ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアを飼うにあたり特徴や性質を理解し、飼育するうえで気をつけなければいけない事はどのようなことでしょうか?今回は犬種の一つ「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア」についてチェックしてみましょう。

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ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアとは

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、「ウエスティ」の愛称で知られ、最近では、ペットのCMで見る機会も増え、世間にもだんだん馴染み深くなってきている真っ白いテリア犬種です。

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ウエスティは、元々キツネなどの小型獣用の狩猟犬として活躍していました。

キツネの巣穴に続く通路がとても細く、この細い通路を通ってキツネを捕らえられるようにと小型サイズに作られました。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのルーツ

現在のウエスティが作られたのは、スコットランドの西部、ポルタロックの領主エドワード・ドナルド・マルコムが大きく貢献していると言われています。

マルコムが、狩猟中にキツネと間違って、飼育していた赤茶色のテリアを撃ってしまったのです。

これにとても悔いたマルコムが、もう二度と同じ間違いを犯さないように白いテリアを作り出しだしました。

当時、ケアーンテリアの出産では、サンド(砂色)やブリンドル(虎毛)以外の白い毛色のテリアは、体が虚弱とされ、産まれて早々に殺処分されていました。

しかし、マルコムはケアーンテリアやスコティッシュ・テリアからたまたま産まれた、白い毛色の退色劣性遺伝子を持つテリアだけを選んで繁殖していきました。

これが後のウエスティです。今のウエスティがあるのは、ケアーンテリアやスコティッシュ・テリアが大きな役割を果たしたからと考えられています。

その後、1908年にアメリカの愛犬家団体「AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)」に「ローズニース・テリア」という名前で初めて登録されましたが、わずか1年後の1909年に「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア」に変更されました。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの性格

ウエスティの性格は、とても明るく活発であり、利口で好奇心旺盛な犬種なので、家族を楽しませてくれるでしょう。

元々は狩猟犬として、獲物を追っかける本能を持ち合わせていますので、「ボール遊び」や「追いかけっこ」など、家族で楽しめるような遊びを一緒にするのがお勧めです。

ただ、毛を引っ張ったり、叩いたり、乱暴で加減を知らない子供との相性が比較的難しいので、まだ理解・判断ができないような小さな子供と接する際は十分に注意しましょう。

また、独立心が強い性格のため、頑固でワガママなところがあります。

服従訓練や躾に関しては、他の犬種よりも比較的時間がかかりますので、長い目で見て、根気良くトレーニングしましょう。

ウエスティは、怖いもの知らずな所があり、いざという時が来たら、飼い主さんを守るため、勇敢に向かっていく性質を持ち合わせています。そのため、番犬にも適しています。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの被毛

ウエスティの被毛は、毛量が少なく硬い毛質の「オーバーコート(上毛)」と、毛量が多く柔らかい毛質の「アンダーコート(下毛)」の「ダブルコート」という被毛を持つ犬種です。

一般的に飼育されてるウエスティのトリミングは、クリッピング(バリカンで毛を刈られること)されていることが多く、毛質が柔らかい子が多いです。

中には、ストリッピングといい、ウエスティ本来の硬い毛や色を保つためや、毛量を増やすために、頭や背中毛を完全に抜くトリミング方法もあります。

これは、オーバーコートを抜くことで毛質が良くなり、アンダーコートを抜くことで通気性も良くなり、皮膚にも良いとされています。

しかし、皮膚も赤くなり、見た目も痛々しく、トリミング費用も高額になるため、日本ではあまりストリッピングするウエスティは見かけないかもしれませんが、ドッグショーに出陳する際はストリッピングをする場合が多いです。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは抜け毛が少ない?

ウエスティを飼育していると、おそらく毎月トリミングに通うことが必要となりますので、基本的にはムダ毛・抜け毛を意識することはそんなに無いかもしれません。

また、ウエスティは抜け毛が少ないと言われる犬種の一つです。とはいえ、一般的に言う抜け毛というレベルでは無いものの、全く毛が抜けないというわけではありません。

逆に、トリミングに出さず、毛のお手入れもしていないと、ウエスティはもともと皮膚の弱い犬種でもありますので、すぐに皮膚に何かしらの問題を引き起こしてしまうでしょう。

自宅で出来る最低限のケアは、「ピンブラシ」を使用したブラッシングになります。ブラッシングは被毛を滑らかにとかすだけでなく、皮脂の汚れや被毛に付着した汚れを落とす効果もあります。

こまめにブラッシングを行うことで、こうした汚れもつきにくくなり、また皮膚への通気も良くなりますので、皮膚炎などの予防にもなります。

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ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのかかりやすい病気

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ウエスティは臍ヘルニア(デベソ)が多いと言われています。

このデベソが小さければ問題ないのですが、デベソが大きい場合や、デベソを押しても引っ込まないような時は、手術が必要です。

放置すると、

  • ヘルニア部分に脂肪や大網(だいもう)
  • 腸管の一部が入り込む
  • 腸が閉塞する
  • 腸の血行が滞る

最悪の場合、ショック状態に陥ります。

  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 食欲不振
  • 元気消失

といった症状が見られる場合は要注意です。

また、ウエスティは顎が強いので、顎の病気にかかりやすいとも言われ、1歳未満の子犬は「ライオンの顎」として知られる「頭蓋骨下顎骨骨症」を発症することがあります。

これは、子犬の骨の成長期に、下顎骨と頭蓋骨に疼痛を起こす、骨の増殖による病気です。

成長が止まると進行も止まり、症状も治まりますが、成長期に自分で餌が食べられなかったり、痛みが抑えられない場合、安楽死などの処置を取られることがあります。

そして、ウエスティはアトピー性皮膚炎など皮膚疾患も多い犬種として知られています。現に、ウエスティの約1/4は慢性的アトピー性皮膚炎を患っているとも言われています。

