「ボーダー・コリー」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もいると思いますが、「ボーダー・コリー」を飼う上でどのような事を理解し、気をつけなければいけないのでしょうか?今回は「ボーダー・コリー」について特徴や性質、飼育上の注意点をチェックしてみましょう。

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ボーダー・コリーのルーツ

ボーダー・コリーの祖先は、8世紀から11世紀にかけて、バイキングがスカンジナビア半島からスコットランドに持ち込んだ、トナカイ用の牧畜犬と言われています。その後、この牧畜犬とスコットランドにいた数頭のラフ・コリー犬との交配を重ね、19世紀後半に今のボーダー・コリーが作り出されました。

皇族の寵愛を受け、華やかなショードッグの道を歩んだラフ・コリーに対して、牧羊犬としての作業能力を最重視されていたボーダー・コリーは、単に「牧畜犬」と呼ばれ、外見やサイズもバラバラであったため、畜犬団体の公認は認められませんでした。

しかし、その後のボーダー・コリーは、様々な競技会で賞を独占することとなり、その人気に押され、ようやく1995年にアメリカの愛犬家団「AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)」に公認されるようになりました。

ちなみに、ボーダー・コリーという名前の由来は、イングランドとスコットランドの境界線(ボーダー)で、牧羊犬として作業してきたことから、この名前がついたと言われています。

ボーダー・コリーの性格


ボーダー・コリーは、室内で愛玩犬として育てることよりも、飼い主さんと外へ出て、思う存分走りたい欲求が強い犬種です。雨が降ろうが雪が降ろうが、そんなことはお構いなしです。これだけの並外れた持久力を持ち、活発な犬種を扱うため、飼い主さんもそれなりの体力が必要となるでしょう。

また、ボーダー・コリーはとても賢く、責任感が強く、飼い主さんや家族に従順な性格のため、何か「仕事」を与えてあげると、喜んでその「仕事」をこなします。「毎朝必ず新聞を持ってくる」「散歩時には、自分のリードを持ってくる」「食事前にはフキンを持ってくる」など、様々なことを教えると、それを理解しながら覚えますが、頭が良いだけに、甘やかすと、つけあがってしまうズル賢さも持ち合わせています。

上記に挙げたことから、ボーダー・コリーは、高い運動能力と優れた服従能力、作業能力を持ち合わせているため、飼い主さんと愛犬と一緒に、「宝探し」や「かくれんぼ」、待てをさせて愛犬から徐々に遠く離れてから呼ぶ「閾値(いきち)トレーニング」など、頭と体を両方刺激するような訓練をするのが良いでしょう。

ボーダー・コリーのしつけについて

かつて使役犬として活躍していたボーダーコリー。その運動能力ももちろんですが、使役犬になるべく、頭の賢さもあってボーダーコリーが採用されていました。

家庭内でのしつけも可能ですが、非常に活発な犬種ですので、飼育初心者の方は非常に大変な思いをするでしょう。ボーダーコリーは知能も高く、躾も入りやすいですが、頭が良い分、悪いことも理解してしまいます。飼育初心者の方がボーダーコリーをしつける際には、犬の訓練所などに通わせて躾を行うことをおすすめします。

また、ドッグスポーツなどを行いながらしつけていくのも一つの方法です。ただし、ドッグスポーツを行うにも、呼び戻し(離れた場所から愛犬を確実に呼び戻す)が行える状態でなければ、ドッグスポーツも難しいでしょう。

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ボーダー・コリーの大きさについて

ボーダーコリーの大きさは、体高がおおよそ53cmほど、体重は15kg〜20kgほどになっています。大きさに関しては、中型犬の平均的なサイズです。中型犬のボーダーコリーですが、前述の通り、しつけをしっかりと行わなければ、このサイズの犬を散歩するにも大変な思いをするでしょう。

引っ張る力も強いので、しつけが入っていない、活発なボーダーコリーを女性が散歩するというのは危険かもしれません。最低限、散歩をする際には引っ張り癖を治すようにし、しっかりとボーダーコリーをコントロールできるようになりましょう。

また、意外と大きなサイズですので、ボーダーコリーを運ぶことのできる車を用意したり、家庭内での飼育環境を整えるのも大事になるでしょう。

ボーダー・コリーの被毛

ボーダー・コリーは、「オーバーコート(上毛)」と「アンダーコート(下毛)」の2層構造からなる、「ダブルコート」という被毛の持ち主です。

また、ボーダー・コリーの毛の長さは、長さ2.5cmの「スムースコート(短毛)」と、長さ7.5cmの「ラフコート(長毛)」の2種類のタイプで分かれています。
スムースタイプは、性格がきつく、特に運動能力に優れている子が多いため、競技などに向いていて、ラフタイプは、人懐っこく、穏やかな性格の子が多いので、家庭犬に向いているようです。一般的に知られているのは長毛のラフコートの方でしょう。

ボーダー・コリーの「ブルーマール」って?


