「ポメラニアン」を飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もいると思いますが、「ポメラニアン」を飼う上で、どのような事を理解し、気をつけなければいけないのでしょうか。今回はすることが必要になります。犬の種類には様々な特徴や性質、事などがあり、今回はもチェックしてみましょう。

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ポメラニアンのルーツ

ポメラニアンのルーツは、アイスランドやラップランドのような極寒の地域で、トナカイ狩りやソリなどを引いていた、体重30kgほどの大型のスピッツ系に属する犬種です。
この犬種は、ポーランドからドイツにかけて広がる地域にあるポメラニア地方に渡り、徐々に小型化されていきました。

その後、イギリスに持ち込まれてから「ポメラニアン」と呼ばれるようになりました。この頃のポメラニアンは、被毛のカラーも白いものばかりで、体重は15kgほどの中型犬の大きさと言われています。

そして、1870年にイギリスの愛犬家団体「EKC(イングリッシュ・ケネル・クラブ)」で公認犬種となり、イギリスのビクトリア女王が、この犬種を溺愛し、熱心に繁殖するようになってから人気犬種となりました。中型ほどのこの犬種が、5kgくらいまで小型化されたのもこの頃です。

ポメラニアンは、1900年にアメリカの愛犬家団体「AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)」によって認定され、さらに小型化し、多種多様の被毛のカラーを持つ犬種となったのです。かつては30kgもあった大型のソリ引き犬が、わずか3kgほどの愛玩犬となり、その人気は日本でも不動のものとなりました。

ポメラニアンの性格


ポメラニアンは、とても陽気で明るく、活発で友好的な性格の持ち主なので、子供や他の犬種とも仲良く接することができます。また、好奇心旺盛なところもありますので、愛犬と一緒に、公園やドライブへ連れていくのも良いでしょう。

そして、家族に対して従順で、素直で賢く、物覚えも早い犬種です。何をするにしても、楽しもうとするところがあるので、ゲームなどを取り入れたトレーニングをすると、楽に躾ができるようになるでしょう。

また、知らない人や物に対して警戒心があり、敏感に反応して吠えることがあるので、番犬にも向いている犬種です。しかし、しっかりと躾がされていないと、少しの環境の変化でも吠えるようになってしまうので、愛犬とスキンシップを取りながら、吠え癖の躾をする必要があります。

ポメラニアンの被毛と大きさ

ポメラニアンの被毛は、「ダブルコート」になっており、長くて粗い「オーバーコート(上毛)」と、細くて柔らかい「アンダーコート(下毛)」の2種類の被毛を持ち、密生したアンダーコートによって、オーバーコートを開立させ、ポメラニアンならではの姿・形を作り出しています。

また、豊富なたてがみのような首毛や、背中を覆うフサフサした尻尾が、更にポメラニアンを丸くコロコロして見せます。このように、体がフサフサ、コロコロしているので実際の体がわかりにくいですが、体高で約20cm前後ほど、体重はやく3kg前後というサイズ。毛がなくなるとさらに小さな体になります。

中には1kg台のポメラニアンもいれば、5kg近い体重のポメラニアンもいたりと、個体によっても大きさは異なりますが、体の小さいポメラニアンは体も華奢なので、かなり気を使って飼育する必要があります。

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ポメラニアンの可愛いカット


ポメラニアンの人気を押し上げたのは、近年テレビCMでも登場したポメラニアンの存在が大きいでしょう。そして、さらにポメラニアンのかわいさを引き出しているのが、ポメラニアンの可愛いカットによるものです。

ポメラニアンはそのまま被毛を伸ばしていても良いですが、「ポメカット」や「ライオンカット」「柴犬カット」など、カットの仕方も豊富な選択肢があります。また、「桃尻カット」と呼ばれているカットも人気で、後ろの毛を「桃」のようにカットした可愛らしいカットも。

このほか、「サマーカット」はすっきりと毛をカットした、暑い夏にもおすすめのカットです。夏場は熱中症の心配もありますが、こうしてサマーカットを施すことで、熱中症予防にもなりますのでおすすめです。

希少色「イザベラ」など、ポメラニアンの豊富な毛色

ポメラニアンの被毛は、「ブラック」「ブラウン」「チョコレート」「レッド」「オレンジ」「クリーム」「オレンジ」「セーブル」「ウルフ」「オレンジ・セーブル」「ホワイト」「ブラック&タン」「パーティ・カラー」など、様々な毛色があります。また、単色と二色混合のパーティカラーなどを比較した時、他の条件が同一の場合は、単色の方が好まれます。

中でも「ブルー」や「ビーバー(イザベラ)」と呼ばれる毛色は希少色。ただし、これらの毛色に関しては先天的な疾患を抱えている場合が多いことが指摘されます。また、「マール」と呼ばれる毛色は更に注意が必要で、弱視や難聴、奇形などの先天的疾患を持っている場合がかなり高くなります。

