「エジプシャンマウ」というに猫について説明します。猫の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、猫を飼う上では猫の種別に特徴を理解することが必要になります。今回はについて、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。
エジプシャンマウとは
エジプシャン・マウは、自然発生したスポット柄を持つ猫で、このスポット柄は地肌にまで及びます。このように、人間が手を加えずに自然発生したスポット柄を持つ猫は、猫の中でもこの猫種だけだと考えられています。
その他にも、身体能力が高く、走るのが速いエジプシャン・マウは、イエネコの中では最速の時速40～50kmで走ることができます。このスピードの秘密は、チーターと同じような体の構造で、脇腹から膝の裏に「皮ひだ」と呼ばれるものがあり、この皮ひだが発達しているため、一歩一歩の歩幅を最大限に広げることができるためと考えられています。
エジプシャンマウのルーツ
エジプシャン・マウのルーツは、ピラミッドの壁画に、エジプシャン・マウに似たスポット柄の猫が描かれていたり、この猫種の骨格に似たミイラが見つかっていることから、古代エジプトにエジプシャン・マウの祖先が存在していたのではないかと考えられていますが、今のところ定かではありません。
1953年、イタリアに亡命していたロシアの王女が、イタリアにあるエジプト大使館で、スポット柄のある猫に魅せられ、大使館に同じ猫種を取り寄せてもらい、イタリアの猫と交配させて産まれた2匹の子猫がエジプシャン・マウが誕生したきっかけとなりました。
その後の1957年、王女はこの猫たちを抱えてアメリカへ亡命したところ、瞬く間に美しいスポット柄のエジプシャン・マウの人気に火が付き、人々の関心を集めていきました。1977年には、アメリカを本拠とした世界最高峰の猫登録団体「CFA」に登録されています。
ちなみに、「エジプシャン・マウ」の「マウ」は、古代エジプト語で「ネコ」という意味から来ています。
エジプシャンマウの性格
エジプシャン・マウは、野性的な見た目とは違い、とても穏やかな性格で、物覚えも早いので、しつけがしやすい猫種です。また、独立心が強く、一人遊びが得意なので、留守番も上手にできます。まさに一人暮らしには最高のパートナーになるでしょう。
飼い主さんに対しては愛情深く接するエジプシャン・マウですが、一方で、見知らぬ人や猫に対しては、警戒心が強く、人見知りなところがあり、慣れるまでは時間がかかることがあります。
また、神経質でストレスを抱えやすいところも持ち合わせていますので、小さな子供がいる家庭や、多頭飼いにはあまり向かないようです。
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エジプシャンマウは賢い猫としても知られる
エジプシャンマウは前述のとおり、しつけがしやすい賢い猫としても知られます。というのも、ボールなどで遊ぶのはもちろん大好きですが、そのボールを取ってくるようにしつけることが出来たり、犬のようにリードに繋いで歩くこともできる猫だと言われています。
犬はあまりリードに繋いで散歩をすることはできませんが、エジプシャンマウはリードを繋いで、まるで犬の散歩のように歩くことも出来るほどに、飼い主に対してフレンドリーで賢い猫なのです。
一般的な猫では味わえないような、芸を仕込んでみたり、躾を行なったりといったコミュニケーションを図れるという点も、エジプシャンマウの魅力の一つとなっています。実際に飼ってみる場合には、ぜひ色々な事を教えてあげてみましょう。
エジプシャンマウの被毛
エジプシャン・マウの被毛は、短毛で光沢があり、まるでシルクのような肌触りです。
エジプシャンマウの被毛の手入れは比較的楽な方で、スキンシップも兼ねたブラッシングを、1日1回程度行うのが良いでしょう。また、年に2回の換毛期には毛の抜け変わりが多くなりますので、この時期にはこまめにブラッシングをして、常に体を綺麗な状態にしてあげるのが大切です。
せっかくの美しい毛並みも、手入れが楽だからと怠けていてはいけません。しっかりとブラッシングを行い、毛艶を出すことで、エジプシャンマウの美しい被毛もより輝くことでしょう。
また、ブラッシングを行うことでスキンシップもはかれますので、スキンシップが大好きなエジプシャンマウの気分も満足させてあげられることに繋がります。
エジプシャンマウの毛色
エジプシャン・マウの被毛のカラーは、猫種登録団体のTICAにおいて「シルバー」「ブロンズ」「スモーク」が公認職として認められており、エジプシャンマウの特徴でもあるスポットは丸く、全体的に均等で、はっきりしているものが良いとされています。このスポットは、地肌までスポットの色で染まっています。
また、エジプシャンマウの公認色ではないものの、「ブラック」と「ブルー」の毛色のエジプシャンマウも存在しております。