ボーダーコリーの被毛のカラーは、「ブラック&ホワイト」「ブルー&ホワイト」「チョコレート&ホワイト」「トライカラー(ブラック・タン・ホワイトの3色からなる)」「ブルーマール」「レッドマール」などがあり、ホワイトが多いのは好ましくないとされています。

中でも、ブルーマール(レッドマールも)の毛色に関しては、遺伝子疾患に注意する必要があります。これは、マール遺伝子と呼ばれる遺伝子が働いたことで色素が抜けたりする毛色になっており、その希少性から高値で取引される場合があります。

しかし、このマール遺伝子に関しては、繁殖犬として利用されることは危険であり、両親共にマール系の毛色である場合、子供はほぼ確実に何かしらの疾患を抱えて生まれる確立が高くなるのです。マール系のボーダーコリーを迎え入れる際には、親の情報も手に入れるようにしましょう。

ボーダー・コリーを飼育するために気を付けること

ボーダー・コリーを飼育するため、気を付けたいことは「肥満」です。肥満になると、心臓や内臓だけでなく、沢山の運動量が必要なこの犬種の、関節にも大きな負担をかけてしまします。

特にボーダー・コリーに多いのが、「股関節形成不全」という病気です。この股関節形成不全は、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気です。
肥満体型は、股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から、フードの給仕量と運動のバランスを考えるなど、肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

また、この犬種に限らずコリー犬は、フィラリアの予防薬として使われるイベルメクチンの使用が危険とされています。フィラリア程度の量なら問題ないという説もありますが、可能性を考えるなら、獣医さんとよく相談された方が良いでしょう。

遺伝子疾患が多いボーダー・コリー

ボーダー・コリーは、「コリー眼異常(CEA:Collie Eye Anormaly)」という病気に気を付けるべきです。視神経や強膜など、目を構成する組織に色々な形成異常が起きます。
この病気の症状は、軽傷の場合、普通に目が見え、判断がつきにくいケースや、若齢のうちに発症し、症状が進行して失明することもあります。また、発症した場合、繁殖に用いることはやめた方が良いでしょう。

そして、「セロイドリポフチン症(CL:Ceroid LipofuscinosisまたはNCL)」という病気にも注意が必要です。体の神経細胞をどんどん冒していく病気で、「運動障害」「知的障害」「視力障害」の症状が見られ、進行も早く、死に至る致命的な病気です。
普段見慣れているものを怖がったり、ジャンプや階段でびっこを引いたり、普段穏やかな子が凶暴になったり、いつも出来ていることが出来なくなったりすると、発症の可能性があります。

これらの病気には、遺伝子検査があります。引き取ってすぐ検査をすることをお勧めしますが、事前に遺伝子検査を済ませている親犬から子犬を引き取るのが、最善であると言えるでしょう。

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ボーダー・コリーとアジリティ

ボーダーコリーと言えば運動神経抜群の犬というイメージですよね。そんなボーダーコリーが大活躍できるのがドッグスポーツです。中でも、アジリティと呼ばれる障害物競走では、非常に高い頻度でボーダーコリーが参戦しており、ボーダーコリー好きならたまらない競技となっています。

アジリティは、ハードルを飛び越えたり、トンネルをくぐってみたり、急な坂を昇り降りするなど、非常にハードなドッグスポーツとなっているため、高い集中力と運動神経が求められます。しかし、ドッグスポーツは愛犬の能力が高くとも、誘導する飼い主さんの腕も良くなければ、思うような成績を残せません。

そのため、飼い主さんも愛犬と一緒に楽しみながらスポーツを行うことが出来るので、ボーダーコリーを飼った際には、遊び程度でも参加してみたい競技になっています。

ボーダー・コリーと暮らすために


ボーダー・コリーは、非常に賢く、人と一緒に仕事をすることを好むので、躾や訓練も他の犬種と比べて簡単と言われていますが、賢いがゆえに、甘やかされたボーダー・コリーは、元々攻撃性がなくても、飼い主さんを見下し、ワガママで言うことをきかない子になってしまうこともあります。

また、人の言うことをよく聞く犬が賢いのかと言えば、そうではありません。
例えば、愛犬が吠えたので叱ると、「声を掛けてくれた」と喜び、吠え声はエスカレートしていき、ゲージに入っている際、オシッコやうんちをすれば出してくれると判断した場合、出してもらおうと小分けに排泄します。また、愛犬が囓った時に女性や子供の高い声で叱られると、喜んでもらってると考え、囓り癖がエスカレートしていきます。

ボーダー・コリーは、賢いだけに人の気持ちを読み取ろうとしますが、必ずしも正確に読み取れるわけではないのです。それを考えた上で、飼い主さんはこの犬種をよく理解し、リードしていく必要があるのです。ぜひ、愛犬に尊敬されるような飼い主さんになりたいですね。

ボーダー・コリーの寿命はどのくらい?

ボーダーコリーの寿命はおおよそ10歳〜といったところ。ボーダーコリーは非常に活発な犬種ですので、幼少期から十分に運動を行う必要があります。また、食事の管理もしっかりとする必要があります。

ボーダーコリーが肥満体型になってしまうと、思うような運動も行えず、本来活動するべき内臓の動きも弱まってしまいます。そのため、ボーダーコリーにとっての運動はストレスの解消だけではなく、健康管理を行うのになくてはならないものなのです。

しっかりとした食事の管理に、しっかりとした運動を行うことで健康な体を作り上げていきます。幼少期から健康的な食事と運動を行うようにし、運動不足や偏った栄養を摂取させることには注意しましょう。

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