「チワワ」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もいると思いますが、「チワワ」を飼う上でどのような事を理解し、気を付けなければならないのでしょうか?今回は、「チワワ」について、特徴や性質、飼育上の注意点をチェックしてみましょう。

スポンサーリンク

チワワとは

チワワと言えば、大きくパッチリした目と、「アップルヘッド」と呼ばれるりんごのような額を持つ、世界最小の小型犬種です
「わんわん物語」や「101匹わんちゃん」などのディズニー映画だけでなく、様々なアニメやドラマ、映画にも数多く出演し、犬が好きな人なら、チワワを知らない人はいないでしょう。

チワワは体が小さいので、日本のような小さな家や部屋で、飼育するのにとても適しています。また、小柄な女性でも片手でヒョイッと抱っこができるので、特に女性に大人気の犬種とも言えます。

チワワの祖先であるテチチ

9世紀頃、メキシコの先住民族である、トルテカ族が飼育していた小型の「テチチ」と呼ばれる犬種が、今のチワワの祖先と考えられています。
トルテカ族はこの犬種を神聖の神として奉り、「死者の魂をあの世へ導き、悪霊を追い払ってくれる」と信じており、家族で死者が出ると、生け贄となって死者と一緒に埋葬されました。ただ、生け贄として埋葬されるのは、レッドカラーのテチチだけであったようです。

15世紀初旬、トルテカ族はアステカ族に支配されますが、その後もこのしきたりは変わらず、テチチの運命は死者と共に消えてなくなりました。
後に、メキシコ人の墓の中から、人と埋葬されたテチチの骨が発見されています。

また、庶民の間では、この犬種は食用とするために飼育されていました。このような理由から、テチチの寿命は、あまり長くはありませんでした。
1519年、スペイン軍を率いたコルテスによって征服され、アステカ族は滅ぼされましたが、テチチもそれから数世紀に渡り消息不明となりました。

チワワのルーツ

テチチが消息不明となってから300年程経った1850年、メキシコのチワワ州で3頭のとても小さな犬が発見されました。この犬種はアメリカに持ち込まれ、より小さく改良されました。これが今のチワワです。

その後、1904年にアメリカの愛犬家団体「AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)」に公認されました。
当時、あまり人気が無かったチワワですが、「ルンバキング」と呼ばれていた、有名な音楽家であるザビア・クガートがペットとして飼っていたことから人気が博し、チワワの知名度が一気に上がりました。

日本では1970年代より飼育されるようになり、小型ゆえの飼育のしやすさから、今や日本の愛犬家団体「JKC(ジャパン・ケネル・クラブ)」の登録件数は、ダックスに次ぎ第2位という人気を誇っています。

チワワの性格

チワワは、体こそは小さい犬種ですが、自分よりも大きな大型犬種にも、怖がらずに向かっていく勇敢なところもあります。また、縄張り意識や警戒心も強いので、番犬の役割もこなします。人見知りをすることもありますが、他の犬種とも仲良くできるので、多頭飼いも向いています。特に、同じ犬種であるチワワとの共存を好むようです。

そして、この犬種は、独立心があり、ワガママなところがあります。「小さいからと大丈夫」と、幼少期から甘やかされることを覚えると、気に入らないことがあれば、唸ったり噛み付いたりして、社会適応力のない犬種になってしまいますので、幼少期からしっかりと躾を行いましょう。

また、飼い主さんにとても忠実な性格で、特に家族であっても、誰か一人に対して深い忠誠心と愛情を注ぐ傾向があります。「自分にしか懐かない」こういうチワワの一途なところが、飼い主さんにとっても愛おしい存在となるのでしょう。

スポンサードリンク

チワワの被毛

チワワの被毛は、短毛の「スムース・コート」と、長毛の「ロング・コート」の2種類がいます。
スムース・コートの被毛は硬くて粗いですが、光沢があって滑らかな手触りです。一方、ロング・コートの被毛は、柔らかく、ややウェーブがかかっているか、ストレートのものがあり、耳や首、4本の足は特に多く密生しています。

