キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを飼うには、どのようなことに気をつけなければいけない事があるんでしょうか?今回は「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」について、特徴や性質、また飼い方をチェックしてみましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとは
ペットショップへ行くと、必ず顔を見掛けるほどの人気犬種「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」。
長い名前を省略して「キャバリア」とも呼ばれ、とても躾がしやすく、初心者でも扱いやすい犬種として知られています。
キャバリアとは「中世の騎士」という意味で、勇敢で力強い犬種であって欲しいとの願いから、この名前が付けられました。
「キャバリア(騎士)」に「キング(帝王)」。一見、近寄りがたい高貴な雰囲気の名前ですが、実際のキャバリアは、陽気で明るく、愛嬌たっぷりで楽しい犬種です。
チャールズ二世に愛されたスパニエル犬
17世紀半ば、中世イギリスの国王チャールズ二世は、小型のスパニエル犬を溺愛したと言われ、その溺愛ぶりは、国務に身が入らず周りから非難されていた程でした。
19世紀に入ると、東洋から「パグ」や「狆」などの短吻種(目の前から口までの長さが短い犬種)がヨーロッパに輸入され、大流行したことで、ヨーロッパでは挙って短吻種の繁殖に力を入れるようになりました。
この小型のスパニエル犬も例外ではなく、短吻種の犬と掛け合わせて、短吻のスパニエルが作られ、これが後の「キング・チャールズ・スパニエル」になります。
要するに、チャールズ二世が飼っていた小型スパニエル犬は、現在のキング・チャールズ・スパニエルのように、鼻が短くなかったのです。
中世時代の本来のスパニエル犬へ
キング・チャールズ・スパニエルが、かつて、チャールズ二世に愛されていたスパニエル犬とは、顔も性格も変わってしまったことに憂慮した人々が、中世時代の鼻が長いスパニエル犬を復活させようという活動が始まりました。
この時、アメリカの富豪ロズウェル・エルドリッジ氏も参入し、いかに長い鼻のキング・チャールズ・スパニエルを作出できるか、懸賞金をかけた程でした。
こうして、キング・チャールズ・スパニエルの長吻化運動が盛り上がり、再び鼻の長いスパニエルを復活させることに成功しました。これが後の、「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」です。
キャバリアは、キング・チャールズ・スパニエルに比べ、鼻が長いだけでなく、大きさも一回り大きく、屋外飼育にも適した犬種となりました。
1945年、イギリスの愛犬家団体「KC(ケネル・クラブ)」は、「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」を正式に公認しました。
しかし、アメリカではこのキャバリアの人気に伴う様々な問題を危惧し、公認に反対を続けていましたが、1995年になってようやく、アメリカの愛犬家団体「AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)」でも公認されるようになりました。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格
人懐っこく、とても陽気で大らかな性格の子が多いキャバリア。
- 優しく
- 愛情深く
- 友好的
な犬種なので、子供や他の犬種とも安心して遊ばせることができます。
また、小型犬でありながら、小型犬特有の無駄吠えもなく、とても社交的で、人見知りもありません。
飼い主さんの歩幅に合わせて上手に歩くこともできますので、お散歩のパートナーとしては、最適の相棒になるでしょう。
キャバリアは、躾もしやすく、家庭犬として理想の犬種と言えます。
しかし、当然ながら、厳し過ぎる躾やネグレクトは、キャバリアの良さを引き出すことはできません。
飼い主さんは日頃から沢山スキンシップを取り、どんどん信頼関係を築いていきましょう。
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キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの被毛と耳掃除
キャバリアの被毛は、多少ウェーブかかった絹糸のような、「オーバーコート(上毛)」と柔らかく密生した、「アンダーコート(下毛)」の2種類からなる「ダブルコート」です。
この被毛は、絹糸のような被毛が毛玉にならないよう、定期的なブラッシングをすることが望ましいです。
また、キャバリアは垂れ耳の犬種ですので、耳掃除を兼ねたブラッシングも大切なケアとなります。
耳の中は普段から様子を確認することが出来ませんが、垂れ耳の犬種は耳の中が蒸れやすかったり、カビや雑菌なども繁殖しやすいため、「外耳炎」などの原因となります。
そのため、定期的に耳を裏返したりして、耳の中をチェックしながらブラッシングを行うようにしましょう。
毎日のように耳掃除を行う必要はありませんが、汚れ具合や汚れる頻度、臭いなどでも状態がわかるようになりますので、日頃からスキンシップを計り、ブラッシングをしながらボディチェックも行えるようにしましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの抜け毛対策と温度管理
キャバリアは、年に2回の換毛期を迎えた際に沢山の毛が抜けるため、よりこまめにブラッシングをするようにし、常に清潔な体を維持させるようにしましょう。
キャバリアは暑さに弱い犬種です。寒さに耐えるためのダブルコートですが、暑さや湿気といった環境には弱いのです。
