犬に必要不可欠な栄養素の1つに「ビタミンE」と呼ばれるビタミンがあります。このビタミンEは、抗酸化作用の働きをするため、老化防止や動脈硬化に効果を発揮するビタミンのひとつです。今回はこの「ビタミンE」について調べてみましょう。

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生命を維持するために必要な「6大栄養素」

犬や人間に必要な5大栄養素には「タンパク質」「脂質」「ビタミン」「炭水化物」「ミネラル」の5つが挙げられますが、これらに加えて必要な栄養素「水」を入れることで、6大栄養素とも言われます。その内、「ビタミン」は犬の生命を維持するために必要な栄養素でもあり、犬の成長のためにも欠かせないものです。

また、同じビタミンでも、脂に溶ける性質を持つ「脂溶性ビタミン」と水に溶けて尿と共に排出される「水溶性ビタミン」の2つの性質に分類されます。ビタミンC等に代表される「水溶性ビタミン」であれば、水分に溶けるために犬が大量に摂取しても、尿とともに排出されるので、ビタミン過剰となることはありません。

しかし、今回取り上げるビタミンEやビタミンAなどの「脂溶性ビタミン」に関しては、尿と共に排出されることはなく脂に溶けるため、体内に蓄積される性質を持ち、ビタミンの過剰摂取となる場合もあります。

老化防止の救世主「ビタミンE」

脂溶性ビタミンの一種で知られる「ビタミンE」。「トコフェロール」という呼び方でも知られるビタミンの一つです。ビタミンEの最大の役割には、抗酸化作用で老化やガン、動脈硬化などを予防する働きを持っているということが挙げられます。

人間の世界でも知られるビタミンEですが、老化防止にはトコフェロールというイメージも強くなりましたよね?まさに、犬の世界でも同じことが言え、ビタミンEは老化防止に効果を発揮するということで注目の集まるビタミンの一つでもあるのです。

抗酸化作用のあるビタミンEですが、では、実際に具体的にはどのような働きをしているのでしょうか。

ビタミンEの働きについて

いくつかあるビタミンEの働きの一つにあげられるのが抗酸化作用ですが、この他にもビタミンEは色々な働きをしています。具体的には、免疫機能の向上や繁殖機能の増強などです。また、ビタミンEを有効なビタミンにするためには、ビタミンCの存在も欠かせないものです。

そして注目すべきが抗酸化作用です。ビタミンEは、老化の要因と考えられている「活性酸素」と呼ばれる酵素と結びつくことで、活性酸素の影響を無害化する働きを持ちます。こうして結びついたビタミンEは、ビタミンCの働きによって、活性酸素と結びつく前のビタミンEにもどす働きをしています。このように、老化の原因となる活性酸素の働きを防ぐ事で、老化を防いでいるのです。

また、ビタミンEは、血液中のコレステロールの酸化を防ぎ、血管壁を丈夫にさせる効果もあるので、動脈硬化などの病気を予防することにも効果が期待できるビタミンです。この他にも免疫力の向上や抗がん作用にも効果が期待できると考えられているため、病気の予防にも一役買っているビタミンとも言えるでしょう。

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ビタミンEの摂取量と食品について

ビタミンEを豊富に含む食品には、いわしや植物油、かぼちゃ、アーモンド等に多く含まれています。脂溶性ビタミンであるため、過剰摂取には注意しなければいけませんが、他の脂溶性ビタミンと比較すると、その毒性は低いとも言われており、1日に447mgを摂取させ、17週間持続させた際にも目立った毒性は現れなかったとする研究もあるようです。

犬に摂取させる際には、1日に約67mg〜270mgが推奨値となっていますので、与えているドッグフードの成分表を確認しながら、ある程度の容量を考えて与えるようにしましょう。一方では、骨粗鬆症を招くとも言われていますので、あくまでも過剰な摂取量には注意するようにしましょう。

逆にビタミンEが不足してくると、筋力の低下や生殖器に障害を起こすこともあります。また、皮膚疾患や免疫機能の低下も見られるため、何かしらの病気を併発してしまう恐れもあるでしょう。この他にも、貧血状態に陥ったり、食欲の不振も見られるようになります。

そして、ビタミンEが動脈硬化に効果がある反面、不足してしまうことで逆に動脈硬化を招くと言うことも考えられます。脂溶性ビタミンでありながら、過剰症のリスクは比較的低いビタミンEなので、ある程度は摂取するようにしても良いかもしれません。

まとめ

犬も高齢化してくると様々な疾患を患うリスクも高くなってきます。愛犬が成犬であるうちから、こうしたビタミンを上手に取り入れるようにし、食事の管理を行うことで、ウイルスによる感染症のリスクや、動脈硬化といった病気のリスクを軽減させることができるでしょう。

若々しい体を維持するためには、優れた食事管理は欠かせません。飼い主さんが愛犬の栄養管理士になるつもりで、こういったビタミンを上手に摂取出来るようしていきましょう!

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