人間でもよく耳にする「肝臓」の病気。猫にも肝臓の病気があれば、肝硬変にだってなってしまうのです。生命を維持するのに必要な肝臓を守るため、日頃からの食事の管理や、病気にならないための知識が必要になるでしょう。今回は肝炎について解説していきます。

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肝臓の働きについて

猫の体に必要不可欠な「肝臓」。肝臓は、体を正常に保つために様々な役割を果たしている臓器の一つです。その働きは、数百にも及ぶ機能を果たしており、まさに生命線となる臓器の一つでもあるのです。

具体的には、食べ物から取り入れたエネルギー源を貯蔵し、ブドウ糖に変えたり、栄養素を他の臓器に合った形へと作り変え、血液に送り出すといった働きをします。また、体内に入ってきた毒素を分解するといった事や、消化を助けるために胆汁を分泌したりと、その働きは様々な部位に影響を与えています。

また、肝臓は再生能力が高い臓器としても知られており、少々のダメージでは症状も現れにくいために、病気の発見も遅れてしまいがちなのです。

肝炎の初期症状について

一言で肝炎と言っても、ウイルス・細菌が原因となる「肉芽腫性肝炎」や、肝臓内に細菌が感染してしまう「化膿性肝炎」など、実は様々な肝臓の病気があります。しかし、いずれの症状も初期の段階や軽度の状態では、病気が把握しにくいために、ほとんどが無症状であったり、気が付かない場合が多いのです。

前項でも触れましたが、肝臓が再生し、体に症状が現れにくいために、こうした状況になるわけですが、いざというときのために、どのような症状が出たら危険かという事を把握しておく必要があります。
再生能力が強いとはいえ、肝臓の病気を発症してしまったら、症状の進行具合によっては命の危険も伴う事態があるのです。

肝炎が悪化することで変わる症状

このように、初期症状では発見しにくい肝炎ですが、次第に病状が悪化していくと、元気がなくなってきたり、食欲が低下したりしてきます。また、下痢や嘔吐といった症状も現れ始めるでしょう。

肝炎には急性のものと慢性のものがあり、急性の肝炎では黄疸や尿の色が濃くなったりといった症状も見られます。また、腹水も発症する場合があるでしょう。こういった悪化していく症状は、やがて「肝硬変」へと向かっていきます。

肝硬変とは、肝臓の細胞が壊死してしまい、肝臓が硬く腫れてしまう状態で、肝臓の病気としては、末期症状となります。肝硬変は、慢性的に炎症が起こることで「繊維組織」が増殖してしまい、固く変質させてしまうことで肝硬変となります。

肝炎の治療について

肝炎の治療には、まずは原因となる病気の治療が最優先に取られます。また、同時に「強肝剤」などを投与し、症状の進行と体力の維持を促します。肝臓の病気は長期戦になるため、定期的な診察が必要になるでしょう。

また、化膿性肝炎である場合には、肝臓内に膿が溜まり続けてしまうため、外科手術によって膿を取り除くか、カテーテルを設置して、すぐに膿を取り出せるようにするといった処置が施されます。

肝硬変まで進行してしまっている場合には、非常に状態は厳しく、支持療法を呼ばれる、症状をできるだけ軽くする方法がとられるだけとなるでしょう。発見が遅れてしまうことで、このような取り返しのつかない状態になってしまいますので、非常に注意が必要な病気でもあるのです。

肝臓の病気を予防するために

肝臓の病気にならないためには、何よりも食事の管理が重要になるでしょう。体にとって重要な役割を果たす肝臓へ、効率よくバランスの取れた栄養を提供する必要があるため、毎日の食事には細心の注意を払いましょう。

肝臓は、ダメージを受けてしまうと、肝細胞を再生させるために「タンパク質」を必要とします。しかし、やみくもにタンパク質を与えてしまっては、逆に「高アンモニア血症」を発症してしまうリスクが出てくるのです。こうしたバランスを均等に保つため、しっかりと計算されたフードを与える必要があります。

また、消化に良いご飯を与えることも大事になってきます。1日の摂取量を、普段与えている回数よりも、さらに小分けにして回数を増やし、1回の食事量を減らすことで消化を減らしてあげるといった事も必要になるでしょう。

そして、なにより、細菌感染などの病気を発症して肝炎にならないように、必要不可欠なワクチンは摂取するようにしましょう。それだけで感染のリスクは減らせますので、検査も受けつつ、こうした予防策を取るようにしましょう。

日頃から食事のバランスに気をつけましょう

このように、栄養バランスがどちらかに偏ってしまうと、また別の病気を併発しかねません。非常に難しいのがこの栄養のバランスや、カロリーバランスです。こうしたバランスを均等に保つために、日頃から間食ばかりあたえてはいけません。
キャットフードなどは、こうした栄養バランスを考えて作られていますので、間食を与えてしまうことによって、栄養バランスが傾いてしまうのです。

また、人間が食べる物を猫に与えることも、非常に危険です。猫は人とは、必要な栄養バランスも違えば、必要なカロリーも違います。人間の食べ物は高カロリーである場合が多いので、猫の体には命取りとなります。

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