犬の病気の「てんかん」ってご存じですか?突然、愛犬が激しい痙攣を起こしたり、口から泡を吹いたりするのを目の当たりにした時、飼い主さんはどのように対処したら良いのでしょう。今回は、犬の脳や神経の病気「てんかん」について考えてみましょう。

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てんかんとは

てんかんとは、脳の神経細胞に異常が起きることにより、てんかん発作を繰り返し起こす脳の病気のことです。てんかんは、大きく2つに分けられており、「症候性てんかん」と「特発性てんかん」があります。

症候性てんかんは、過去に脳にダメージを受けるような病気(脳腫瘍や水頭症、ジステンパーなどの脳炎)やケガ(以前に抱っこをしていて頭から落としていまったなど)が原因で、てんかんを引き起こします。また、老犬になってから初めててんかんを発症した場合、脳腫瘍であることが比較的多く見られるようです。

特発性てんかんは、動物病院でMRIやCTで脳の検査をしても異常が認められないため、原因は遺伝が関係していると考えられています。
また、遺伝的にてんかんを発症しやすい犬種は、ミニチュア・ダックス、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、コッカー・スパニエル、ビーグル、ミニチュア・シュナウザーなどが挙げられます。

てんかんの症状

てんかんの症状は、繰り返し痙攣発作を起こすのが特徴で、「部分発作」と「全般発作」があります。部分発作は、犬自身の意識があり、顔の一部や四肢など身体の一部分が痙攣します。全般発作は、身体全体がガチガチに強張り、激しく痙攣するもので、失禁したり、口から泡を吹いたり、意識が無くなることがあります。

てんかんは、夜眠っている時や早朝に起こることが多く、発作は数秒から数分で治まることがほとんどですが、稀に1時間ほど発作が続く場合もあります。発作が治まった後は、まるで何も無かったかのように普段通りの様子に戻ります。

また、てんかんの症状が30分間以上続いたり、1回の発作が完全に終える前に次の発作が連続して起きる場合は「てんかん重積」、1日に2回以上てんかんが起きる場合は「群発発作」と呼ばれ、中毒や脳の外傷、脳ヘルニアなど重篤な病気を引き起こしていることも考えられますので、早急に獣医さんに診察してもらう必要があります。

てんかんが始まった時の対処法は?

てんかんの発作が始まった時、愛犬の様子があまりにも辛そうなので、飼い主さんも驚いてパニックになることもあると思いますが、ここは落ち着いて愛犬に優しく声をかけて、身体を撫でてあげましょう。決して、無理に抱っこをしたり、強く揺さぶったりしないようにして下さい。

また、愛犬が何度かてんかんを起こしている場合、てんかんを起こした日にちや時間、どのくらいの時間(何秒、何分など)発作があったか、発作中の様子(意識の有無など)、発作が起きる前や、発作が治まった後の様子などをメモしておきましょう。

そして、てんかんを起こしている間、嘔吐などの症状が見られる時は、嘔吐物で気道が詰まることがありますので、呼吸困難にならないように、異物を取り除くなどの気道の確保が必要になります。しかし、てんかんを起こしている間は興奮状態にありますので、口に指を入れると噛まれることもありますので注意しましょう。

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てんかんの治療

症候性てんかんの場合は、てんかんの原因となっている病気に対する治療を行い、特発性てんかんの場合は、抗てんかん薬を用いて治療を行います。また、てんかん重積を起こしている場合は、痙攣を止めるための緊急治療を行います。

ここで気を付けなければいけないことは、てんかん用の抗てんかん薬は副作用があるかもしれないということを認識しておきましょう。副作用としては、初期段階では、動きが鈍くなったり、ふらついたり、異常に食欲が出るという症状があります。そのうち、肥満になったり、尿失禁などの副作用が見られます。

抗てんかん薬にはこのような副作用があるため、愛犬が具合悪くなるのを目の当たりにすると、飼い主さんは投薬を止めた方が良いのではないかと思うでしょう。しかし、投薬を止めると、発作の間隔が短くなったり、発作の回数が増えるなど、愛犬の身体に負担をかけてしまいますので、獣医さんと相談して、愛犬に合った薬を見つけていきましょう。

ストレスとも関係がある?!

てんかんは、精神的ストレスによって愛犬の身体に負担をかけてしまい、てんかんを引き起こす引き金となることがあります。飼い主さんが忙しくて愛犬とコミュニケーションが取れなかったり、何か環境の変化で、愛犬自身のリラックスした環境が無くなるなどが原因でてんかん症状を起こしやすくなるのです。

愛犬がてんかんを持病に持っていたら、精神的に落ち着ける環境を作ってあげて、飼い主さんの愛情の中で穏やかな生活を送らせてあげることが一番の特効薬かもしれませんね。

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