はしゃぎまわっていたフェレットも、4歳を迎える頃にはシニアと呼ばれる高齢期に突入します。まだまだうちの子は元気と言わず、若い頃からの健康管理・病気予防が、高齢期のフェレットが元気に過ごすことのできるポイントとなります。
4歳からのフェレットの生活
家族に迎え入れられて、やんちゃに遊び回っていた幼少期のフェレットも、生後半年〜1年あたりになると、徐々に大人っぽくなってきて、体つきもガッチリとしてきます。とはいえ、まだまだ遊ぶことが大好きな時期ではありますけどね。
フェレットの寿命はおおよそ8年〜10年程と言われていますが、4歳過ぎになると、フェレットも高齢期に入ってきます。この頃になると、体つきも完成し、性格も子供の頃に比べると、幾分落ち着いてはきているでしょう。
そこで、元気な高齢期・4歳過ぎの生活を送るために、どのような点に注意したら良いのかをまとめてみました。
食事の管理について
メーカーから販売されているフェレット用フードにも種類があります。4歳を過ぎてからは、フェレットが必要とするカロリーや栄養素も若干変わってきます。一つの例としては、シニアのフェレットは、幼齢期のフェレットに比べて、多くのカロリーは必要としません。そのため、幼齢期のフードを食べ続けていると、肥満を招く結果となってしまいます。
うちの子はまだまだ元気だから、シニアフードなんてと言わずに、より高齢期になったときのことを考えて、4歳を迎えたタイミングで徐々に2種のフードを混ぜるようにし、自然にシニアフードに移行するようにしましょう。
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4歳〜に好発する「副腎腫瘍」
4歳を過ぎた当たりから、フェレットも病気になるリスクが高くなってきます。フェレットに多い病気の一つに「副腎腫瘍」と呼ばれる病気があります。4歳以降のフェレットに多く見られる病気で、その数も約半数近くのフェレットが経験するという話も。
副腎腫瘍の症状は、オスとメスで変わってきます。オスの場合には、前立腺が肥大してしまい、尿が出にくくなるといった症状、メスの場合には外陰部が肥大してしまい腫瘍化していきます。こうした症状は、副腎腫瘍を患うことによって、腎臓の直ぐ側にある左右の副腎が腫瘍化してしまうことで引き起こされ、脱毛症状や体臭が強くなる、性格がきつくなるといった症状が見られるようになります。また、状態を放置しておくと最悪の場合、死に至る事も珍しくありません。
副腎に影響が出ることで、ホルモンバランスが崩れてしまう為にこうした症状が現れるのですが、副腎腫瘍の治療に関しては、ホルモンバランスを安定させるための内科的治療を行い、症状が緩和・改善しないようであれば、外科手術を行い、患部を摘出しなければいけなくなります。
副腎腫瘍を早期発見・早期治療するためにも、脱毛の症状が見られ始めたら、病院に診察にいくことをおすすめします。また、他の病気の早期発見にも繋がりますので、定期的な検診を行うとより良いでしょう。少なくとも、3歳〜4歳になった時には、一度は健康診断を行うようにした方が、その後も安心でしょう。
フェレットに多く見られる病気「インスリノーマ」
3歳〜4歳のフェレットに多く見られる病気に「インスリノーマ」と呼ばれる病気が存在します。普段の生活で、フェレットの元気がなかったり、後ろ脚に力が入っていなかったり、口の周りをひっかくような様子が見られることは無いでしょうか。
インスリノーマとは、膵臓にできる腫瘍の病気で、フェレットのホルモンバランスが崩れる病気です。具体的には、糖尿病などで知られるホルモンの一種「インスリン」が過剰に分泌されることで、血糖値が低下してしまい、上記に挙げたような症状を発症するのです。
また、ふらついたり、ボウっとしていたり、ヨダレを垂らすなどの様子も見られるでしょう。症状が重症化することで、痙攣や昏睡状態に陥るといった症状も引き起こしてしまいます。
インスリノーマを完治させることは難しいため、外科手術によって病変の摘出を行っても再発する場合が多く、内科的治療で投薬治療を行い症状の緩和・抑制を行う治療がメインとなるでしょう。しかし、こうした治療は生涯続ける必要があり、他にもインスリンの分泌を抑えるための食事療法なども併用して行う必要があります。
上記に挙げたような症状が見られた場合にはすぐに病院に診察しにいくことをお奨めします。また、低血糖状態にあるため、蜂蜜などを舐めさせる応急処置を施すと良いでしょう。
ジステンパーウイルス
フェレットを飼う際に、必ず知っておかなければいけない病気の一つでもある「ジステンパー」。成長した後でも、年に一回は予防接種を行うことをおすすめしますが、お忘れではないでしょうか。
このジステンパーという病気はジステンパーウイルスと呼ばれるウイルスに感染することで発症し、犬や猫、フェレットにも感染する、致死率もかなり高い病気です。フェレットが感染した場合、ほぼ100%の確率で命を落とす結果となるでしょう。そのため、フェレットだけを飼育している場合も注意が必要ですが、犬や猫なども飼育している場合には、さらなる注意が必要になるでしょう。
ジステンパーウイルスに感染すると、初期症状では食欲の減退や元気の減退、発熱、咳といった症状が現れ、下痢や嘔吐といった症状も見られるでしょう。症状が重篤化していくと、やがては神経系へと進行し、麻痺や痙攣といった症状を引き起こします。また、てんかんの症状も現れはじめ、こうした症状が現れている際に2次感染を引き起こし、肺炎などの病気も併発してしまいます。また、状態によっては死に至る場合もあるでしょう。
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今一度確認したい、ワクチン接種について
ジステンパーウイルス感染症の原因となるのは、犬ジステンパーウイルスに感染している犬の、唾液や排泄物、目やに、鼻水などを口にすることで感染が成立します。また、咳やくしゃみなどでも、周辺にジステンパーウイルスが飛散してしまい、これらを吸い込んでしまった場合においても感染が成立してしまいます。
残念がら、ジステンパーウイルスに対する治療薬は存在しません。フェレットを外に出す機会がないから大丈夫と、油断してはいけません。犬にもジステンパーのワクチン接種が存在し、普通であれば予防接種を毎年、受けているはずですが、中には予防接種を受けていない場合もあります。こうした犬などがジステンパーに感染し、フェレットの飼い主がその感染犬などに触れ合うだけでも、フェレットへの感染リスクは高まるのです。
こうした病気にいつ感染するかはわかりません。出歩く機会がないから、うちの子は大丈夫だからと油断してはいけません。年に一回の予防接種です。発症してからでは遅いので、忘れずに予防接種を受けるようにしましょう。
まとめ
高齢期に入ってきたフェレットは、このように食の管理と病気の予防を中心に考えていく必要があります。フェレットは特に元気に遊び回っているために、うちの子はまだまだ元気と、こういった危機管理も忘れがちになってしまいます。
元気なうちだからこそ、より高齢期になった時に備えて、いまからしっかりと健康管理を行っていく必要があります。より元気な老後を過ごさせるためには、ストレスのない生活環境と、バランスの取れた食事の管理、そして病気に対する飼い主さんの知識と予防策が非常に重要です。
フェレットには健康食品などもあまりありませんので、だからこそ、こまめな体調管理と食事の管理が大事なのです。かわいいフェレットには、いつまでも長生きしてほしいですよね。飼い主さんも、フェレットの異変にすぐに気がつけるような存在でいてあげてくださいね!
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