サモエドと一緒に暮らすために、どんな特徴や性質であり、どのようなことに気をつけなければいけないのでしょうか?今回は「サモエド」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

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サモエドとは

サモエドの魅力といえば、口角が上がった、あたかも笑っているような「サモエドスマイル」が有名でしょう。

どんなにイタズラをされても、あの「サモエドスマイル」でニコッと微笑まれると、何でも許してしまいます。

また、一見白くてフワフワした毛に触ると、思ったより厚くて硬い毛質に、寒い地域の犬種なのだと改めて実感してしまいます。

ちなみに、柴犬を初めとする多くの日本犬やポメラニアンなどが、「日本スピッツ」の血統を引き継いでいますが、実はこの「日本スピッツ」の祖先はサモエドと言われています。

サモエドは様々な犬種の祖先であると言えるでしょう。

サモエドの子犬

サモエドは中大型犬ですので、子犬の頃からサイズも大きめ。個体差はありますので、必ずしも同じペースで大きくなるわけではありませんが、生後2ヶ月くらいでも5kg前後の体重で、食欲も旺盛です。1ヶ月ペースでぐんぐんと大きくなり、成長に伴って体重も約3kg前後増えていきます。

生後半年を向かえる頃には体重も約12kg〜15kgほどになり、徐々に体つきも大人びてきます。成犬時での体重平均がメスで15kg〜25kg、オスになると20kg〜といったサイズになります。

サモエドを子犬から迎え入れた際には、同じ景色でビフォーアフターの写真を撮るなど、この短い小さな期間を存分に楽しんだほうが良いですね。2ヶ月ほどだとぎりぎり片手でも持てるサイズですが、成犬になるとそうはいきませんからね。

サモエドのルーツとは

サモエドは、中央アジアからシベリア北西部へ移動する遊牧民族サモエド族と共に、トナカイ狩りやソリ犬、魚捕りなどの作業犬として従事していました。

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当時、トナカイはサモエド民族にとって貴重な食料源であったため、トナカイが常に新鮮な草を食べられるように群れの管理をしたり、北極圏の獰猛な動物からトナカイを守る仕事をこなすこの犬種は、サモエド民族にとってとても重宝されていました。

また、サモエドは、子供の面倒見も良いので、遊牧中の寒いテントで暖房代わりに、子供たちと一緒に寝るという役割も担っていました。

サモエドの被毛のカラーは本来、セーブルやブラック&ホワイトもありましたが、この犬種が19世紀後半にイギリスへと持ち込まれ、イギリスのアレキサンドリア女王が繁殖を手がけるようになり、「白」のサモエドが作られました。

今現在も、このアレキサンドリア女王が繁殖させたサモエドの血統が存在しています。

サモエドの性格

サモエドの性格は温厚で友好的、そして、とても好奇心旺盛で遊び好きです。協調性もあり、面倒見も良いので、子供や他の犬種とも良い遊び相手になるでしょう。

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また、警戒心があり、見知らぬ人に吠えることもありますが、攻撃性はありません。

しかし、多少ワガママな傾向があるので、幼少期から「ボール投げ」や「かくれんぼ」など、飼い主さんと遊びを取り入れたようなトレーニングをすれば、信頼感や安心感が培われ、素直で従順な良い家庭犬となります。

サモエドの被毛について

サモエドの被毛は、北極圏の寒い気候の中でも、その寒さから身を守り、悪天候にでも対応できるように、「ダブルコート」になっています。「オーバーコート(上毛)」は長めでやや硬く、「アンダーコート(下毛)」は柔らかく密集しています。

サモエドの被毛のカラーは「ピュアホワイト」「クリーム」、その他ホワイト地に「ビスケット」色の斑点が入っています。

薄いブラウンなどは認められていません。

また、サモエドは換毛期があり、特に春から夏の季節の変わり目には大量の毛が抜けるため、こまめにブラッシングをしてあげましょう。

暑さに弱いサモエド

サモエドを飼育するにあたって、一番の問題は温度管理になるでしょう。サモエドに限った事ではありませんが、ダブルコートの犬種は暑さに弱い犬種ですので、室内の温度管理には十分に注意する必要があります。

北極圏での寒さにも耐えしのぐことができる被毛を持っているサモエドは、非常に厚い被毛を持ち合わせているため、寒さには強いですが、その反面、暑さにはとても弱い犬種なのです。

夏の日中、家で留守番している時にはクーラーで温度管理を行うことが必要になりますし、散歩の時間や天候にも十分配慮するようにし、「熱中症」にならないように気を付けましょう。