アトピー性皮膚炎とは、皮膚のバリア機能が低下したり、アレルギーの原因であるアレルゲンが、何らかが原因となって皮膚を通して体内に入ることにより、引き起こされる皮膚炎のことです。

アトピー性皮膚炎は一度発症すると完治が難しく、一生付き合わなければならない事がほとんどです。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアが病気にならないために


ウエスティは前述の通り、アレルギーを引き起こす事の多い犬種の一つです。そのため、日頃からアトピー性皮膚炎等の病気にならないため、予防するための方法を身に着けておく必要があります。

必ずしもウエスティがアレルギーを持っている訳ではありませんが、飼い主さんが予め病気に対しての知識を持っているのと、持っていないのとでは、初期症状の対処も大きく変わってきます。

まずチェックしたいのがフードの原材料。特に、「第一主原料」と「穀物が使用されているか」の確認は大事になります。アレルギーを引き起こす原因は、上記の2つのポイントが大きいです。

また、食物アレルギーや皮膚炎をを引き起こすと、皮膚の薄い部分から症状が現れ始めます。犬ですと、指と指の間(水かきの部分)や口の周り、お腹、耳と言った部分です。

こうした部位が赤くなっていないか、カサカサになっていないか、犬が気にしていないか等、日頃からチェックするようにし、症状が見られた場合にはすぐにフードの切り替えを行ない、違う原材料のフードを与えるようにしましょう。それで症状が治まらなければ、アレルギーの原因は他にあることがわかります。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの寿命

ウエスティの寿命は、おおよそ13歳〜15年ほどと言われています。この犬種は好奇心旺盛で、非常に活発な犬種です。そのため、日頃から退屈するような生活や、好奇心が刺激されないような毎日を送っていると、どうしてもストレスが溜まってしまいます。

ストレスは健康上にもよくありませんので、当然、病気を引き起こす要因となり、寿命を全うできないということも考えられるでしょう。

また、中年期には心臓疾患にかかる確率も高くなってきます。高齢になって病気を引き起こしてしまうと、なかなか完治させるのも難しくなりますので、食事の管理や生活環境の管理など、病気と上手に付き合っていけるようにするのが大事になります。

寿命を全うするためにも、ウエスティを飼育する場合には楽しく刺激的な毎日を過ごせるようにし、しっかりと運動を行える環境を整えてあげ、アレルギー等を引き起こさないような食事の管理を行うようにしましょう。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの販売価格は?

ウエスティの販売価格の相場としては、おおよそ25万円前後ほどになります。高くとも30万ほど、安くても20万を切るという事はあまりないかもしれません。

とはいえ、こうした価格は入荷時や子犬である場合の想定価格です。半年前後になると、グッと価格も下がる傾向にあります。

どうしても子犬から飼育したい気持ちになりますが、半年頃の子犬は徐々に性格も見えてくるため、自分との相性や、その子の性格を確認しやすい時期でもあります。

ウエスティは活発な犬種ですので、こうして性格が見えるタイミングで家族に迎え入れるのもおすすめです。犬種にも傾向はありますが、必ずしもみんなが同じ性格ではありませんので、色々な性格を見極めるというのも、おすすめの迎え入れ方ですよ。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのブリーダーは?

どうしてもウエスティを子犬から迎え入れたいと考えるのであれば、ブリーダーからの直販を利用するのも一つの方法です。

ウエスティは、比較的ペットショップなどでも常に販売されている犬種の一つです。人気犬種でもあるので、ペットショップにも常時置かれている場合が多いのですが、ブリーダーも比較的多いため、ウエスティのブリーダーを探すのには苦労しないでしょう。

全国的に見ても、ほぼブリーダーは存在しているので、近隣のブリーダー情報を集めるか、インターネットでも情報は掲載されているので、チェックして見ると良いでしょう。

また、ブリーダーから迎え入れる際には、ペットショップで迎え入れる場合と条件が違ったりもしますので、ワクチン接種のタイミングや保険に関して、病気や親の遺伝は無いか等、しっかりと確認を取りながら迎え入れるようにしましょう。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのルーツと飼い方!【特徴や性格は?】のまとめ

元々狩猟犬であったウエスティの性質上、狩猟本能が蘇る可能性があるので、小動物と接触させる場合、注意が必要です。

ウエスティは、小型犬と言えども、運動量はそこそこ必要になります。

毎日の散歩の他にも、ドッグランへ連れて行くなどの自由運動も取り入れると、尚良いでしょう。

また、独立心や自尊心が強いせいか、トレーニング中に頭ごなしに叱ったり、無理強いしたりすると、愛犬の失意のきっかけとなり、思うようにトレーニングできなくなります。

ちゃんと出来たときは思いっきり褒め、ダメな時はちゃんと叱るなど、躾にメリハリをつけた「飴と鞭」作戦でトレーニングをすると効果的かもしれませんよ。

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