猫には比較的珍しい症状でもある「胃拡張」と「胃捻転」。膨れ上がった胃が腸に絡まり、胃がねじれてしまう症状ですが、放おっておくと死に至る、非常に危険な症状でもあるのです。胃拡張や胃捻転にならないためにも、しっかりと内容を理解してみましょう。

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「胃捻転」と「胃拡張」について

胃にガスや食べ物で膨れ上がっている状態を「胃拡張」といいます。さらに、この状態で胃がねじれてしまう状態を「胃捻転(いねんてん)」と呼ぶのですが、症状がひどい場合には命に関わる場合がある、非常に危険な症状です。

これは、胃拡張や胃捻転によって臓器が圧迫されてしまい、他の臓器に血が回らなくなってしまうもので、早期発見・早期治療を施さなければいけません。食後の過度な運動によって引き起こされる場合もありますので、こうした最悪の事態に備え、どのような症状や原因があるのかを理解しておきましょう。

犬に比べて猫が発症する頻度は少ないですが、万が一のためにも、兆候が見られた時にすぐに対応できるように備えておきましょう。

初期症状となる胃拡張

命にかかわる事態になりかねない胃捻転。この胃捻転が起きる、初期症状として胃拡張の書状が見られる場合があります。「胃拡張胃捻転症候群」と呼ばれるこの状態は、胃の中でガスが異常に発酵してしまっている状態で、多くの空気を飲み込んだり食べ物を食べた後に起こります。

胃拡張の症状は、お腹が膨れてくることに加え、ゲップが増えたり息が荒くなり、よだれを垂らすといった症状が見られるようになります。これは吐きたくても吐けない状態にあるためで、非常に苦しい状況に陥っています。また、元気もなくなり、ショック症状を起こすこともあります。

胃捻転の症状

胃拡張が見られた後、今度は腸が胃を締め付けるようにねじれていきます。そのため、血管は圧迫され、胃の中も圧迫・滞留していき、やがて周辺の臓器にも影響を起こしはじめます。この場合、猫はお腹が非常に痛くなっており、触られるのを嫌がることでしょう。

胃の中では更に発酵が進んでしまうため、より胃が拡張していき、ますます臓器を圧迫し続けていきます。そのため、十分に血液が行き渡らなくなってしまい、やがて胃が壊死、心筋虚血をおこし、命を落とす結果となるのです。

胃拡張・胃捻転の原因となるものとは

胃拡張と胃捻転、これらの症状を発症する原因については、明確な答えがありません。犬にも言えますが、一般的には食後すぐに運動したり、暴れたことによって引き起こされると考えられていますが、お腹を開けるような手術をした後、事故などによって胃の位置がずれてしまっている場合、または胃炎などの胃の病気が引き起こす場合など、様々な要因が考えられるのです。

このように、はっきりとした原因はわからないものの、最低限予防ができるのは、食後すぐの運動は避けさせることです。食後はしばらくは落ち着いた状態を取れるようにし、同居猫などがいる場合には、特に気を付けるようにしましょう。

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胃捻転の治療について

前述の通り、胃捻転をすぐに処置しなければ、命を落とす結果となってしまいます。まずは早期発見・早期治療が基本となりますが、実際に治療を施す場合には、外科手術が行われるでしょう。

まずは胃拡張を抑えるため、胃の中のガスを抜くことが行われます。実際に外科手術となると、全身麻酔をかけなければいけなくなるので、猫の体調や年齢も、外科手術を行えるかどうか検討することになるでしょう。
また、胃捻転は再発する可能性も高いため、胃を固定したり、胃の一部を切除するといった手術も行われます。

胃拡張・胃捻転を予防するために

胃拡張や胃捻転を防ぐ一番の方法は、食後の激しい運動をやめさせることです。人間でも、食後すぐに走り回ったり、水を飲んだ後に走り回ったりすると、横腹が痛くなることがあると思います。横隔膜が圧迫されるために、このような症状が現れますが、猫も食後に走り回ってしまうことで、胃が動き回ってしまい、腸に絡まってしまうのです。

こうした状況を避けるためにも、食後の激しい運動は辞めさせ、安静にさせることに加え、早食いをする子であれば、早く食いもやめさせるようにしましょう。早く食いを防止する食器も販売されていますので、こうした場合には検討してみたほうが良いかもしれません。

病状を重くさせるのは胃捻転ではありますが、まずは、根本の原因となる、胃拡張にならせないような工夫が必要です。多頭飼育であれば、他の猫が食べ終わったあとに、遊びを焚き付けたりと言った場面もあるでしょう。しかし、こうした行動も、時には危険な状況に陥る場合もあるのです。

食後しばらくはおとなしくさせるようにし、時間を十分に置いてから遊ばせるような環境創りを目指しましょう。また、症状が確認されば場合には、すぐに病院に連れていくようにすることも大事です。一歩間違えば、命を落としてしまいますので、できるだけ早く発見できるようにし、治療をおこなえるようにしましょう。

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