犬も人間と同様に「脳」や「神経」に病気を抱えてしまう事があります。中には先天的・生まれた時から持つ疾患も多いですが、こうした病気はいつ発症するかはわかりません。今回は犬の脳と神経の病気についてまとめてみました。

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犬の脳や神経の病気は生まれつき?

犬の脳や神経の病気には、先天的な原因も多いと言うことも言えますが、事故や脳へのダメージが加わることで、脳や神経の病気を発症する事も多いのです。例えば、交通事故であったり、抱っこしている時に高い所から落としてしまったりといったものです。

また、先天的な要因である場合には、犬種によって偏りが見られる場合や、年齢的なものなどが挙げられますが、該当するからと言って必ず発症するかと言えば、そうではありません。

しっかりとこうした病気に対しての知識を持ち、万が一発症してしまったときには迅速に行動できるよう、ひとつの知識として覚えておくと良いかもしれません。では、実際にどのような病気があるのか、一部ではありますが見てみましょう。

水頭症は、子犬だけの病気?

頭の中に水が溜まってしまう病気で知られる「水頭症(すいとうしょう)」。先天性の疾患というイメージがあるかもしれませんが、実は先天性・後天性いずれの場合も発症する病気で、頭部に強い衝撃が加わってしまった場合や、ウイルス感染等による脳腫瘍や脳炎といった、脳へのダメージが影響して水頭症を発症する場合もあるのです。

先天性の水頭症の場合は遺伝的な要因が強く、早い場合には数週間で発症している場合もありますが、その多くが生後3ヶ月頃から水頭症の症状を発症するようになります。犬種によっても発症する確率が高くなり、中でも代表的なのが「チワワ」です。また、チワワ以外でも、その多くは小型犬であるのが特徴で、短頭種である点も一つの特徴となっています。

原因は脳内に流れる「脳脊髄液」という体液が何かしらの理由でによって過剰に滞留してしまい、脳を圧迫してしまう事で発症するものですが、発症すると元気がなくなってぼんやりとしたり、歩き方がおかしくなったり、てんかん発作を起こしたりといった症状が見られるようになります。また、寝てばかりいたり、痴呆の症状が見られる事もあるようです。

水頭症は残念ながら完治させることが難しい病気です。そのため、水頭症を発症した場合には、症状の緩和を目指した治療が行われることがほとんどでしょう。また、水頭症を早期に発見出来た場合、また脳が損傷を受けていない場合には、術後のリスクもありますが「脳室腹腔シャント」と呼ばれる外科手術を行える場合もあります。

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よく聞く「てんかん」とはどんな病気?

「てんかん」という病気は人間でもよく聞く病気の一つですが、てんかんは脳の神経細胞に異常が起きることにより、「てんかん発作」を繰り返し起こす脳の病気の事を言います。また、その症状も「症候性てんかん」「特発性てんかん」の2種類に分類されます。

「症候性てんかん」は、脳にダメージを受けるような病気やケガが原因となり、てんかんを引き起こすもので、老犬になってから初めててんかんを発症した場合、脳腫瘍であることが比較的多く見られるようです。一方の「特発性てんかん」は、動物病院でMRIやCTで脳の検査をしても異常が認められないため、原因は遺伝が関係していると考えられているようです。

てんかんの発作が始まった時、飼い主さんも驚いてパニックになることもあると思いますが、ここは落ち着いて愛犬に優しく声をかけて、身体を撫でてあげましょう。決して、無理に抱っこをしたり、強く揺さぶったりしないようにして下さい。また、愛犬が何度かてんかんを起こしている場合、てんかんを起こした日にちや時間、どのくらいの時間(何秒、何分など)発作があったか、発作中の様子(意識の有無など)、発作が起きる前や、発作が治まった後の様子などをメモしておきましょう。

てんかんの症状が30分間以上続いたり、1回の発作が完全に終える前に次の発作が連続して起きる場合は「てんかん重積」、1日に2回以上てんかんが起きる場合は「群発発作」と呼ばれ、中毒や脳の外傷、脳ヘルニアなど重篤な病気を引き起こしていることも考えられますので、早急に獣医さんに診察してもらう必要があります。

老犬が発症する痴呆症

近年では数十年前に起きたペットブーム世代の犬たちが高齢期を迎え、老犬介護や犬のボケというワードをよく聞くようになってきました。犬の痴呆症とは、愛犬の老化に伴い、脳の神経細胞の減少や自律神経が機能しなくなることが原因で、愛犬の感情が乏しくなったり、運動能力が低下して、今まで学習したことを忘れたり、家族とのコミュニケーションが取れなくなってしまう状態のことを言います。

また、脳梗塞や脳出血などの脳の病気から起こる痴呆や、精神的ストレスが原因で、脳内における酸化物質が蓄積し、痴呆症を発症するということもあります。個体差はありますが、痴呆症を発症する年齢も、11~13歳くらいから発症することが多いと言われており、中でも柴犬などの日本犬や、日本犬系の雑種が痴呆症になりやすい傾向にあると言われています。

痴呆症は放って置くとどんどん症状が進み、残念ながら今の医学でも治すことが難しいと言われています。しかし、症状を軽くしたり、遅らせることはある程度可能であると言われています。具体的には、毎日の食事を痴呆症予防に効果があると言われている「抗酸化栄養素」を含んだ食事に切り替えたり、愛犬の心や脳を刺激することでも、症状を軽減したり痴呆予防に効果が期待できると言われています。

普段の生活が単調な子がなりやすい傾向にあるとも言われているため、普段から愛犬に話しかけたり、沢山スキンシップを取ってあげることで愛犬の脳にも刺激が与えられますので、出来る限り気持ちにハリが出るような環境を整えてあげるようにし、日頃からのスキンシップ等を欠かさないようにしましょう。

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