猫の生命を維持するのに欠かせないアミノ酸の一つが「タウリン」と呼ばれるもので、タウリンが不足してしまうと、猫の命に関わる自体にもなります。今回はこのタウリンを摂取する理由と、タウリンを摂る際に気をつけたい事について調べてみましょう。

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猫の必須アミノ酸

人間には「必須アミノ酸」と呼ばれる、生命を維持するのに不可欠な9種類のアミノ酸があります。アミノ酸とは、食事から摂らなければならない栄養素のことですが、これらのアミノ酸は体内で合成される量が少なかったり、合成すらされない栄養素であるため、食事などから摂取する必要があります。

・トリプトファン
・ヒスチジン
・トレオニン
・フェニルアラニン
・リジン
・メチオニン
・バリン
・ロイシン
・イソロイシン

以上が人間にとっての必須アミノ酸ですが、猫の必須アミノ酸に関しては人間と同じというわけではありません。猫の場合、上記9種の必須アミノ酸に加え、「アルギニン」「タウリン」、計11種のアミノ酸が必要になります。

タンパク質について

アミノ酸は前項でも触れたとおり、食事から摂取する必要のある栄養素の事を言いますが、具体的には「タンパク質」を構成する為に必要となるものです。タンパク質はいくつかのアミノ酸が結合されて構成されているもので、この結合の違いによっては、違う種類のタンパク質となります。実際に猫がタンパク源を摂取し、消化される事で約22種類ものアミノ酸へと分解されます。

タンパク質は猫の体を健康に維持するために欠かせないもので、猫のエネルギー源となるものです。タンパク質を摂取するためには、肉や魚などから摂取することのできる「動物性タンパク」と、大豆や小麦などから摂取することのできる「植物性タンパク」の2つがありますが、元来、猫は完全な肉食の動物であるため、多くの動物性タンパク質を必要としています。

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「タウリン」とは?

人間用の栄養ドリンクでもお馴染みのタウリン。タウリン1000mgといった表記でもおなじみですよね。このタウリン、多くの動物性タンパク質から摂取することの出来るアミノ酸の一種ですが、厳密に言うとタウリンはタンパク質の結合とは関係のないアミノ酸でもあります。ではなぜ、猫にアミノ酸が必要なのでしょうか。

その答えの一つは、猫が体内でタウリンを合成できない為という事が言えますが、猫の体はタウリンが不足してしまうことで、猫の免疫機能の低下を招くこととなります。免疫機能が低下するということは、病気に対しての耐性もなくなり、また、成長や繁殖能力にも影響を及ぼす事となります。

このほか、網膜細胞の発達や維持に不可欠で、不足すると失明する恐れがあることや、心臓の健康維持にも非常に重要なアミノ酸で、不足すると拡張型心筋症等の病気を引き起こす要因にもなり、場合によっては命を落とす結果になるのです。

このように、タウリンは猫の健康維持というよりも、生命の維持には欠かせないアミノ酸の一種であるため、ほとんどのキャットフードにはタウリンが配合されているのです。肉食である猫は、このタウリンを生き物の肉から摂取しているため、多くの動物性タンパクが配合されているキャットフードが望ましいと考えられているのです。

キャットフードに含まれるタウリン含有量

AAFCOのデータによると、乾物あたりの含有量がドライフードで0.1%、ウェットフードで0.2%の含有量が推奨されており、これに基づくと4.5kgの猫であれば1日に約60〜80mgのタウリンが必要されています。

一昔前のキャットフードであれば、含有されているタウリンが少なすぎたため、キャットフードを食べているのにも関わらずタウリン欠乏症を起こすという事例もありました。これは、タウリンが熱に弱いという性質のため、製造過程でタウリンが破壊されてしまっていたためです。また、安価なキャットフードでは、タウリンを添加しているものも。

一方、比較的高価なキャットフードである「オリジン」の「6フィッシュキャット」の成分表記を確認すると、1度の食事で得られるタウリンは0.25%。AAFCOの推奨値を軽々とクリアしています。そこで気になるのがタウリンを過剰に摂取した場合の事です。

タウリンを過剰に摂取すると?

多くのタウリンを摂取するとどうなる?というのが欠乏に変わる心配ですが、タウリンを過剰に摂取しても尿として排泄されますので、過剰症の心配はありません。しかし、あまりに多量のタウリンを摂取することは、肥満の原因を作ることにも繋がります。タンパク質を多く摂取すると太るという事と同じです。

しっかりと運動を行ない、バランスの取れた食事を心がけていれば心配はありませんが、たくさんのタンパク質を摂取することは、それだけ多くのエネルギーを体内に溜め込むことと同じです。どこかでエネルギーを消費しなければ、エネルギー源は脂肪へと変わるのです。

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まとめ

現代のキャットフードであれば、安価なキャットフードでなければタウリン欠乏症を引き起こす可能性というのも低いものかと思います。しかしながら、愛猫の体に異変を感じるようなことがあれば、もしかするとタウリンが不足していることも考えられなくはないです。

キャットフードからも摂取はできますが、場合によってはサプリメント等からもタウリンを摂取させるようにし、タウリン不足にならないような食生活を送らせるようにしましょう。

※内容は2017年3月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。

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