これらの毛色のポメラニアンは繁殖に使用することはできませんので、ブリーダーから迎え入れる際には、親の毛色を確認するなど、十分に注意する必要があります。

ポメラニアンがかかりやすい病気

ポメラニアンによく発症されるのが、「気管虚脱」という病気です。呼吸にともなって気管が扁平するため、呼吸がしづらくなり、興奮時や運動中、散歩時の首輪による頚部の圧迫で、「ガーガー」とガチョウの鳴き声のような乾いた咳をします。重症の場合には、呼吸困難で死亡することもあります。

これは、肥満により悪化することもありますので、体重管理に気を付けることや、散歩時の首輪は胴輪に変え、首に負担をかけないようにしましょう。

また、ポメラニアンは「進行性網膜萎縮」という病気にも気を付けたいです。この病気は、網膜が萎縮して正常に働かなくなる遺伝子の病気です。まず、視力が低下して夜に目が見えなくなり、そのうち日中も見えなくなり、最終的には失明します。

日頃から、愛犬が何かにつまずいている様子はないか、大好きだった散歩を嫌がっていないかなど、少しの変化にも注意して観察しましょう。

ポメラニアンの足にも注意しましょう

ポメラニアンが気をつける病気は他にもありますが、「膝蓋骨脱臼」もポメラニアンに多く見られる病気です。この病気は、後ろ足の膝蓋骨(膝のお皿)が正常な場所から、内側か外側にずれてしまう(脱臼する)状態になる病気です。

膝蓋骨脱臼の怖い所は、最初のうちは気付かない場合も多く、放置してしまうことでどんどん悪化していってしまうところです。愛犬が散歩中スキップしたり、足を上げて歩くような素振りを見せた場合は危険信号ですので、膝蓋骨脱臼を予防するためには、まず膝に負担をかけないことです。

膝蓋骨脱臼を予防するためには、なるべく膝蓋骨に負担をかけないということが大事になります。家庭内でも予防することができ、フローリングなどの硬く滑る床には、カーペットやラグを敷くなどの対策を行うことでも変わってくるでしょう。

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ポメラニアンは暑さにも弱い


ポメラニアンは、細くて毛玉になりやすい被毛を持つ犬種です。あのフワフワの被毛を維持するためにも、1日1回のブラッシングは欠かせません。特に、夏の換毛期には、こめなブラッシングが必要です。子犬の頃からブラッシングに慣れさせると良いでしょう。

また、ポメラニアンは暑さにも弱い犬種ですので、真夏の被毛の管理には注意が必要です。ムダ毛が多すぎると皮膚が蒸れてしまい、病気を引き起こす可能性が高まるだけでなく、熱中症などの症状を引き起こす原因にもなりますので、ブラッシングは必ず行うようにしましょう。

前述のように、ポメラニアンのサマーカットなどもおすすめの対策となります。ただし、サマーカットを行なった際には、温度も直に感じられてしまうため、直射日光が強い日には注意が必要です。

夏場はエアコンも必須です

ポメラニアンは暑さに弱いので、夏の日中に留守番が多い飼い主さんは、特にエアコンの設置が必須となります。日本の夏は、ポメラニアンにとっては高温多湿で、苦手な環境となります。そのため、室内で過ごす際にはエアコンで適温を保つようにして上げる必要があります。

ただし、外気温が高いからと言って、室温を18℃など、キンキンに冷やしすぎてしまうのも危険が伴います。あくまでも室温を適温に保つためにエアコンを使用しましょう。長い時間、冷風にさらされることによって、体温調節もきかなくなってしまい、体調を崩す要因にもなりかねません。

そのため、室温は24〜5℃程度を保つようにし、暑すぎず、寒すぎずな温度を意識するようにしましょう。

ポメラニアンと暮らすために


ポメラニアンは昔から「よくキャンキャンと吠える犬」のイメージを持っている人も多いと思います。この犬種は、見知らぬ人に対して神経質な面があり、警戒心を持ち、吠えるようになります。

子犬の頃から外へ出し、人や犬と会う機会を作り、社交性を身につけ、飼い主さんが笑って接する人は「危険じゃない」と、愛犬が自分で判断できるように躾をしましょう。

そして、寂しがり屋で甘えん坊の性格のポメラニアンは、スキンシップが足りないと吠えることがあります。
「ゲージに閉じ込めっぱなしにしていませんか」
「最近、忙しいからと、愛犬とのスキンシップが減っていませんか」
常に人と寄り添うことを好むポメラニアンの性質を、よく理解した上で接することが必要です。

愛犬が吠えるには、何か理由があるはずです。
その不安材料を取り除いてあげると、きっと静かで穏やかな愛犬になるでしょう。

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