また、スムース・コートとロング・コートでは手入れ方法が違い、スムース・コートは、固く絞ったタオルで拭いてあげる程度で良いです。ロング・コートは、週に2~3回ブラッシングをしてあげることと、肉球の間の毛もこまめにカットしてあげるのが良いでしょう。

チワワの被毛のカラーは、基本的にあらゆる毛色が認められております。
「レッド」「レッド&ホワイト」「フォーン」「フォーン&ホワイト」「ブラック」「ブラック&タン」「ブラック&ホワイト」「セーブル」「セーブル&ホワイト」「チョコレート」「イザベラ」「ブルー」「ブリンドル」など、カラーのバリエーションは豊富です。
しかし、「ブルーマール」や「チョコレートマール」などのマールカラーは、遺伝的疾患を患って産まれる可能性があるので、非公認とされています。

チワワがかかりやすい病気

チワワが、遺伝により発症しやすいと言われているのが、「水頭症」です。脳内の脳脊髄液が過剰に貯まり、脳室がパンパンなる病気です。
躾をしてもなかなか覚えなかったり、ボーッとしてる時間や寝ている時間が多い、急に鳴いたり、興奮しやすい、歩き方がおかしいなどの脳神経の症状が疑われたら、すぐ動物病院へ連れて行きましょう。

また、「気管虚脱」もチワワに多いとされる病気ですが、呼吸にともなって気管が扁平にするため、呼吸がしづらくなり、興奮時や運動中、散歩時の首輪による頚部の圧迫で、「ガーガー」とガチョウの鳴き声のような乾いた咳をします。重症の場合には、呼吸困難で死亡することもあります。
これは、肥満により悪化することもありますので、体重管理に気を付けることや、散歩時の首輪は胴輪に変え、首に負担をかけないようにしましょう。

そして、「膝蓋骨脱臼」もチワワに多く発症する病気です。この病気は、後ろ足の膝蓋骨(膝のお皿)が正常な場所から、内側か外側にずれてしまう(脱臼する)状態になる病気です。最初のうちは気付かない場合も多く、放置していると、どんどん悪化していきます。

愛犬が散歩中スキップしたり、足を上げて歩くような素振りを見せた場合は危険信号ですので、膝蓋骨脱臼を予防するためには、まず膝に負担をかけないことです。フローリングなどの硬く滑る床には、カーペットやラグを敷きましょう。

チワワと暮らすために

チワワの体は小さく、小動物並みの大きさなので、小動物を捕食とするような猛禽類(ワシやタカ)などに、間違えて連れ去られることもあるので、外へ出す時は、家の庭であっても、絶対一匹で出さないようにしましょう。

また、チワワの日々の運動量は、室内の放し飼いで充分とされていますが、社交性をつけるためにも、子犬のうちから散歩へ出したり、ドッグランなどへ連れていくなど、他の人や犬と接触させる機会を設けた方が良いでしょう。

「うちの子は散歩が嫌い」「外へ出しても歩きたがらない」
チワワを飼っている飼い主さんからよく聞くセリフです。

今まで外へ出したこともないのに、急に散歩へ連れて行ってもらっても、外は知らないものばかりなのです。知らない人や犬もいっぱいるし、大きい車や、うるさいバイク・・・怖くてルンルン気分で歩ける訳がありません。これはチワワに限ったことではなく、どの犬種も、みんな初めてのものは怖いのです。

しかし、必ず慣れます。急がず、焦らず、愛犬のスピードに合わせて、少しずつ慣らしましょう。無理に引っ張ったりするのは、散歩に対して嫌悪感しか持たず逆効果です。
家の中の世界だけでなく、外の空気はいいもんだって感じてもらいたいですね。

スポンサーリンク