレルギーを持つ犬もいます。
カナガンに関してはグレインフリーですので穀物アレルギーを持つ犬でも与えることは可能ですが、主原料はチキンですので、チキンに対してアレルギーを持つ犬には与えることが出来ません。
では、今回カナガンの比較として取り上げる「ニュートロ ナチュラルチョイス」はどうなのかを見てみましょう。
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ニュートロ ナチュラルチョイスとは
ドッグフードブランドの中でも「ロイヤルカナン」や「ヒルズ」に並び、特に有名なプレミアムフードに挙げられるのが「ニュートロ」です。ニュートロは1924年にアメリカで誕生した老舗ドッグフードブランドで、日本では「ナチュラルチョイス」「シュプレモ」「ワイルドレシピ」と、大きく分けて3つのブランドラインナップを展開しています。
ニュートロの製品は自然素材で犬の健康維持を目指すというのが基本的な考えとしてあり、ドッグフードの安全性・安心性、栄養バランス、素材の旨味といった点にポイントがおかれています。
ナチュラルチョイスシリーズは、「プレミアムチキン」「プロテインシリーズ」「スペシャルケア」の3つのシリーズが展開されており、ニュートロの主力と言って良いラインナップがナチュラルチョイスになります。
穀物アレルギーと玄米
ナチュラルチョイスシリーズにはチキンを主原料とした「チキン&玄米」をはじめ、「ラム&玄米」「鹿肉&玄米」「フィッシュ&ポテト」といったラインナップが揃います。
カナガンに関しては日本での展開は「チキン」のみ。これに対してナチュラルチョイスにはチキンの他、ラムやフィッシュ、鹿肉のラインナップがありますので、チキンアレルギーを持つ犬も選択肢が多いと言えるでしょう。
ただし、ナチュラルチョイスシリーズは基本的に「玄米」を使用していますので穀物フリーのドッグフードではありません。穀物アレルギーを持つ犬はニュートロの「ワイルドレシピ」がグレインフリーのドッグフードですので、グレインフリーを選択するのであればナチュラルチョイスは不向きと言えます。
穀物アレルギーの多くは「小麦グルテン」に対して発症しているケースが多く、場合によっては玄米は問題ないという犬も多いです。はっきりしない場合はグレインフリーのドッグフードをおすすめしますが、穀物だからといって必ずしも全てでは無いということも理解しておきましょう。
カナガンとナチュラルチョイスの原材料を比較
ではここで、カナガンとニュートロの原材料を比較してみましょう。比較としてナチュラルチョイスの「チキン&玄米 成犬用」で見てみましょう。
【カナガン チキン 原材料】
骨抜きチキン生肉26%、乾燥チキン25%、サツマイモ、エンドウ豆、ジャガイモ、エンドウタンパク、アルファルファ、鶏脂3.1%、乾燥全卵3.1%、チキングレイビー1.6%、サーモンオイル1.2%、ミネラル(硫酸第一鉄水和物、硫酸亜鉛一水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、無水ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン(ビタミンA 16,250IU/kg、ビタミンD3 2,400IU/kg、ビタミンE 240IU/kg)、グルコサミン1000mg/kg、メチルスルフォニルメタン(MSM)1000mg/kg、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、オオバコ、海藻、フラクトオリゴ糖、コンドロイチン700mg/kg、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、クランベリー、アニスの実、コロハ
【ニュートロ ナチュラルチョイス チキン&玄米 成犬用 原材料】
チキン(肉)、チキンミール、エンドウマメ、玄米、粗挽き米、鶏脂*、大麦、ラムミール、オートミール、米糠、サツマイモ、タンパク加水分解物、ビートパルプ、亜麻仁、リンゴ、ブルーベリー、ニンジン、マリーゴールド抽出物、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、イノシトール、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸)
カナガンの主原料は「骨抜きチキン生肉」となっており、続いて「乾燥チキン」が使用されています。
ナチュラルチョイスの主原料は「チキン(肉)」、続いて「チキンミール」と続きます。
いずれのドッグフードも主原料は動物性タンパク源が使用されているので、犬にとっても消化もしやすく、適切な栄養を摂取できるドッグフードと言えるでしょう。
また、両フードともに犬の健康にリスクがある人工添加物も一切使用していないドッグフードですので、安心して愛犬に与えることが出来ます。保存料や酸化防止剤に人工添加物を使用しているプレミアムフードもありますので、新たにドッグフードを切り替える際には注意して見たほうが良いでしょう。
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カナガンとナチュラルチョイスの成分を比較
続いてカナガンとナチュラルチョイスの成分について見てみましょう。
【カナガン チキン 成分】
粗タンパク質:33.00%、脂質:17.00%、粗灰分:9.00%、粗繊維:3.50%、水分:8.50%、オメガ6脂肪酸:2.80%、オメガ3脂肪酸:0.90%、エネルギー(100gあたり)/約361.25kcal
【ニュートロ ナチュラルチョイス チキン&玄米 成犬用 成分】
粗タンパク質:24%、脂質:15%、粗灰分:10%、粗繊維:4%、水分:10%、オメガ6脂肪酸:2.0%、オメガ3脂肪酸:0.2%、エネルギー(100gあたり)/約365kcal
成分を比較してみると、やはりカナガンは動物性タンパク源を多く含んでいるドッグフードですので、タンパク質が33%と高配合。ナチュラルチョイスは24%と平均的なタンパク質となっています。
カロリーについてはナチュラルチョイスの方が高く、100gあたり365Kcalとなっており、カナガンは100gあたり361Kcalとなっています。カナガンの方が高タンパク・低カロリーなドッグフードと言えますが、注意しなければいけないのがドッグフードを与える犬の年齢についてです。
というのも、幼犬や成犬は多くのエネルギーを消費しますのでカロリーやタンパク質の量が高くとも問題はありません。しかし、高齢犬はそれほど多くのタンパク質は必要とせず、10%台のタンパク質でも問題は無いのです。
プロ目線から見たフードの比較
前述の通り、高齢犬は多くのタンパク質を必要とはしていないのですが、その理由に挙げられるのが、老化による消化機能の低下です。
肉を消化するためには腎臓の働きが重要になってきますが、老化によって衰え始めている腎臓にとって、高タンパクな食事は腎臓への負担・体への負担が懸念されます。
高齢犬は低タンパクで、しっかりとカロリーを摂取できる食事が望ましいのですが、残念ながらカナガンは全年齢対応のドッグフードのみとなっているため、ニュートロのように年齢別の選択肢がありません。
幼犬や成犬、活発な中高齢犬にとってはカナガンはおすすめのドッグフードと言えるのですが、高齢犬にとってはあまりおすすめとは言えるドッグフードではないのです。このように、いくら栄養価が高くとも、年齢によっては適したドッグフードがあるということを理解しておくようにしましょう。
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