近年ではグレインフリーという穀物不使用のドッグフードが店頭に並べられる事が増えてきました。人間では米などの炭水化物は3大栄養素の一つにもなり、エネルギーを作る為に必要な食材として知られていますが、犬にとって穀物は必要ないものなのでしょうか。

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犬の祖先であるオオカミの食事情とは

そもそも、犬の祖先であるオオカミは、牛や鹿などの草食動物や、ウサギやネズミなどの小動物を捕食して生きてきました。であれば、犬に穀物は必要ないのでは?と思ってしまいますよね。しかし、オオカミは草食動物や小動物を食べる際、お肉の部分だけを食べていたかと言うと、そうでもないのです。実は、内臓や骨までも食べることで、お肉だけでは補えない栄養素を補っていたと考えられています。

草食動物や小動物は、草や果物の他、穀物も食していましたが、胃や腸などの内臓の中には、これらのような植物成分が残っていたため、それを食すことで、自然とお肉類のタンパク質だけでなく、野菜や穀物などの栄養素をバランス良く摂取できていたのです。

穀物のデメリットについて

ということは、穀物は犬にとって絶対必要?!なのかと思えば、程々なら問題ないという程度です。実は、オオカミは草食動物の1/3くらいの消化管しか持ち合わせていないので、穀物を消化することが苦手だと言われています。そのため、肉類は消化するのに4時間ほどかかりますが、穀物類では16時間以上もかかってしまいます。

確かに、それだけ消化に時間がかかるということは、腹持ちを良くするというメリットもありますので、ダイエットをするには、最高の食材かもしれません。しかし、消化が上手にできないということは、当然、消化器系にも負担がかかってしまうでしょう。犬によっては、消化器系が弱い子は、穀物を大量に含んだドッグフードを食べることで、嘔吐や下痢を起こしてしまうこともあります。

また、近年では、小麦やトウモロコシ、大豆などの穀物にアレルギー反応を引き起こしてしまう子も多く、皮膚のトラブルや目ヤニ、涙やけの原因にもなります。中でも、ドッグフードに用いられることが多い小麦に関しては、犬にとって最もアレルギー性が高く、消化吸収も悪いと言われています。小麦はグルテンの含有量が高いため、小麦グルテンを消化するための消化酵素を持ち合わせていない犬にとっては、必要のない食材だと考えられています。

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ドッグフードに穀物が使用される理由とは

では、何故ドッグフードに穀物が使用されるのでしょうか。確かに、少量の穀物を摂取することで満腹感が得られるので、ダイエットには効果があるのかもしれません。また、肝臓や腎臓、膵臓などに疾患を抱えている子は、動物性タンパク質の摂取量を控える必要がありますので、穀物などの食材がメインとなる場合もあります。

しかし、穀物を使用する多くの場合は、ドッグフードの量のかさ増しで利用されているのです。穀物を大量に用いることで、肉類の使用量を大幅に減らし、原材料費を抑えることができます。そのため、安価なドッグフードの原材料を見ると、第一主原料から第三主原料まで穀物であったり、粗悪な肉類が使用されていたり、合成添加物がわんさか入っていることもあります。このようなドッグフードを毎日食べることで、愛犬の健康が損なわれる・・ということにもなりかねません。

グルテンフリーな穀物

そんな敬遠されがちな穀物ですが、実は、グルテンフリーな穀物があります。最近では、スーパーフードとして注目されてきている「キヌア」。ヒエ科アカザ亜科アカザ属の高栄養穀物で、NASAが宇宙食として研究を始めたことでも知られています。

キヌアは、ミネラルや必須アミノ酸を豊富に含んでいる低GI食材で、血糖値の上昇を抑制したり、体重管理が必要な子にはお勧めです。もちろん、グルテンフリーなので、アレルギーを起こしやすい子にもお勧めできる穀物です。

キヌアを使ったドッグフードとは

実は、この注目のスーパーフード、キヌアを使用したドッグフードがあります。タンパク質と炭水化物にこだわったスペシャルフード「ピナクル」。ピナクルは、小麦や米、大豆やトウモロコシなど多くの炭水化物に含まれる、アレルギーを起こしやすいグルテンを極力含まない炭水化物を厳選してドッグフードを作っています。

また、栄養価が高く、消化吸収に優れている「チキン」、皮膚や被毛の健康に必要な不飽和脂肪酸や、脳を活性化させるDHAやEPAが多く含まれる「トラウト」や「サーモン」、不飽和脂肪酸を多く含み、コレステロールを低下させる「ダック」、消化に優しく、風味豊かな「ターキー」の5種類の異なる原材料を用いることで、アレルギーフリーを目指しています。

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まとめ

タイトルにもある、「犬にとって穀物は必要なのか」ということですが、先述したように、犬にとって穀物は消化に時間がかかるため、腹持ちが良くなるというメリットもあり、ダイエット目的で使用されるのは良いでしょう。

しかし、穀物類は消化器系に負担がかかってしまうことがあるため、大量に穀物が使用されたドッグフードはお勧めしません。ダイエットを目的にするとしても、第一・第二主原料くらいはタンパク質源である新鮮な肉類や魚類を使用したドッグフードを選ぶのが良いでしょう。

※内容は2017年4月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。

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