ペットとして飼育する鳥は、成長段階によっても飼育方法が若干変わりますが、品種や鳥のサイズによってもお手入れの仕方は変わってきます。その中でも、基本的な飼育方法と、鳥のお手入れの仕方に関して解説していきたいと思います。

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鳥の基本的な飼育管理について

市販で販売されている鳥用のフード。多種多様な種子等が含まれており、様々な鳥にとって必要な栄養素が配合されています。しかし、こうしたフードも鳥自身が選り好みせずにバランス良く食べてくれれば良いのですが、中には気に入った種子しか食べない鳥もいますよね。

もちろん、必要な栄養素を摂取しているので体には良いのですが、場合によっては栄養過多になってしまったり、バランスが悪くなるために思うような栄養を吸収できない事もあります。このように食が崩れてしまうと、お手入れ以前に、羽の艶が落ちてしまったり、肥満傾向になってしまったりもします。

こうした事態を回避するために、鳥が偏った種類ばかりを食べている場合には、飼い主さんの方で配合のバランスを変えてみたり、また、1種ばかりを残している場合には、その種子が持つ栄養を補うために、別の食べ物を与えてみるなどの方法を取るようにしましょう。

定期的な日光浴も必要です

鳥は日光浴も大事な健康管理の一つです。ずっと当てている必要はありませんが、毎日決まった時間に日光浴をさせることができるのならば、生活サイクルも一定するので一番良いでしょう。毎日は難しくとも、定期的に日光浴をさせなければ、病気を引き起こしかねません。

というのも、鳥は日光浴をすることでビタミンD3を体の中で合成します。このビタミンD3は、カルシウムを吸収するために必要なビタミンのため、日光浴をしなければカルシウム不足に陥ってしまうのです。カルシウムが不足することで、鳥の体には様々な悪影響が発生してしまうので、日光浴は鳥にとって非常に重要なことなのです。

人間も暗闇で過ごしていると不健康になるように、鳥にとっても日光浴は非常に大事なものです。外に出す必要はありませんが、窓際に鳥かごを置いてみたり、部屋に放鳥して自ら日光浴のできる場所に移動させるなどの工夫をしてみましょう。

ストレスのかからないような生活を送らせましょう

このように、鳥のお手入れに関して飼い主さんが行えるのは、その大部分が生活環境を整えることだったり、鳥の体調管理をしっかりと行うことが中心となります。犬や猫のようにブラッシングを行う際に体調の変化に気がつければよいのですが、鳥の場合には日々の変化に気が付くことができなければいけません。

環境を整えることだけではなく、鳥のストレスを軽減させたり楽しませる工夫も大事な要素となります。例えば、鳥はミネラル分が不足してしまうと、ナトリウム欠乏症を発症してしまい、毛引きや精神不安定といった症状が見られるようになります。逆に、過剰に塩分を摂取してしまうと、高血圧や胃炎、動脈硬化などの弊害が起きてしまいます。

ミネラル不足の状態で、ストレスのかかるような生活を送っていたら、鳥の体調も回復していかないでしょう。様々な要素が、食事やストレス、体調や病気などに直結しているため、日々の生活で暗闇で長い時間過ごしていたり、一人ぼっちの時間が長すぎるなどの鳥にストレスがかかる生活環境は、鳥の体にとっても良いものではありません。

鳥は遊ぶことが大好きな動物ですので、毎日話しかけたり、居間を飛び回らせたり、水浴びをさせたりなどの、ストレス解消となる方法をたくさん取り入れていきましょう。

爪の伸びすぎを予防するために

自然界における鳥は、木以外の物などにつかまることで、爪も削れていくために爪切りをしなくても済んでいますが、ペットとして飼育されている鳥は、つかまると言っても木のパーチだけだったり、プラスチックのエサ箱などにつかまることしかないので、爪も伸びがちです。

そこで、爪切りの手間を減らすために、パーチ自体に爪やすりの要素を備えた「セメントパーチ」という商品があります。セメントパーチは、表面がザラザラとしているので、見た目よりもヤスリの効果が期待できるものですが、冬の温度が低下してくる頃には、セメントパーチも冷たくなってしまうので、シーズンによって使い分けると良いかもしれません。

こうした対策を講じても爪が伸びてしまったり、爪が円を描くように伸びてしまっている場合には、飼い主さんが爪切りを行わなければいけません。白爪であれば、爪の中心部分に血管が見えているので、1〜2m程度を残すイメージでカットするようにしましょう。黒爪で難しかったり、爪切り自体に自信がなければ、動物病院などで爪切りをお願いするようにしましょう。

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温度管理にも気をつけましょう

成長であれば、自分で温かいところ・涼しいところと移動することができますが、ヒナ鳥や老鳥は思うようにケージ内を移動できなかったりもします。そのため、ケージ内の温度を管理することも必要になってきます。昼夜の温度差が10℃も違うようであれば、鳥は下痢など、何かしらの体調変化が起きてしまうでしょう。

こうした寒暖差が続くと体調も弱りがちになってしまいますので、飼育するスペースの温度は、できるだけ温度差が起きないような工夫が必要になります。夏場は鳥かごを設置する場所を検討する必要がありますし、冬場はヒーター等を鳥かごに設置する方が安心です。

また、水槽タイプ以外の通常の鳥かごでは温度が逃げていってしまいますので、タオルをかけることや、酸欠にならない程度に温度を逃がさない工夫が事が必要になります。また、ヒーターは大きいサイズと小さいサイズがありますが、文鳥などの小型の鳥である場合には大きなヒーターの温度は暑すぎるため、小さいヒーターで保温するようにします。

ヒナ鳥や老鳥は、成長に比べると+5℃程度温かい環境のほうが安心ではあります。成鳥であれば約25℃、ヒナ鳥や老鳥であれば約30℃ほどを目安とし、昼夜の温度変化が起こらないように、常時保温しておく必要があります。また、口を開けて呼吸をしていないかなど、鳥が暑すぎていないかの確認もしっかりと行うようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。鳥のお手入れは、基本的には飼育している環境の整備や、食事の管理が基本となります。鳥は自分で羽の毛づくろいや汚れを落としますので、飼い主さんが鳥を拭いてあげたり、羽をといだりといった事をする必要は無いのです。

その代わり、安定した食事、安定した生活環境とストレスの無い生活は必須となります。いずれかのバランスが崩れてしまうと、鳥の毛引きも悪くなるばかりでなく、病気を引き起こしてしまいます。

飼い主さんにできることは、鳥の体調を把握することです。そのためには、毎日のお掃除、毎日のコミュニケーションが非常に重要なのです。かわいい愛鳥であれば、こうした行動も特に苦でもなく、当たり前の行動ですね。愛鳥の変化にいち早く気がつける飼い主さんでいてくださいね!

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