うさぎに必要な栄養素はたくさんありますが、抗酸化作用やストレス予防、アンチエイジング効果等が期待される「ビタミンC」は、うさぎに必要なビタミンなのでしょうか。また、うさぎにビタミンCを与える際にはどのような注意が必要かを見てみましょう。

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正しく栄養素を与えましょう

うさぎを飼っていると、人間にはビタミンやカルシウムが大事とわかるけれど、うさぎにはどんな栄養が必要なの?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、うさぎにも必要な栄養素がたくさんありますが、今回はその中の一つ「ビタミンC」について考えてみたいと思います。

うさぎといっても、人間と同じく、子供の頃に必要とする栄養と、大人になってから必要な栄養は違ってきます。場合によっては「過剰摂取」の状態になってしまい、栄養を与えていたはずなのに、逆に体調を崩してしまう何てことも少なくありません。しっかりとうさぎの必要とする栄養素について理解し、正しいタイミング・容量を与えるようにしていきましょう。

人とうさぎの違い


人間のサプリメント等でもお馴染みの「ビタミンC」。錠剤などでも販売されているビタミンで、レモン等にも多く含まれているのはご存知のとおりだと思いますが、アンチエイジング効果や美肌効果、貧血予防、ストレスに対して効果が期待できる栄養素として知られています。

人間がサプリメントや食べ物から、このようにビタミンCを摂取するのには、こうした効果を得るためではなく、人間が体内でビタミンCを作り出せないために、食べ物などからビタミンCを摂取しなければいけないのです。

仮にビタミンCを摂取しないでいると、「ビタミンC欠乏症」を引き起こし、先ほど紹介した効果とは逆の症状が起き始めてしまいます。そのため、人間にとってビタミンCは無くてはならない栄養素なのです。

うさぎはビタミンCを生成できる

人間がビタミンCを作り出せないということがわかりましたが、一方、うさぎはどうなのでしょうか。実はうさぎは体内でビタミンCを作り出すことができる動物なのです。

余談ですが、ビタミンCを自ら生成出来ない動物は人間や猿、モルモット、デグーなど僅か。他の動物達は自らビタミンCを作り出すことが出来ているのです。うさぎも同じくビタミンCを自ら作り出すことができるので、人間のようにビタミンC欠乏症になる心配はないのです。

また、うさぎの食生活においても、ビタミンCを摂取する機会も多いため、余程の状況が起きなければ、うさぎがビタミンC欠乏症に陥ることにはなりません。

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うさぎにビタミンCは必要?


自らビタミンCを生成できるうさぎ。では、うさぎにビタミンCは必要ないのでは?と思うかもしれません。考え方としては、うさぎにビタミンCをわざわざ与える必要は無いと考えても良いかもしれませんね。

うさぎは自分の体でビタミンCを生成できるだけでなく、アルファルファなどの牧草にもビタミンCが含まれているので、普段からアルファルファを食べている場合には、食べ物からも十分にビタミンCを摂取出来ているのです。

過剰摂取の心配はないの?

とはいえ、ビタミンCを生成できるのに、食べ物からもビタミンCを摂取してしまったら過剰摂取にならないの?と思うかもしれません。そこで知っておきたいのが、ビタミンには「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」という2種類に分けられるという事です。

そのうち、ビタミンCは「水溶性ビタミン」なので、このように多く摂取しても、尿などと一緒に余分なビタミンCが排泄されるので、体内に蓄積する心配は無いのです。

しかし、これが「脂溶性ビタミン」である場合には、水溶性ビタミンのように尿と共に排泄されることはなく、体内にビタミンが蓄積されてしまうので、過剰摂取の状態を引き起こしてしまい、栄養を取っているはずが、体に悪影響を及ぼす自体になってしまうのです。

ビタミンCのサプリメント

病気の予防や健康維持のサプリメントとして、うさぎ用のビタミンCが販売されていますが、効果の程はどうなのでしょうか。

結論としては、健康的に何の問題も無いうさぎにビタミンCを与えていても、必要分以上のビタミンCは残念ながら尿と一緒に排泄されてしまうため、せっかくのサプリメントの効果を得られることは無いのかもしれません。

あくまでもビタミンCのサプリメントをうさぎに与える際には、体調を崩している時や、思うように食事を食べられていない時に効果が期待できるものとなります。

特別、体調を崩しているなどの理由がなければ、積極的にビタミンCをうさぎに与える必要はないかもしれませんね。ビタミンCをサプリメントとして与えるのであれば、他の栄養を与えてあげたほうが効率が良いということになるでしょう。

うさぎ用フードから見る「ビタミンC」

うさぎ用フードで知られるoxbowやバニーセレクションシリーズを例に見てみましょう。バニーセレクションシリーズでは、「グロース」「メンテナンス」「シニア」「スーパーシニア」と、仔ウサギから老齢うさぎ用までのラインナップを比較しても、ビタミンCの記載はありませんでした。

また、oxbowでも「バニーベイシックス」「バニーベイシックスT」の、子ウサギ用から成うさぎ用までのフードを比較しても、ビタミンCの記載はありませんでした。このように、うさぎに特別ビタミンCを与える必要はなく、代わりにビタミンAやビタミンDなどの栄養素を与えることのほうが重要だとわかります。

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野菜からビタミンを摂取


上記のように、近年ではうさぎ用フードを与えることで、1日にうさぎが必要としているビタミンや栄養をバランス良く摂取できるようになっているため、ビタミンCにおいては極端に心配する必要はありません。

また、おやつとして野菜や果物を与えてあげるのもおすすめです。野菜や果物にはビタミンCも含まれますので、うさぎ用フードにプラスアルファで与えてみても良いかもしれません。

ビタミンCを始めとした栄養素を含む野菜には、「小松菜」や「いちご」のほか、「チンゲンサイ」「人参」「パセリ」「セロリ」といった野菜が挙げられます。こうした野菜を摂取することでも、十分にビタミンCは得られますので、サプリメント代わりに与えてみましょう。

まとめ

うさぎにビタミンCを特別与える必要は無いということがわかりましたね。とはいえ、病後や強いストレスを与えられる際には、ビタミンCも減少しているはず。そんな時にこそ、ビタミンCを多く含む「小松菜」などの野菜や、「イチゴ」などの果物を与えてみても良いかもしれません。

ビタミンCには先述の通り、アンチエイジング効果やストレスの抑制の効果がありますので、毎日与える必要は無くとも、たまにの「おやつ」として与える分には全く問題のないもの。もちろん、カロリー等は気にする必要はありますが、ビタミンCとしてはこうしたタイミングで与えてみても良いかもしれませんよ。

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