犬や猫よりも飼育が簡単と言われる小動物。その中でも、ちょっとしたポイントだけ気をつければ、非常に飼いやすい動物がモルモットです。今回は、モルモットの飼い方と、モルモットのお手入れについてまとめてみました。

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様々な品種のモルモット


こんなかわいいモルモットですが、実は意外とたくさんの品種が存在しているのをご存知でしょうか。モルモットは、品種によってはお手入れの仕方も変わってくるため、品種にあったお手入れ方を知る必要があります。

例えば、体にたくさんのロゼット(巻き毛)を持つアビシニアン・モルモットは、時々のブラッシングでも良いですが、長毛種でもある「シェルティー・モルモット」等は小まめにブラッシングや部分カットが欠かせません。特にお尻周りや足回り・脇などは、毛を引きずるような形になってしまいますので、お手入れも大変です。

逆にスキニーギニアピッグの様に、毛が無い場合は手入れも楽でしょうか?答えはそうではありません。

確かにブラッシングなどのお手入れを必要とはしませんが、毛が無いために温度管理や皮膚のお手入れは欠かせません。適温を保つようにし、皮膚病にならないような皮膚の管理には、非常に気を使う品種でもあります。

モルモットのブラッシング

品種によるお手入れの違いがわかれば、次はお手入れの方法について見てみましょう。モルモットのお手入れには、毛のお手入れ、爪切り、皮膚の管理、体調管理が挙げられます。

毛のお手入れは基本的にはブラッシングが中心となりますが、前述の通り、毛の短い品種であれば1ヶ月に1〜2回、長毛種であれば毎日のブラッシングが必要となります。

また、場合によっては部分カットも必要となるでしょう。ブラッシングには毛艶を出す効果の他にも、夏場であれば熱がこもって皮膚に悪影響を与えないようにする効果や、冬であれば乾燥によって汚れや静電気を除去させる効果もあるのです。

一見すると、ただ毛の流れを良くしているだけに思いがちですが、ブラッシングにはこうした大事な効果も含まれていますので、より健康な体を維持するためには必要不可欠なお手入れとなっているのです。

モルモットのシャンプーは必要か

モルモットをお手入れしていると、体の汚れは洗い流さなくてもいいの?と思うかもしれません。体が汚れていると、皮膚病を引き起こす場合もありますので、汚れは綺麗にしてあげたほうがもちろん良いのですが、問題は洗った後にあります。

というのも、洗った後にはしっかりと乾かすことができなければ、モルモットの体調を崩すだけではなく、逆に皮膚への悪影響も考えられるからなのです。また、月に1回などの頻度で洗う必要はありません。

どうしても気になる場合には、ノンアルコールのウェットティッシュや濡らしたタオルなどでモルモットの体を拭いてあげ、その後は乾いたタオルなどで再度拭いてあげるなどの方法で十分といえます。ポイントとなるのはしっかりと毛を乾かすことです。

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モルモットの爪切り

モルモットの爪切りも覚えておくと良いです。というよりも、爪切りはモルモットを飼育する上では必須なお手入れの一つですので、覚えておくべきと言えます。人間と同じように、モルモットも爪は伸び続けてしまうものなので、定期的にカットしてあげないと怪我をしてしまう原因にもなりかねません。

例えば、ケージ内で引っ掛けてしまったり、今で遊ばせている時にカーペットなどにひっかけてしまったりといったように、何かしらの原因で怪我をしてしまう恐れもあります。

単に爪が折れるだけならまだしも、爪が引っかかってしまって骨折してしまう可能性もゼロではありません。こうした事故を未然に防ぐためにも、モルモットの爪の長さを定期的に確認するようにして、必要であれば爪切りをおこなうようにしましょう。

爪の中心に通う血管に注意


モルモットの爪には、血管の見えている「白爪」と、血管が見えない「黒爪」とありますが、黒爪である場合には爪切りの難易度も少々上がってしまうかもしれません。

白爪であれば、爪の中心部分に血管が見えているので、血管の少し手前まで爪を切っても問題ありません。しかし、モルモットの爪が黒爪の場合には、爪の中心に通う血管を確認することができませんので、血管を切らないよう、先端から少しずつカットしていくようにしましょう。

どうしても爪切りが行えない場合には、動物病院などで定期的に爪切りをしてもらう必要があります。しかし、毎回爪切りだけを行なうために動物病院に通うのも面倒ですので、できるだけ自分で爪切りを行えるようにしていきましょう。

