「銃器探知犬」は我々の生活を安全にし、密輸などの犯罪を撲滅するために働く彼らですが、銃器探知犬の元となるのは、実は「麻薬探知犬」なんです。今回は銃器探知犬と麻薬探知犬の仕事や関わりについて調べてみました。
犬の優れた能力と仕事
犬が人の仕事に従事してきたのは遠い昔からで、牧場などで羊追いや外敵から羊を守る役割を果たしてきた「牧羊犬」等は、紀元前4300年頃からも始まっていたと見られています。こうした犬たちの働きは今も続いており、犬が私達の生活や仕事に従事し、支えてくれているのは今や当たり前のようになっていますが、まだまだ犬の能力を再確認する事も多いです。
犬にも様々な仕事があり、主人に従事し、自分のテリトリーを守ろうとする習性を利用した牧羊犬等の仕事、犬の優れた知能を利用した「盲導犬」等の仕事、優れた嗅覚を利用した「麻薬探知犬」等の仕事がありますが、近年では2003年（実際にはもう少し前から活躍していましたが）に国内で初となる「セラピードッグ」が登場しました。このように、犬の能力はまだまだ未知数で、近年においても次々と犬の能力に頼った仕事が登場しているのです。
犬の優れた能力と仕事
紀元前から犬は使役動物として、私達とともに働いてきましたが、現代においても新たな仕事・新たな能力が発見されてきています。昔の方々は、セラピードッグのような「心を癒やす」という能力には気が付いていなかったのでしょうね。
今回取り上げる「銃器探知犬」も、犬の新たな能力を利用した仕事のひとつですが、ついこの間とも呼べる平成21年4月に初めて、私達の住む日本での銃器を探知することの出来る「麻薬探知犬」が導入されました。この銃器探知犬は、犬の優れた嗅覚を利用した仕事になりますが、国内に導入された銃器探知犬の働く場所は「税関」でした。
税関での銃器探知犬の働き
近年、世界各国では爆弾テロ等の物騒な事件が相次いでいますが、同時に麻薬絡みの事件なども非常に多いですね。皆さんも経験があると思いますが、飛行機に乗る際には厳重なセキュリティを通過し、手荷物検査等も実施されています。また、海外旅行では税関でのチェックも行われますが、こうした事件は、厳重なセキュリティを巧みに掻い潜り起きるものです。
こうした事件を未然に防ぐために、この銃器探知犬が活躍するのです。銃器探知犬は麻薬探知犬の仕事もこなすため、手荷物検査などを掻い潜って密輸される麻薬や銃器を発見し、未然に摘発することが出来るのです。国内で初の導入となった成田空港では、国際便も数多く発着しているため、特に大事な仕事となります。
平成21年に導入された銃器探知犬はラブラドール・レトリバーの「ビト」と「サマンサ」の2頭で、2頭とも2歳の銃器探知犬です。2頭の銃器探知犬は実践的な訓練を受け、4月からは実務を行っていますが、密輸される拳銃やライフルだけではなく、銃器に使われる部品なども探知することが出来るのです。
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麻薬探知犬の国内の歴史
銃器探知犬の仕事は、銃器の探知だけではなく、元となる仕事が麻薬探知犬としての訓練が行われます。また、銃器探知犬だけではなく「爆発物探知犬」も同様に、元となる仕事は麻薬探知犬です。麻薬探知犬の仕事場は税関だけでなく、入国検査場や貨物エリア、港に届く国際郵便物の探知など、活躍の場所は多岐にわたるものです。
日本国内に初めて麻薬探知犬がアメリカから導入されたのは、昭和54年6月のこと。その翌年には国内での麻薬探知犬の育成が始められました。現在では120頭を越える麻薬探知犬が、全国各地の税関に配置され、これまでにたくさんの摘発に貢献してきています。
麻薬探知犬の訓練
麻薬探知犬になるには約4ヶ月間に渡って厳しい訓練が行われ、さらに認定試験に合格する必要があります。また、認定された後も、実践的な訓練を積む必要があります。こうした訓練を行い、早ければ1歳からデビュー、8歳には引退を迎えます。
このような訓練を積むことで麻薬探知犬として認定されますが、さらに銃器探知犬や爆発物探知犬になるには、更なる訓練を積む必要があるのです。麻薬探知犬は優れた嗅覚で「麻薬」の臭いを探知出来ますが、爆発物探知犬は更に「火薬」や「爆発物」に使われる成分の臭いを探知することが出来、銃器探知犬は「銃器」に使われる臭いを探知するのです。
そのため、更なるスキルアップが要求されるので、より一層の狭き門となるわけです。麻薬探知犬も重要な仕事になりますが、銃器探知犬や爆発物探知犬は更に重要な仕事をこなす犬となるのです。
まとめ
治安を維持するのは大変な事ですが、こうして銃器探知犬等が活躍してくれることで、より厳重なセキュリティを維持することに繋がり、私達の安全を維持してくれているのです。銃器探知犬を始めとした犬たちは、その優れた嗅覚で人間の目だけでは見つけられない物や、どんなに高性能な検知器でも発見出来ないような物でも発見することが出来ます。
爆発物探知犬と同じく「地雷探知犬」に関して言えば、地雷探知機で反応しないような地雷をも発見することが出来ます。また、単なる鉄くずにも地雷探知機は反応してしまいますが、地雷探知犬はこういった嗅ぎ分けも可能です。銃器探知犬や麻薬探知犬も、単に臭いを嗅いで探知しているように見えますが、犬の持つ能力を最大限に駆使して、こういった危険物を発見しているのです。
彼らの働きには頭が下がるばかりですが、これからも犬の持つ様々な能力によって、私達、人間が助けられることでしょう。もしかすると、あなたの飼っている愛犬も、何かの仕事に適した能力を持っているに違いませんよ？
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