犬の事を調べていると「JKC」という言葉を目にしたことはありませんか?JKCとはジャパンケネルクラブの略で、日本国内の犬種の血統を守る団体でもあります。今回はこのジャパンケネルクラブ(JKC)の歴史と、日本の犬の歴史について見てみましょう。

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「JKC」って何の意味?

犬種図鑑や犬の歴史等を辿っていくと必ず登場する「JKC」という名前。JKCは、日本の愛犬家団体・畜犬団体である「ジャパンケネルクラブ(Japan Kennel Club)」の略で、JKCと呼ばれます。稀に「ケンネル」と表記されたり呼ばれたりしていますが、近年では「ケネル」と呼ばれることの方が多いです。因みに「ケネル(kennel)」とは、犬小屋や犬を飼育するという意味。

こうした意味の通り、JKCでは日本国内における犬種の「スタンダード=標準」を定め、犬の品種を認定し、血統書を発行している団体です。その他にも、スタンダードの中でも特に美しい犬を競う「ドッグショー」の開催や、「ハンドラー」「トリマー」「訓練士」といった犬の仕事に従事する専門職の認定(公認)や資格試験の実施・資格の発行を行っている団体でもあります。

日本国内の犬に関する事すべてにおいて、JKCの存在は大きなものであり、また、基準となるものでもあるため、非常に重要な役割を担っている団体でもあります。

JKCと日本の「犬」にまつわる歴史

日本国内の「犬」にまつわる歴史は、なんと16世紀頃の安土桃山時代と言われています。当時は名だたる戦国大名達が「珍獣」として外国から犬を調達し、自身の権力の象徴として飼っていたと言われています。「マスティフ」や「グレイハウンド」「ウォーター・スパニエル」といった品種が上陸していたようですが、当時は「血統」という考えが無かったため全て「南蛮犬」と呼ばれていたようで、繁殖をすることもありませんでした。

その後の日本は、江戸幕府による鎖国の時代を迎え、こうして外国から「南蛮犬」が輸入されることもなくなりましたが、1868年の明治維新以降は一部の富裕層が狩猟犬を輸入するなど、僅かな犬たちが日本へとやってきました。

そして、1914年〜の第一次世界大戦時にジャーマン・シェパードを代表とする「軍用犬」が活躍していたことから、日本でも犬の存在が大きなものとなり、日本国内においても日本原産となる犬の保存が進められるようになりました。この時にはいくつかの保存団体が存在していたようですが、1939年〜の第二次世界大戦を迎えたことで時代も一変し、終戦後には多くの犬種がその数を激減させる事となってしまいました。

世界で最も古い畜犬団体は、1873年に設立されたイギリスの「ザ・ケネルクラブ(The Kennel Club)」ですが、JKCが国内に誕生したのは、こうした時代を乗り越え、人々の暮らしも安定し始めた1949年のこと。JKCの前身となる、1948年に設立された「全日本警備犬協会」の翌年の事でした。

犬はより身近な存在に

JKC設立からは、犬に関する様々な啓蒙活動や普及活動が進められ、1950年の11月には戦後初となるドッグショー「第一回本部展覧会」を開催、全国から300頭の犬が参加することとなりました。そして、1952年に「ジャパンケネルクラブ(JKC)」へと名称を変得ることとなります。

この頃に入ると人々の暮らしも徐々に豊かになり始め、それまで番犬としてしか飼われていなかった犬たちですが、次第に一般家庭にも純血種の犬が一気に浸透することとなり、現在に至ります。今では、世界でも多くの犬種が存在していますが、JKCでは「国際畜犬連盟(FCI)」で公認されている343犬種のうち、2015年1月の段階で194犬種が登録されています。

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犬の犬種・品種の違い

JKCで登録されている194品種の犬種は、それぞれ10グループに分類され、管理されています。それぞれのグループは、犬種の容姿を表したグループだったり、過去の人間との関わりや使徒してきた内容によるもの、得意としているもの、こうした点において分類されています。

【第1グループ】
家畜などを保護したり誘導する「牧羊犬・牧畜犬」。ボーダーコリーやコーギーなどが分類されます。

【第2グループ】
番犬や警護、作業を仕事とする「使役犬」。ブルドッグやシュナウザー、セントバーナードなどが分類されます。

【第3グループ】
小型の獲物を捕えるのに仕える「テリア」。ジャックラッセルテリアやヨークシャーテリアなどが分類されます。

【第4グループ】
地面の穴に住む獲物を捕えるのに仕える「ダックスフンド」。スムースヘアー、ロングヘアー、カニンヘンなど、全てのダックスフンドが分類されます。

【第5グループ】
日本犬やスピッツ系の「原始的な犬・スピッツ」。秋田犬や柴犬、バセンジー、ポメラニアンなどが分類されます。

【第6グループ】
大きな吠え声と嗅覚を使って獲物を追う「嗅覚ハウンド」。ダルメシアンやビーグルなどの犬種が分類されます。

【第7グループ】
獲物を探し出し、主人に位置を静かに知らせる「ポインター・セター」。ワイマラナーやアイリッシュセターが分類されます。

【第8グループ】
「7グループ以外の鳥猟犬」。ゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーが分類されます。

【第9グループ】
家庭犬として仕える「愛玩犬」。チワワ、シーズー、パグ、パピヨン、キャバリアなどの犬種が分類されます。

【第10グループ】
視力と抜群の走力で獲物を追跡し、捕獲する「視覚ハウンド」。ボルゾイやサルーキ、ウィペットなどの犬種が分類されます。

まとめ

みなさんが今飼っている愛犬は、何グループでしたか?上記に名前がなければ、一度ぜひJKCのホームページ等でグループを確認してみてはいかがでしょうか?どんな仕事をしていて、仲間にはどんな犬種がいるのかを知ると、散歩中にその犬種に出会った時にも、今までにない親近感も湧くかもしれませんね。

日本でも犬は家族の一員として愛されてはいますが、まだまだ世界的に見ると動物先進国とは言えない状況です。しっかりと愛犬を可愛がることは当たり前ですが、もっと犬が身近な存在になれるよう、飼い主である私達が、犬を飼っていない人たちにも理解されるような飼い主になり、犬にとって過ごしやすい環境を作ることが大事だと思います。これからももっと犬の文化を発展させられるようにしていきましょう!

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