犬の病気にも様々な種類がありますが、臓器系の病気も例外ではなく、犬の命を脅かす恐ろしい病気が多いです。また、発見することが困難な病気もあるため、しっかりと知識をつけて、ちいさな症状も見逃さないようになれることが大事になってきます。

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発見が遅れがちな「心筋症」

臓器の病気のひとつ、「心筋症」とは心臓の筋肉にあたる「心筋」の異常が原因となり、本来の心臓の機能を果たせなくなってしまっている状態の病気です。また、心筋症のタイプも「特発性」のものと「続発性」のものに分けられ、特発性の心筋症ではさらに「肥大型」「拡張型」「拘束型」と、主に3つのタイプに分類され、それぞれに症状と問題箇所が変わっています。

心筋症の治療に関しては、タイプによっても治療法や投与する薬も変わりますが、犬の心機能の改善を促すために、「L-カルニチン」や「タウリン」といった成分を摂取するようにし、また、犬を常に安静な状態にさせることで、心臓への負担を減らしていきます。

初期症状では、特に無症状である場合も多く、気が付かない内に病状が進行してしまっていることが多い心筋症。そのため、咳や呼吸困難、失神といった症状が現れた際には、すでに病状も進行してしまっている状態にあり、治療した予後も期待はできないでしょう。

愛犬が食欲が無かったり、元気がない場合、また食欲が無いのにお腹が膨らんできたり、呼吸が荒かったり、咳をしたりと、苦しそうな仕草が見られた場合には、心筋症を疑ってみてもよいかもしれません。

老齢になると増える「僧帽弁閉鎖不全症」

犬の心臓に異常が起きることで発症する「僧帽弁閉鎖不全症」という病気。いつもなら元気に走り回ったり散歩したりするのに、僧帽弁閉鎖不全症を発症すると、運動することを拒むようになり、散歩に行くことを嫌がったり、散歩に行った後に咳き込む症状や疲れやすいなどの症状見られるようになります。

僧帽弁閉鎖不全症の原因となる「僧帽弁」とは、心臓内の、左心室と右心室と呼ばれる4つの部屋を区切っている2枚の薄い弁の事を指しますが、この僧帽弁が血液の逆流を防ぐ働きをしています。この僧帽弁に異常が起きることで、元気の減退や呼吸が苦しくなると言った症状が発生し、呼吸困難などの症状を引き起こしてしまうのです。

僧帽弁閉鎖不全症を発症した場合の治療に関しては、外科手術によって心臓内を治療することは、非常に困難な治療となるため、投薬治療などによる内科治療が中心となるでしょう。
症状に応じて、対症療法が行われる他、体重の管理や食事の管理、生活の管理など、様々な点に関して対応していかなければいけなくなります。

予防することは難しいですが、出来る限り早期発見・早期治療を行うために、定期的な健康診断を行うようにしましょう。特に好発する年齢に挙げられる5歳過ぎになったら、健康に気を使った食事を摂らせるようにし、適度な運動をして体力をつけるなど、健康に気を使った生活を送らせるように心がけましょう。

「肺水腫」は他の病気も引き起こす

生命を維持するのに、非常に重要な役割を果たしている「肺」ですが、肺は本来、血液中へと酸素を送り、また、二酸化炭素を排出させる役割も果たしています。この酸素と二酸化炭素を交換する働きをしているのが、肺の中にある「肺胞」と呼ばれる部分ですが、肺水腫はこの肺胞などに水が溜まってしまい、本来持つ肺の機能が果たせなくなってしまうのです。

僧帽弁閉鎖不全症などの心臓の病気を患っていると、心臓の働きが正常でないために血液の流れが滞ってしまい、肺の中の肺胞を繋ぐ毛細血管の内圧が上昇してしまいます。結果として水分が外側に押し出され、肺に水が溜まってしまって肺水腫が引き起こされてしまいます。

肺水腫が引き起こされると、咳が出てきたり、息が荒くなったりと言った症状があらわれはじめます。ゼーゼーとした息をするようになり、常に呼吸をすることが苦しそうになるでしょう。こうした状態が酷くなると、呼吸困難などの症状も見られはじめます。
さらに病状が進行していくと、酸欠状態になっていくために口腔内にチアノーゼの症状が見られるようになったり、泡状の鼻水が出てきたりもします。吐き気をもよおしたり、ヨダレの量も増えてくることでしょう。

こうして肺が正常に働かなくなってしまい、結果として命を落としてしまう結果を引き起こしてしまうのです。そのため、肺水腫は、早期に発見・治療を行わければ、最悪の事態にもなりかねない結果を招いてしまいます。

まとめ

臓器の病気にならないためにも、大事になってくるのが日頃の健康管理です。健康管理を疎かにしていると、肺炎などの病気を発症してしまい、肺炎が引き金となって様々な病気を引き起こすこともあるのです。

そのためには、しっかりとした栄養管理と、日頃から体力をつけるための散歩や運動を心がけることです。犬も人間と同じように、歳を重ねていくと様々なトラブルが体を襲うようになります。万が一の自体に備え、しっかりと体力をつけて、栄養管理をした食事を与えることで免疫力・抵抗力をつけるようにしましょう。

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