体型は手足が長く、胴もほっそりと長いセミフォーリンタイプ、目の色は美しいグリーン色のアーモンド型の目が公認の目色となっています。この目の色は「グースベリーグリーン」と名付けられており、エジプシャンマウ独特のグリーン色になっています。
エジプシャンマウは柄以外にも特徴が
エジプシャンマウの特徴は、その美しいスポット柄が代表的な特徴となりますが、この柄以外にも、ちょっとした特徴を持つエジプシャンマウがいるんです。
というのも、エジプシャンマウの額には「スカラベマーク」というM字マークの模様が浮かびあがることがあり、まるで困ったような表情に見えるなど、エジプシャン・マウの表情はとても豊かです。
スポットを持つ猫種にはベンガルやオシキャットが挙げられますが、いずれの猫種も交配によって作られたスポットであり、自然発生的にスポットを持っているのは、エジプシャンマウだけとなっています。作られたわけではない、スポッテッドタビーの模様と毛色は、エジプシャンマウの唯一無二のものなのです。
エジプシャンマウの大きさは？
エジプシャンマウの体重は、おおよそ3kg〜5kgほどの中型の猫になっています。エジプシャンマウは、これまでの歴史で近親交配による疾患が多く見られた時期や、近親交配を避けるために、ベンガルを始めとした様々な猫との交雑が進められてきた猫でもあります。
現在においては、こうした交雑はエジプト土着の猫をベースとした交配が進められるようになっていますが、近年の遺伝子分析によって、エジプシャンマウにはメインクーンやコラット、ターキッシュ・アンゴラといった猫の血縁に近いということが判明しました。
大型種の猫の血も少なからず入っているエジプシャンマウ。これまでにアビシニアンやシャムと交配させて、エジプシャンマウを作出するという交配も行われてきましたが、血縁が違うようなので、エジプシャンマウのような猫を作出することは叶わず、代わりに「オシキャット」が作出されるきっかけとなったようです。
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エジプシャンマウがかかりやすい病気
エジプシャン・マウは、基本的に原種に近い猫種なので、遺伝的疾患は少ないようですが、シニア期（7歳以上）に入ると、いくら健康体であったとしても、体に不具合は出るかもしれませんので注意が必要です。今回は、シニア期に入ってからかかりやすい病気を説明しましょう。
【尿結石】
尿管、膀胱、尿道の中に砂や石のような結石ができる病気で、この結石に刺激されることによって、膀胱や尿道を傷付けたり、尿道に詰まることでおしっこが出なくなります。特にオスは、尿道が細長くカーブしており、先端も細くなっているため、尿道に結石ができやすいと言われています。
「トイレの回数が増える」「少量のおしっこしか出ない」「おしっこをする時に痛がる」「おしっこがキラキラ光って見える」などの症状がある場合は要注意です。また、おしっこが2日以上出ない場合は緊急を要します。
【慢性腎不全】
老化や、腎疾患、泌尿器疾患、感染症によって腎臓の機能が徐々に低下して、やがては正常に動かなくなるという腎臓の病気です。
症状は、多飲多尿、食欲の低下などから始まり、進行すると、嘔吐や貧血、毛艶が悪くなる、体重が減るというような症状に陥り、最悪の場合は、尿毒症を引き起こして命を落とすこともあります。日頃から愛猫をよく観察すること、また、年に1回の健康診断を受けることをお勧めします。
エジプシャンマウのブリーダー
エジプシャンマウは比較的珍しい品種の猫で、ペットショップなどに並ぶことは少ないでしょう。そのため、エジプシャンマウを迎え入れる際にはブリーダーからの直販という形になります。
エジプシャンマウを専門とするブリーダーも少ないため、個人ブリーダーが多く見られますが、比較的関東近郊に集中していると行ったイメージです。
また、エジプシャンマウの相場としては、おおよそ25万円程度。高くとも35万ほどで販売されていることが多いようです。ペットショップなどに並ぶ機会もありませんので、ディスカウントの対象となることもほぼ無いでしょう。
エジプシャンマウの仔猫が誕生すると、希少種ではあるため、すぐに買い手が付いてしまいます。予めリサーチしておき、早めに迎え入れる準備をしておきましょう。
エジプシャンマウと暮らすために
エジプシャン・マウは、一人遊びが好きで、大型種類ではないものの運動量がやや多いため、上下運動ができるようなキャットタワーなどを置いてあげると良いでしょう。また、スキンシップも兼ねて、「猫じゃらし」や「ボール」などで遊んであげるととても喜びます。
先述したように、エジプシャン・マウは、ひとたび走れば時速40～50kmと、自動車並みの速さで走ることができますので、くれぐれも家から脱走させないように注意が必要です。逃げたら最後。捕まえることはできないと考えておきましょう。
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