仕上げの「やすり」も忘れずに

モルモットは臆病な動物なので、爪切りに慣れていないと暴れてしまう場合が多いです。どうしてもモルモットが暴れてしまうようであれば、タオルで目線を遮ると少しおとなしくなりますので、まずはモルモットを落ち着かせてから爪切りを行ってみましょう。

そして、爪切りを行って完了というわけではありません。爪切りを行った後には、「やすり」をかけてあげる必要があります。

やすりで爪の先端を丸めなければ、尖った爪の先端に何かを引っ掛けてしまう恐れがあります。ケージ内ならまだしも、居間に離す習慣があるのであれば、カーペットに爪が引っかかってしまう可能性があります。

これでは爪切りをした意味もなくなってしまいますので、しっかりとヤスリをかけてあげるようにしましょう。

ビタミンCが作れません

モルモットは、ビタミンCを作ることができない動物です。そのため、モルモットには何かしらの方法でビタミンCを摂取させる必要があるのです。

モルモットにビタミンCを摂取させないと「ビタミンC欠乏症」と呼ばれる症状を引き起こしてしまい、ビタミンC欠乏症を発症すると、毛艶や毛質、食欲が落ちるだけではなく、後ろ足を引きずって歩いたり、骨の形に異常をきたしたりもします。

このビタミンC欠乏症を防ぐために、モルモットのフードにはビタミンCが予め配合されているものがほとんどです。また、ビタミンCは野菜などでも摂取することができます。

もしくは、ビタミンC剤も販売されていますので、錠剤としてフードに混ぜたり、液体ならば水に溶かしたりして、モルモットにビタミンCを摂取させる必要があります。

ストレスのかからないような生活を

モルモットのビタミンC欠乏症を防ぐためには、ストレスのかからないような環境作りにも注意しましょう。ストレスがかかることで、ビタミンCの消費も激しくなってしまいます。

モルモットはとても臆病な動物なので、環境が変わってしまっただけで警戒し、聞き耳を立ててビクビクしています。なるべく、ストレスの無いような生活を送らせることも、ビタミンC欠乏症を未然に防ぐ予防策となるのです。

こうした体調の管理も、モルモットの毛質や毛艶を維持するために欠かせない要素なのです。いくらこまめにブラッシングをしていても、栄養管理がおろそかになっていれば意味がないばかりでなく、モルモット自身の生命にも関わる事態になりますので、十分に注意しましょう。

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睡眠時間もしっかりと取りましょう

かわいいモルモットも、睡眠時間が少ないと体にストレスがかかってしまいます。かわいいからといって常に抱っこしていたり、遊んでばかりいると、モルモットの体力も失われてしまい、体長を崩してしまいます。

日頃から便の状態やご飯の食いつきを確認するようにし、体調を崩していないかを把握できるようにしておきましょう。十分に睡眠時間を取ることができなければ、モルモットの免疫力も低下してしまい、病気を引き起こしてしまったりもします。

体調を崩してしまってから気がつくのではなく、日頃の健康管理やモルモットの体調チェックを日課にするようにし、いち早く健康状態の異変に気がつけるようにしましょう。十分な健康管理を行なうことが、モルモットにとって一番可愛がることに繋がるのです。

2匹以上で飼育する時


モルモットを1匹だけで飼っていると寂しそうだと思い、もう一匹モルモットを増やすことを考えるかもしれません。その場合には、いきなり同じケージ内で飼育せず、ケージをもう一つ用意して飼育するようにしましょう。

モルモットにしてみれば、突然、他人が部屋に住み始めるようなもの。こうした事でもストレスは溜まってしまいます。

まずはお互いの顔や臭いに慣れさせるため、ケージ越しで認識させるようにし、モルモットが興味を持ち始めたようであれば、試しに同室に入れてみましょう。

また、その際も初めから住まわせるのではなく、「遊びに来た」程度の時間からはじめるようにし、徐々に一緒にいる時間を増やし、最終的に同居させるといった方法で飼育していくようにしましょう。

モルモットを飼うために

モルモットのお手入れについて解説していきましたが、いかがでしたでしょうか。こうしたお手入れは、モルモットとのコミュニケーションにもなりますので、できるだけ飼い主さんが行えるようにしていきましょう。

しかし、まだ家に来たばかりのモルモットや、なかなか慣れていないモルモットに対して無理やりお手入れするのは避けましょう。無理矢理に行ってしまうと、モルモットもお手入れが「気持ちいいこと」ではなく「怖いこと」に変わってしまいますので、まずはモルモットとの距離を縮める事から始め、段階を踏んだ上でお手入れを行っていくようにしましょう。

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