また、日頃から体力が落ちないようにするのも大切なケアとなります。そのため、しっかりとした栄養管理と、運動不足にならないような健康的な生活は必須と言えるでしょう。

サモエドのかかりやすい病気

サモエドがかかりやすい病気とされているのが、大型犬に多い「股関節形成不全」です。この股関節形成不全は、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気です。

肥満体型は股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

また、「胃捻転」も気を付けたい病気の一つです。

この胃捻転とは、胃の内容物が発酵し、発生したガスで胃がパンパンになり、その胃が捻転してしまう病気で、主に大型犬に多く見られ、致死率も高い病気です。

ついさっきまで元気に走り回っていると思ったら、急にぐったりとし、早急に処置をしないと、最悪の場合死に至る可能性もあります。

予防としては、食事の後しばらくは安静にさせることや、水のがぶ飲みは避けること、早食いさせない事など、十分に気を付けてあげましょう。

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サモエドのブリーダー

サモエドは、普段からペットショップに並ぶような犬種ではありません。そのため、サモエドを飼いたいと考えた時にはブリーダーを探すのが良いかもしれません。ペットショップに並ばなくは無いのですが、店舗にもよるでしょうが、年1回入れば多い方かもしれません。

国内ではサモエドのブリーダーが10件程と、決して多くはありませんが、どうしてもサモエドがいいと思う方であれば、こうしたブリーダーから直販で迎え入れるのが理想的かもしれません。

ブリーダー直販では、親の情報やサモエド自体の飼育方法についても詳しく教えてくれることでしょう。ペットショップでも情報は仕入れることができますが、ブリーダーならではの、サモエドに関する情報を持っているはずです。

サモエドの販売価格

サモエドの相場価格はおおよそ30万〜といったところ。比較的、希少犬種ではあるため、ディスカウントも望み薄いでしょう。また、ペットショップで迎え入れる際には、もう少し価格も上る可能性があります。

子犬がチャンピオン直仔である場合には、50万〜といった価格になってくるでしょう。とはいえ、繁殖目的やショーに出したいと言う場合にはよいですが、普通にペットとして飼育していくのであれば、特にチャンピオン直仔である必要はないのかもしれません。

血統が良いと、性格的な部分も引き継ぐこともあるので期待としては大きいですが、これもそれぞれ個体差のあるもの。必ずしもチャンピオン直仔である必要はありません。しっかりと自分と相性の合いそうなサモエドを選んであげてくださいね。

あの「わさお」は、サモエド?秋田犬?

Photo credit: merec0 via Visual hunt / CC BY

「ブサカワ犬」として有名な秋田犬の「わさお」ですが、一部では秋田犬ではなくてサモエドなのでは?というコメントもネット上で見られます。正解としては、わさおはれっきとした秋田犬ですが、たしかに秋田犬とサモエド、似ていなくもないですよね。

この両種、見た目こそやや似てはいるものの、性格はまるで違う犬種と言っても良いでしょう。サモエドは穏和で攻撃性も弱いですが、秋田犬はそもそもマタギ(熊狩り)の相棒として作られた闘犬。秋田犬が穏和ではないわけではありませんが、スイッチが入ると人間も危険な程の気質を持ちます。

また、両種の耳の付き方も微妙に違い、同じ立ち耳であっても秋田犬は耳が前方を向くように、またやや後頭部寄りについているのに対し、サモエドの耳は頭部から外側に付いています。

パッと見ると非常に似ているかもしれませんが、わさおはれっきとした「秋田犬」なのです。見慣れてくると、違いもよく分かるようになりますよ。

サモエドと暮らすためには?【特徴や性格、飼い方はコレ!】のまとめ

サモエドは利口で賢い犬種ですが、退屈になると、カーペットや家具を囓ったり、イタズラをするようにもなりますので、散歩以外にも自由運動などを取り入れて、ストレスを発散させてあげましょう。

またサモエドは、

  • ジョギング
  • 登山
  • 川遊び
  • 雪遊び

といったアウトドアにも向いていますので、家族旅行はもちろん、アウトドアのパートナーとしても最適な犬種です。

こういった外遊びの際は、ぜひ一緒に連れて行ってあげてください。

しかし、先述の通り、「暑さ」にはとても弱い犬種ではありますので、くれぐれも炎天下の元に置いたり、車内に長時間置き去りにするなどの行為は絶対にしないように注意してください。

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