室内の温度管理も大切ですが、ブラッシングをせずに抜け毛を溜めたままにしておくと、被毛の中も蒸れてしまいがち。
また、蒸れてくると皮脂汚れも増えてきてしまい、皮膚炎や体臭が強くなる要因にもなってしまいます。
抜け毛対策としてこまめなブラッシングを行うことで、こうしたムダ毛・抜け毛を除去できるだけでなく、被毛の換気や静電気も除去でき、結果として汚れがつきにくい被毛になります。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル毛色
キャバリアの公認されている毛色は、「ブレンハイム」「トライカラー」「ルビー」「ブラック&タン」の、全部で4色存在します。
あまり聞き慣れない「ブレンハイム」と呼ばれる毛色は、ホワイト地にチェスナット(明るめの茶色)の斑点が入った毛色で、比較的によく見かける人気のカラーでもあります。
一風変わったこのブレンハイムという毛色の名前。その由来には、キャバリアをこよなく愛したと言われ、特にこのブレンハイムを好んだマルボーロ公爵の領地である「ブレンハイム」に由来します。
他には、ブラックとホワイトとタンの3色がある「トライカラー」、単色のレッドは「ルビー」、ブラックの地にタンが入った「ブラック&タン」があります。因みに、トライカラーは「プリンス・チャールズ」とも呼ばれていたそうです。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、心臓に注意が必要
キャバリアに最も多い病気とされているのが、「僧帽弁閉鎖不全症」です。
その発症率も、1歳で33%、4歳では60%にもなります。
「僧帽弁」とは、心臓の中にあり、血液の逆流を防ぐ働きをする弁のことで、この弁の機能が低下することにより、心臓に流れている血液が逆流してしまう病気のことです。
キャバリアに限らず、僧帽弁閉鎖不全症は小型犬の老犬に多く見られる心臓疾患のひとつですが、キャバリアに関しては幼齢期から発症が見られるため、特に注意が必要な病気なのです。
運動時や興奮時に咳が出たり、疲れたり、運動をしたがらないなどの症状があり、病気が悪化すると、左心不全による肺水腫を引き起こし、呼吸困難になることもあります。
早期発見・早期治療のため、定期的に動物病院で心雑音が無いかを調べてもらったり、日頃から咳が多くないか、体調は悪そうでないかなど気にするようにしましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルがかかりやすい病気
「股関節形成不全」や「膝蓋骨脱臼」も、キャバリアがかかりやすい病気とされています。
股関節形成不全は、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気です。
肥満体型は股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。
膝蓋骨脱臼は、後ろ足の膝蓋骨が逸脱してしまい、痛みや腫れを伴うため、足を引きずって歩くなどの様子が見られます。
キャバリアに関しては、いずれも遺伝性疾患によって骨が正常に形成されなかったり、異常がある事が多く見られるため、幼少期でもちょっとおかしいなと感じたら、すぐに検査を受けたほうが懸命かもしれません。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの販売価格はどのくらい?
キャバリアは、比較的ペットショップなどでも多く見られる犬種のひとつで、探し回るという事もそう無いでしょう。
キャバリアの販売価格の相場は、おおよそ18万前後ほど。高くとも25万程度でしょう。
価格の違いに関しては血統によるものもありますが、毛色によっても価格が変わる場合があります。
ブレンハイムの毛色では、左右対称に模様が入っていることでより価格も上がり、さらに「ローゼンジマーク」と呼ばれるひし形、もしくは斑点が頭の頭頂部にあると、より希少色とされます。
しかしながら、こうしたものはあくまでも、毛色に強いこだわりを持っている方の問題です。ペットとして飼うに当たっては、こうしたカラーは自己満足の世界。カラーなど気にせず、その子の性格で迎え入れてあげてくださいね。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのブリーダーは?
前述の通り、キャバリアは人気犬種であるため、比較的探すのも容易な犬種でもあります。そのため、キャバリアのブリーダーを探すのも、全国各地に存在するため特に難しいわけではありません。
キャバリアをブリーダーから迎え入れるメリットとしては、親の情報をしっかりと確認できる所でしょう。特に遺伝子疾患など、家系にいないか等を直接聞くことが出来るのはメリットとして大きいです。
ペットショップでも確認を取れなくはないのですが、場合によってはひどく時間を要したり、場合によっては確認を取ることが出来ない事もあります。
必ずしも、親が健康だからと言って、子供が100%健康という確証はありませんが、どうしても気になるという方は、ブリーダーから直接迎え入れることを考えてみても良いかもしれませんね。
キャバリアのルーツと飼い方は?【特徴や性質を理解しよう!】のまとめ
キャバリアはとても躾しやすく、室外でも飼育ができる犬種として作られましたが、被毛のケアや感染症などのリスクを考えると、室内で飼育された方が良いでしょう。
また、換毛期に沢山の毛が抜けることを除けば、吠えることもなく、穏やかな性格なので、室内飼いに適していると言えるでしょう。
キャバリアの性格は、甘えん坊で寂しがり屋さんです。当然、留守番もできますが、人との関わりを求めて、常に人を慕い、常に人に寄り添います。
こんな「かまってちゃん」なキャバリアですが、一緒にコミュニケーションを取りながら、素敵なキャバライフを送ってみませんか。きっと、家の中が明るくなりますよ。
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