「ドッグレース」は、海外ではギャンブル色の強いですが、日本国内ではギャンブルとしてでは無く、愛犬と共に楽しむ為のものとして「ドッグレース」が行われています。今回は、このドッグレースの様々な種類について解説していきます。

スポンサーリンク

ギャンブルを伴うドッグレースの衰退

犬の足の速さを競う「ドッグレース」。このドッグレースにも色々な種類が存在しており、国によってもドッグレースの取り扱われ方も様々です。海外のドッグレースでは、競馬のようなギャンブルの一つとして親しまれている国もありますが、日本ではギャンブルとしてドッグレースを行うことは違法ですので、日本国内で行われるドッグレースはあくまでも「趣味」や「競技」としての位置づけになります。

しかし、近年では世界的にも動物愛護の声が高まっており、ギャンブルとして行われていたドッグレース場の閉鎖が相次いでいたり、レース犬達が強いられている悪質な飼育環境が問題に上がったりと、「ギャンブルとしてのドッグレース」自体の是非が問われる時代に入ってきています。

ギャンブルを伴うドッグレースは1909年のアメリカで初めて行われ、その後の1927年にはイギリスでもドッグレースが開催されていきました。今ではアメリカやイギリスを始め、オーストラリアやマカオ等の国々でもギャンブルとしてのドッグレースが行われています。第2次世界大戦後、日本でもギャンブルとしてのドッグレースを開催する動きがあったようですが、成立するまでには至らなかったという記録も残されます。

狩猟犬の本能が引き出される「ルアーコーシング」

ドッグレースと言っても、必ずしもギャンブルが伴われるわけではなく、競技としてのドッグレースであれば日本を含めた世界各国で親しまれているもので、ドッグレースの種類にも様々な物が存在します。

ドッグレースとしてもポピュラーとなるのは、狩猟犬の本能を最大限に引き出すためにウサギ等の獲物に見立てた「ルアー(疑似餌)」をコース上に走らせ(糸などで巻き取る)、そのルアーを犬たちが追いかけるドッグレースで、1対1のレースもあれば、競馬のように複数頭で走らせるドッグレースもあります。

「ルアーコーシング」とも呼ばれるこうしたドッグレースは、主に犬の足の速さを競うもので、スタートからゴールまでの着順を競うものや、タイムを競うものなどがあります。圧倒的に有利になるのは、やはり先祖に狩猟犬の血が流れる犬種たちで、代表的な犬種には「ボルゾイ」や「ウイペット」、「サルーキ」「グレイハウンド」等の犬種が挙げられます。

小型犬種も迫力のレースを展開

ルアーコーシングはクラス別に別れている場合も多く、小型犬種でもルアーコーシングでレースを競うものもありますが、小型犬種の中でも狩猟本能が強い犬種に挙げられる「ジャック・ラッセル・テリア」のためのドッグレースも存在します。

「ラッセルレース」と呼ばれるこのレース、横一線に並べられたゲートから一斉に走り出し、ルアーコーシングと同じくルアーを追いかける、ジャック・ラッセル・テリアのためのレースで、ジャック・ラッセル・テリアの持つ本能が見られる、迫力のレースです。

ルアーコーシングも同じくそうですが、興奮のあまり他の犬に噛み付いてしまう事もあるために、マズルにはマズルカバーが付けられます。足の長い大型犬種達のスピード勝負も大迫力ですが、ジャック・ラッセル・テリア等の小型犬種達の本能も負けてはいません。

スポンサードリンク

他のドッグレースとは違った魅力の「犬ぞりレース」

日本でも南極物語の「タロ・ジロ」でお馴染みの「犬ぞり」。主に雪の積もる地域での運搬のために、犬に「そり」を引かせて移動する目的で始められたもので、古くは35,000年前のモンゴルが起源とされています。現在でも犬ぞりを活用して生活を送っている人々もいますが、一方では「犬ぞりを体験」といった観光を行うために犬ぞりが使われたり、レースとして犬ぞりが楽しまれたりと様々です。

寒い地方で行われる犬ぞりレース。当然、犬には足の速さも求められますが、そりを引く強靭な肉体や、寒さに耐えうる体も求められます。犬ぞりに適した犬種には「アラスカン・マラミュート」や「サモエド」、タロとジロで知られる「樺太犬」、「シベリアン・ハスキー」などの犬種が多く見られ、この他にも寒さに強く体つきががっしりとした、その土地特有の犬種が採用されています。

犬ぞりの体型には2種類あり、「タンデムタイプ」と呼ばれる縦に並んでそりを引く体型と、「ファンタイプ」と呼ばれる横一列に広がってそりを引く体型がありますが、国内での犬ぞりレースで多く見られるのは縦一列で引くタンデムタイプでしょう。また、「2頭引きレース」「4頭引きレース」と言ったように、そりを引く頭数を変えてのレースもあります。

犬ぞりは他のドッグレースのようにスピードや短距離でのタイムを計るものもありますが、中には1,000kmを越える超長距離を走破する犬ぞりレースも存在します。また、他のドッグレースは基本1頭での勝負ですが、犬ぞりレースは複数頭での息を合わせたレースになるので、他とはまた違った迫力を味わえるドッグレースでもあります。

小型犬種も迫力のレースを展開

こうしたルアーコーシング競技の他にも、「ハードルレース」と呼ばれるコース上に並べられたハードルを飛び越えて走り、タイムを競うドッグレースや、愛犬とともにマラソンを行う「ドッグマラソン」等、実に様々なドッグレースが存在します。

海外ではギャンブルの一つとしてドッグレースが浸透している国もありますが、日本では主に「愛犬とともに楽しい時間を過ごすため」という趣旨が強いドッグレース。今回ご紹介したドッグレース以外にも、国内では様々なドッグレースや、ドッグスポーツ等が開催されています。興味がある方は是非参加してみては?

スポンサーリンク