「ルアーコーシング」というドッグスポーツをご存知でしょうか。犬がルアーと呼ばれる疑似餌を捕獲するために追いかけ、決まった距離を何秒で走ることができるかを競うドッグスポーツですが、これがまた迫力満点!その魅力と内容について見てみましょう。
「ルアーコーシング」について
犬が活躍するスポーツはたくさんありますが、その中でもスピードを追求したドッグスポーツ「ルアーコーシング」をご存知でしょうか。TVなどでも取り上げられる機会も増えて、数年前よりもかなり有名になりましたが、主に「サイトハウンド」系の犬種達が活躍する、より足の早い犬を競うドッグスポーツとして人気が上がっています。
ルアーコーシング(Lure Coursing)とは、「ルアー(疑似餌)」と「コーシング(獲物を追いかける犬のゲーム)」を合わせたもので、ウサギに似せた疑似餌を犬たちが追いかけて捕獲するドッグスポーツです。海外では既に数百年の歴史があるコーシングは、非常に人気の高いドッグスポーツのひとつでもあります。
「サイトハウンド」とは
ジャパンケネルクラブでは全10のグループに犬種のタイプが分けられていますが、その中の第10グループに「SightHounds(サイトハウンド)」と呼ばれるグループがあります。
「視覚ハウンド」とも呼ばれるサイトハウンドの犬種達は、その優れた視力と、強靭な足腰で獲物を追跡し捕獲する仕事を与えられていた犬種達で、他のグループの犬種達と比べても、走力が群を抜いているのが特徴となります。
そんなサイトハウンドの犬種には、「ウィペット」や「ボルゾイ」といったお馴染みの犬種をはじめ、「サルーキ」「グレーハウンド」「イタリアン・グレーハウンド」「アフガン・ハウンド」「アイリッシュ・ウルフハウンド」といった犬種があげられます。
狩猟や競争犬として活躍した犬種たち
サイトハウンドの犬種達は、かつてはその足を活かした仕事に従事しており、ウィペットは競争犬として、ボルゾイはオオカミ刈りの猟犬として、アフガン・ハウンドはガゼルやヒョウを狩る猟犬や番犬として活躍していました。
その走る早さも凄まじいものがあり、グレイハウンドやサルーキに関しては全犬種の中でも最速となる、70kmオーバーものスピードで走ることができる犬も存在します。
サイトハウンドの犬種はこうしたスピードで走ることが出来ることから、かつては狩猟目的であった犬種に関しても、近年では世界各地で行われる様々なドッグレースで活躍するようになってきており、狩猟に従事するサイトハウンドの犬も少なくなってきています。
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ルアーコーシングの魅力
実際にルアーコーシングのゲームを見ないで想像だけで考えてみると、獲物を追いかけて捕まえるスポーツ?と思うかもしれませんが、実際に見てみるとそのスピードと迫力に魅了されることでしょう。
それもそのはず、ルアーコーシングを行うには毎日の練習だけではなく、犬の筋肉も鍛え上げられなければ、満足の行くトップスピードを出すことはできません。そのため、レースに参加する犬たちの体は、競走馬並に筋肉隆々、体もツヤツヤ・キレッキレの体をしています。
元から走ることに長けている犬種が多いですが、より鍛え上げることで、さらにスピードの出せる犬へと変わっていくのです。そんなサイトハウンド系の犬たちが本来持つ、本能を全開に出した時の迫力のスピードを目の当たりにできるドッグスポーツが、ルアーコーシングの魅力なのです。
小型犬でも参加しやすい競技
前項で触れたような、筋肉ムキムキのサイトハウンド系の犬たちが競うのは、実際にはルアーコーシングの頂上決戦での話で、こうした犬たちでなくとも気軽に参加できるのもルアーコーシングの魅力のひとつ。
他のアジリティー競技のように特別な施設も必要ないので、とにかく本能に従ってルアーを追いかけるのがルアーコーシングなので、普段からおもちゃやボール遊びが好きな犬であれば、ルアーコーシングもできるかもしれませんよ?
