犬の目の病気、結膜炎と角膜炎は、どのようなことが原因でウイルス感染や細菌感染、他の病気を発症したことによる合併症が発症するのでしょうか?今回はこの2つの「目の病気」について調べてみましょう。

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同じ「目」の病気でもある「結膜炎」と「角膜炎」

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犬の目に起きる病気に「結膜炎」と「角膜炎」と呼ばれる病気があります。

これらの病気は、同じ目の病気ではありますが、悪化してしまった際の症状はまるで違うものです。

どの病気にも言えますが、状態を放置してしまうことで取り返しのつかない状態になってしまいますので、病気の症状を理解して、早期発見・早期治療に備えるようにしましょう。

「角膜」と目の構造について

「結膜炎」は、まぶたの「内側」を覆っている「結膜」と呼ばれる部分が、ウイルスや外傷を負うといった要因によって、炎症を起こしてしまう状態の事を言います。

また、他の病気を発症した時に、結膜炎を併発するといった場合もあります。

一方「角膜炎」とは、目の表面を覆う「角膜」が傷つくことで発症するものです。

犬の目の「黒目」部分を覆っている透明な膜が「角膜」と呼ばれる部分になりますが、この角膜が傷ついてしまう要因は、結膜炎と同じく外傷を負った場合やウイルス、細菌などの感染によるものです。

黒目を覆っている「角膜」の構造は、透明な膜が3層に分かれており、上から、

  • 「角膜上皮」
  • 「角膜実質」
  • 「角膜内皮」

と分かれています。

軽度の場合だと、目をこらしてもて見ても、角膜についている傷が分かりにくい場合もありますが、中度〜重度の症状となると、角膜が白く濁っていたり、この3層が突き破られている状態などにあり、見た目にもすぐにわかるようなひどい状態になっています。

原因は似ているように感じますが、症状に関しては角膜炎の方が、場合によってはより深刻な事態に陥りやすいといえます。

結膜炎の原因と症状について

結膜炎の症状には、

  • 「結膜の部分が充血」
  • 「めやにが多量に出てくる」
  • 「眼球が腫れる」
  • 「目が開かなくなる」

といった症状もでてきます。

また、結膜炎を発症すると、しきりに目をこすったり床に顔をこすりつける、まばたきが多くなったりと、目が痒い為にこうした行動を起こすようになります。

一般的には命に関わる病気ではありませんので、緊急を要するまでではありません。

ただし、結膜炎をほおっておくと、目から呼吸器へと細菌やウイルスが移動していき、呼吸器系の病気も併発してしまうこともありますので、あまり放置せずに、見つけたら治療を行うようにしましょう。

角膜炎原因と症状について

角膜炎の軽度の症状は、「涙」「めやに」が多量に出てくるといった症状のほか、しきりに目をこすったり床に顔をこすりつける、まぶたが痙攣すると言った症状があらわれます

こうした症状が進行していくと、次第に角膜が白く濁りだしていきます。また、目には激しい痛みを感じているため、目を閉じた状態が多くなるでしょう。

軽度の場合として考えられる原因は、まつ毛やほこりなどの異物が目に入ってしまった場合や、何かの衝撃で角膜が軽く傷ついてしまった等が挙げられます。

また、細菌やウイルスの感染によるものでも角膜に炎症を起こしてしまうこともあります。

同じ目の病気でもある「結膜炎」などでも、症状が悪化し他の病気を併発してしまっている状態になると、結膜炎を引き起こす要因ともなります。

結膜炎になってその内治るだろうとほおっておいてしまうと、こうした角膜炎などの病気になりかねませんので、油断は禁物です。

角膜炎の重度の症状とは

角膜炎は、先ほど挙げた角膜の3層へのダメージの度合いにより、それぞれに進行していく症状などが変わっていきますが、軽度のものでなければ、その見た目からも確認できるので、状態は明らかです。

重度の症状になってしまうと、「穿孔」と呼ばれる角膜に穴が空いてしまった状態に陥り、失明してしまう場合もあります。

中度〜重度の症状の場合は、すぐに診察を受けて治療をしてもらうようにしましょう。

この角膜炎になりやすい犬種に多く挙げられるのが「シーズー」「チワワ」などです。

おわかりのように、これらの犬種にみられる特徴が「短頭種」で「目が目立つ」という点ですが、目が大きく目立っているので、それだけ損傷を受けやすいとも言えます。

短頭種の犬種を飼育している場合は、十分に注意するようにしましょう。

結膜炎や角膜炎の治療

結膜炎や軽度の角膜炎の治療に関しては、点眼薬での治療がメインとなってきます。

また細菌性などの理由で発症している場合は、抗生剤の投与も行われるでしょう。

併発による場合、その原因となった病気の治療を優先し、元を絶つという形での治療が行われます。

角膜炎の中度〜重度である場合、外科手術での治療が施されますが、最悪の場合は失明となり、眼球摘出といった措置も取られる場合もあるでしょう。

こうなってしまわないよう、早期発見・早期治療が望まれます。

また、結膜炎や角膜炎の治療時には、目をこすって悪化してしまわないように「エリザベスカラー」の着用が勧められます。

軽度の場合は、長くても1〜2週間の治療で完治する場合もありますので、それ以上の悪化を防ぐためにも、生活はしにくいかもしれませんがエリザベスカラーを着用する必要があるわけです。

犬の目の病気角膜炎と結膜炎について【予防策と治療法は?】のまとめ

外傷だけにとどまらず、様々な病気の併発によっても、結膜炎や角膜炎を発症してしまう場合もありますが、常に体調管理には気をつけ、また、ウイルス感染を未然に防ぐためにも、ワクチンの接種は非常に大事な予防策となります。

また、日頃から犬と目を合わして会話などをする習慣をつけることで、発見が遅れると言った最悪の事態を免れる事ができるかもしれません。

定期的とは言わず、常日頃から愛犬の目のチェックも欠かさないようにしたいですね。

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