モルモットを飼っている方であれば、一度は耳にするであろう「ビタミンC欠乏症」という病気。ビタミンCが生成できないモルモットが、ビタミンC不足になることで発症する病気ですが、どのような症状か、またどのような対策があるかを見てみましょう。

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モルモットの体はビタミンCが生成できない


モルモットの体は人間と同じように「ビタミンC」を作ることができません。そのため、モルモットにビタミンCを摂取させないと「ビタミンC欠乏症」と呼ばれる病気を引き起こしてしまうのです。

人間であれば、ビタミンCのサプリメントを飲んだり、食事からビタミンCを摂取する必要がありますが、こうした部分もモルモットと同じと言えるでしょう。

モルモットも食べ物からビタミンCを摂取する必要がありますが、市販で販売されている「モルモット用フード」には、だいたいビタミンCが配合されているものがほとんどです。念のため、今与えているフードを確認して見るようにしましょう。

代表的な商品には「ひかりモット」が挙げられますが、他にもいくつかの商品がありますので、モルモットには必ずモルモット用フードを与えるようにしましょう。

餌の量はしっかりと把握しましょう

モルモットが十分にビタミンCを摂取出来ていなければ、モルモットはビタミンC欠乏症を引き起こす事となってしまいます。モルモットがしっかりとフードを残さずに食べてくれれば問題は無いかもしれませんが、中にはあまり食べなかったり、十分な量を摂取できていなかったりするのです。

日頃からしっかりとモルモットの食欲や、活動している様子は確認するようにしましょう。日頃から観察していれば、モルモットのちょっとした異変にも気がつくことが出来るでしょう。

また、ご飯の食べる量、残す量なども確認するべきです。食べている量が把握できなければ、十分なビタミンCが取れているかもわかりません。では、ビタミンC欠乏症とはどのような症状を引き起こす病気なのかを見てみましょう。

モルモット特有の「ビタミンC欠乏症」

モルモットがビタミンC欠乏症を発症すると、毛艶や悪くなってしまったり、毛並みも悪くなってしまいます。また、モルモットの食欲が落ちはじめるだけではなく、後ろ足に力が入らなくなる様子が見られるようになります。

そのため、後ろ足を引きずって歩いたりするため、飼い主さんがビタミンC欠乏症に気がつくタイミングが、このビタミンC欠乏症の代表的でもある後ろ足を引きずる様子から気がつく場合が多いようです。

ビタミンC欠乏症を発症すると、モルモットの骨の形にも変化が見られ始め、骨の形成に異常をきたしたりもします。後ろ足を引きずって歩くのは、この骨の変形からくるもので、放おっておくとどんどん骨も変形していってしまうため、非常に危険です。

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骨に悪影響を与えるビタミンC欠乏症


ビタミンC欠乏症で見られる症状はこうした症状の他にも、軟便になってしまったり、食欲の低下といった症状も見られるようになります。また、最も深刻なのは、骨が変形してしまうことで歯がもろくなるといった症状を引き起こすことです。

これにより、場合によっては「不正咬合」の原因となってしまったり、出血しやすくなったりといった事が起きてしまうのです。後述しますが、不正咬合を引き起こすと満足にご飯を食べることが出来なくなるため、どんどんと衰弱してしまう要因となるのです。

骨の形成がおかしくなると足の骨だけではなく、歯にも悪影響を与え始めます。また、歯ぐき等にも影響が見られてくると、より回復させることも困難になってしまいます。

不正咬合(ふせいこうごう)とは

モルモットがビタミンC欠乏症を引き起こすことで見られる不正咬合。実は歯の伸び過ぎが原因で不正咬合になる場合もあります。

不正咬合とは歯のかみ合わせがおかしくなってしまう症状で、思うようにご飯を食べることができなくなってしまうため、徐々に衰弱し、場合によっては命を落としてしまう可能性のあるものです。

ビタミンC欠乏症で起きる不正咬合は、主に歯の変質が原因となって起きるものです。不正咬合を防ぐためにはビタミンC欠乏症にならないようにすることが大事です。また、他では柔らかいものばかり与えていたりすると不正咬合を引き起こすため、かじり木などを咬ませるようにすることが必要になります。