小型犬だけで競われるレースもありますので、犬種を問わずに参加できるのも、ルアーコーシングのよいところです。もちろん、優勝を狙うのであればサイトハウンド系の犬には敵いませんが・・色々な犬種でも楽しめることが大事です!
ルアーコーシングのルールや内容について
ルアーコーシングのコースは、団体やレベルによっても違います。100m前後のコースから、長いものでは900m程の距離で競い合われます。団体やレースによって違いがありますので、大会を目指すのであれば、それに応じた練習が必要になってくるでしょう。
また、単走でのレース、多頭レースなども様々です。このコースを、自動リールにつながれたルアーが巻き取られることで、ルアーが逃げる形となり、犬が全力で追いかけていくという形です。
ゲーム自体は足の早いサイトハウンド系の犬たちがやはり有利にはなりますが、団体によっては犬種は問わずというところもありますので、スピードやタイムにはこだわらず、ドッグスポーツを楽しんでみたい!と思っている犬ならば、基本的に参加OKなのでぜひ挑戦してみては?
ルアーコーシングの練習方法について
ルアーコーシングは「走る」のがメインの競技ですので、日頃からドッグランなどで走り回っている犬であれば問題はありませんが、あまり走らせる機会が無い場合には、ある程度体力を付けておくことが必要になるでしょう。
実際にルアーコーシングの練習を行なうとなると、それなりの距離と、怪我をしないように芝生である事もポイントになります。個人でこうした環境を作るのは難しいので、地区のルアーコーシングのチームに参加させてもらうのが良いでしょう。
また、ルアーコーシングのチームであればルアーも持っているはずですが、ルアー自体も揃えるとなると、走らせるスペースに加えて器具代も必要となります。まずは、チームを見つけることから初め、徐々に愛犬を練習させていくのがベストです。
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ルアーコーシングの大会について
ルアーコーシングの大会については、地域によっても変わります。大会に関しては年中行われてはいますが、炎天下の続く7月や8月は、地域によっては開催されていない場合もあります。1月〜5月、9月〜12月といった形が多いかもしれませんね。
また、関東圏での大会が多いように感じられますが、大会は全国各地でも行われていますので、まずはどのような形で大会が行われているかを見学に行ってみるのが良いでしょう。インターネットでも情報を集められますので、大会を検索してみてはいかがでしょうか。
また、大会に関しては芝生以外の場所でも行われますので、ある程度練習を重ねたら、徐々に土の感触にも慣れさせても良いでしょう。大事なのは怪我をしないことですので、あまりあせらずに大会に臨むようにしましょう。
ルアーコーシングで注意したい点とは
ルアーコーシングの大会などで注意しておきたい点があります。レース当日は犬の闘争本能や狩猟本能が全開になるため、犬たちが常に興奮状態になってしまいます。そのため、団体によっては鼻先を守り、噛むことを防ぐ「マズルガード」の装着を義務付けている所もあるようです。
こうした用具に日頃から慣れさせておくのも大事かもしれませんね。また、興奮状態にある犬たちがたくさんいるので、レース以外でのノーリードは絶対にやめましょう。これはレースに限らず、ノーリードが許されている場所以外では、いくら慣れているからと言っても気を付けましょう。
愛犬が興奮状態になったら、どのような状態になるかを把握しておくのも飼い主さんが把握しておかなくてはならないポイントでしょう。
まとめ
犬の本能を引き出すとてもシンプルなドッグスポーツですね。ドッグショーなどでの美しい犬たちとはまた違った、荒々しく走る犬たちの格好良い姿を見るのならば、このルアーコーシングが最適です!
また、うちの子足遅いけど・・と思っている飼い主&愛犬でも、参加することに意義があります。たくさん遊べるうちに、色々な体験をしてみるのもよいのではないでしょうか?きっと愛犬もイベントに参加して、飼い主さんとの楽しい時間を満喫してくれると思います!
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