「ミニチュア・ダックスフンド」を飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もいると思いますが、「ミニチュア・ダックスフンド」を飼う上でどのような事を理解し、気をつけなければならないのでしょうか。今回は、「ミニチュア・ダックスフンド」について、特徴や性質、飼育上の注意点についてチェックしましょう。

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ミニチュア・ダックスフンドのルーツ

「ミニチュア・ダックスフンド」の元となる「スタンダード・ダックス」は、地中の狭い巣穴を潜り、15kgほどあるアナグマを、嗅覚を使いながら探索や追跡をするため、アナグマ猟犬として利用されていました。19世紀頃に入ると、アナグマより小さい害獣である、ネズミやアナウサギ、テンやイタチ等を狩るため、更に小さい「ミニチュア・ダックスフンド」や「カニンヘン(ウサギという意味)・ダックスフンド」が作られるようなったのがルーツとなっています。

スタンダード・ダックスフンドが産んだ子犬の中から、たまたまサイズが一番小さかった犬が、ミニチュア・ダックスフンドの原型とされており、この犬に「ミニチュア・ピンシャー」や「パピヨン」、「ミニチュア・シュナウザー」を掛け合わせ、後に「スムースコート」「ロングコート」「ワイヤーヘアー」という、3種類の被毛のタイプに分けられるようになりました。

ちなみに、「ダックスフンド」という名前の由来は、ドイツ語で「dachs(アナグマ)」と「hund(犬)」から来ています。

ミニチュア・ダックスフンドの性格

ミニチュア・ダックスフンドはとても明るく遊び好きで、飼い主さんや家族にも深い愛情を持ち、家族で何かをしようとする際は、一緒に参加しようとします。いつも留守番をさせるのではなく、一緒に旅行やアウトドアなどへ連れて行き、同じ家族として一緒に行事を楽しむのも良いでしょう。

また、ミニチュア・ダックスフンドは、家族に従順で神経質なところがあり、家に見知らぬ人が来ると、警戒心を持ち、家族を守ろうと吠えることがあるため、番犬に適しています。

実は、毛質によって性格が違うと言われるミニチュア・ダックスフンド。「スムースコート」は好奇心旺盛で気が強く、「ロングコート」は穏やかで人懐っこく、「ワイヤーヘアー」はテリア気質を受け継いでるため、狩猟本能が強く、明るく社交的と、毛質だけでなく性質・性格も違っているのです。

ミニチュア・ダックスフンドの被毛

ミニチュア・ダックスフンドの被毛は先述したように3種類のタイプがあり、短毛でつやがある「スムースコート」と、長毛でウェーブがかった柔らかい毛質の「ロングコート」、太く硬い毛で覆われた「ワイヤーヘアー」があります。

ミニチュア・ダックスフンドの被毛のカラーは、毛質ごとに分類され、スムースコートとロングコートは、「レッド」「レディッシュ・イエロー」「クリーム」「チョコレート」「ブラック&タン」「チョコレート&タン」「シェーデッド」「ダップル(まだらに斑点が入っている)」「ブリンドル」などがあります。
また、「パイボールド」「ブルー」「ソリッド」というレアカラーもありますが、これらのカラーの交配は認められていません。

ワイヤーヘアーの被毛のカラーは、「ワイルド・ボア(猪色)」「デッド・リーフ(枯れ葉色)」「ソルト&ペッパー」などがあります。

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ミニチュア・ダックスフンドがかかりやすい病気

ミニチュア・ダックスフンドで、特に多いのが、「椎間板ヘルニア」という病気で、この犬種のような胴長の体型は、背骨に負担がかかりやすく、肥満になると、脊椎を支える筋肉が貧弱になり、ヘルニアを起こす確率が増えます。また、高齢による「変性性脊髄症」にかかると、発症より三年で死に至る場合もあるとされています。
この犬種にとって、「肥満」は体型的にも大問題と言えるでしょう。

網膜が萎縮して正常に働かなくなる遺伝子の病気、「進行性網膜萎縮」という病気にも気を付けたいです。まず、視力が低下して夜に目が見えなくなり、そのうち日中も見えなくなり、最終的には失明します。
他にも、あらゆる眼科疾患にかかりやすいと言われているので、日頃から目のチェックは欠かさずしましょう。

また、ミニチュア・ダックスフンドがかかりやすい病気が「膝蓋骨脱臼」です。この病気は、後ろ足の膝蓋骨(膝のお皿)が正常な場所から、内側か外側にずれてしまう(脱臼する)状態になる病気で、最初のうちは気付かない場合も多く、放置していると、どんどん悪化していきます。

愛犬が散歩中スキップしたり、足を上げて歩くような素振りを見せた場合は危険信号です。
膝蓋骨脱臼を予防するためには、まず膝に負担をかけないことです。フローリングなどの硬く滑る床には、カーペットやラグを敷きましょう。

ミニチュア・ダックスフンドの吠え癖

ミニチュア・ダックスフンドの飼い主さんの悩みで、一番多いのが「よく吠える」ことではないでしょうか。普段は大人しいのに、家のチャイムが鳴った時や、散歩時に他の犬や車、バイクに吠えたり、ゲージから出して欲しいと欲求吠えなどがあります。

この犬種は、かつては狩猟犬であったため、本能的に吠えやすい性質を持っています。しかし、狩猟犬の血を受け継いでるからこそ、飼い主さんに対して服従心が強く、訓練性も高い犬種なのです。
日頃からコミュニケーションを取りながら、愛犬と飼い主さんの間で信頼関係を築き、飼い主さんに「従う」ということを理解させることによって、躾もしやすくなるのではないでしょうか。

褒める時は大袈裟なくらい褒めて、叱る時はピシッと叱るというメリハリを持って躾をしましょう。また、躾には根気が必要です。今まで散々吠えていた子がすぐに吠えなくなるわけがありません。
最後に、愛情をかけるのを忘れないでください。つい「イラッ」としてしまうこともあると思いますが、愛情がないと、そもそも信頼関係は築けないのです。

ミニチュア・ダックスフンドと暮らすために

ミニチュア・ダックスフンドと暮らすために、まず気を付けなければならないことは、「腰に負担をかけさせない」ことです。ベッドやソファからジャンプさせたり、階段の上り下り、滑りやすい床や路面を走らせたり、太らせることによって、ヘルニアで下半身不随になったり、寿命を縮めることにも繋がります。

また、ミニチュア・ダックスフンドのような短足犬種は、地面と腹部が近いため、腹部を傷付けてしまったり、他の犬種よりもアスファルトの照り返しを受けるため、地面が熱い時は熱射病になりやすいと言われています。

「うちの子は元気すぎてフローリングを走り回ってる」
「暑くても散歩に行きたがるから・・」
「おやつを欲しがるからついつい・・」

今すぐやめさせましょう!
フローリングのような滑りやすい床は、カーペットやラグを敷くなどの配慮が必要です。
散歩は、アスファルトの熱が冷めた涼しい時間にしましょう。
おやつは量をしっかり決めて、与えすぎないようにしましょう。

確かに、胴長短足でぴょこぴょこ歩く姿は、可愛くて愛嬌いっぱいなミニチュア・ダックスフンドですが、その体型のせいで、マイナス部分も多い犬種であることも事実なのです。愛犬がこれからも元気に楽しく生活できますよう、飼い主さんの方で十分に気を付けてあげましょう。

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