ビタミンCが欠乏してしまうことで、様々な部位に悪影響が及ぶということがわかります。

ビタミンC欠乏症を予防するために

ビタミンC欠乏症を防ぐために、モルモットのフードにはビタミンCが予め配合されているものも多く、また、野菜などでも摂取することができます。もしくは、ビタミンC剤も販売されていますので、錠剤としてフードに混ぜたり、液体ならば水に溶かしたりして、モルモットにビタミンCを摂取させる必要があります。

しかしながら、ペットとして飼育されるモルモットがビタミンC欠乏症を引き起こしてしまう要因には、上記に挙げたような食べ物からビタミンCを上手く摂取できていない事と、飼育されている環境によるものが挙げられます。

その要因の一つに、モルモットが抱える「ストレス」が関係しているのです。ビタミンCはストレスがかかることで多く消費してしまうため、モルモットにとってストレスは天敵と言えるものなのです。

ストレスはビタミンCを破壊する要因に

モルモットは前述の通り、ストレスがかかることでビタミンCの消費も激しくなってしまいます。モルモットはとても臆病な動物なので、環境が変わってしまっただけで警戒してしまったり、外の様子が不安に感じてしまったりして、ストレスを抱えてしまうのです。

ストレスのかかる環境で飼育していることが続いてしまうと、いくらビタミンCを摂取していてもどんどんとビタミンCは消費されてしまうため、思うような効果を出すことはできないでしょう。

こうした状況を変えるためには、まずはこうした環境を整えてあげることが重要となります。食事の管理と落ち着ける環境は、モルモットにとって同じくらい重要な要素だということを理解しておくようにしましょう。

モルモットフードは早めに使い切りましょう

野生化におけるモルモットは、野生に生えている野草を食べることでビタミンCを上手に補っています。しかし、ペットとして飼われているモルモットはこういった環境下ではないため、モルモット用フード等に頼らざるを得ないのです。

1点注意したいのは、モルモットフードを開封した後は、1ヶ月以内を目処に使い切るということです。そのためにはモルモットの食事量をある程度、正確に把握する必要があります。

例えば、前述でも取り上げた「ひかりモット」というフードですが、製品には400gのものと1.2kgの物があります。ひかりモットの適切な給餌量は1日20g〜30gとありますので、400gのサイズであれば1匹あたりおおよそ15〜6日分となります。1ヶ月以内に使い切れるよう、しっかりと計算しながら購入するようにしましょう。

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空気に触れると減少するビタミンCの成分

モルモットフードに配合されるビタミンCですが、ビタミンCは空気にさらされると時間とともに急速に減少してしまうという習性を持ちます。フードを1ヶ月以内に使い切りましょうと言う理由はこのためで、開封してから1ヶ月以上と日の経っているモルモットフードには、ほとんどビタミンCは残されていないでしょう。

また、ほとんどのモルモットフードにはジッパーが付けられていますが、封はしっかりと閉じて使用するようにしましょう。フードの酸化は思うよりも早く起きてしまいますので、注意が必要です。

モルモットフードは開封した後はしっかりと空気を抜いた上で蓋をしめ、直射日光を避けた場所に保管し、なるべく早く使い切ることを心がけましょう。

野菜や果物でもビタミンCの摂取ができます

ビタミンCを摂取するためには、モルモットフードやサプリメント以外にも方法はあります。「キャベツ」や「ブロッコリー」などの野菜や、「リンゴ」「オレンジ」などの果物がそれに当たり、モルモットもおやつとして喜んで食べてくれることでしょう。

これらの野菜や果物を与える際には、くれぐれも与え過ぎに注意するようにしましょう。野菜や果物は水分量も多いため、与えすぎてしまうと上手に消化ができずに下痢を引き起こしてしまう場合もあるからです。

まずは一口大から始めて、しっかりと便の状態を確認しながら与えるようにしましょう。また、下痢をしないからといって与え過ぎも良くはありません。与え過ぎは肥満の要因にもなりかねませんので、しっかりとモルモットフードを食べさせ、牧草も十分に与えた上で、適量をおやつとして与えるようにしましょう。

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