「ターキッシュアンゴラ」は、猫の一種であり、外見とは裏腹にやんちゃな一面を持っています。このように猫の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、猫を飼う上では特徴を理解することが必要になります。今回は、「ターキッシュアンゴラ」についてチェックしてみましょう。

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ターキッシュアンゴラとは

シルクのような美しい被毛を持ち、近寄りがたい高貴な外見とは裏腹に、実際はやんちゃで遊び好きなターキッシュアンゴラは、束縛を嫌い、自由を好む猫らしい猫です。
トルコ国内では、今も尚、その美しい容姿を持つターキッシュアンゴラを、「生きる国宝」と呼び、重宝しているようです。

それでは、今回はターキッシュアンゴラについて、ルーツや性格など解説していきましょう。

ターキッシュアンゴラのルーツ

ターキッシュアンゴラのルーツはとても古く、様々な猫種に血を分けたことで知られる、古い歴史を持つペルシャの祖先であるとも考えられています。ターキッシュアンゴラは、1600年代の中央アジアに生息していた「マヌルネコ」が祖先で、アンゴラ(現在のトルコ)で進化されていったと古い記録に残されています。

その美しい被毛を持つターキッシュアンゴラはたちまち人気を博し、その後ヨーロッパに持ち込まれてからは、貴族や上流階級の人たちから寵愛を受け、中世フランスではルイ15世や、マリーアントワネットから愛されたことで知られています。

1800年代に入ると、ヨーロッパでは犬の「短吻種ブーム」に沸きますが、これは猫も例外ではなく、ペルシャのような鼻が短い猫を作出することに躍起になっていた時代がありました。そのため、ペルシャを改良するため、ターキッシュアンゴラとペルシャの交配が重ねられることで、純粋なターキッシュアンゴラの存続が危機的状況に陥ってしまったのです。

しかし、原産国であるトルコでは、この状況を危惧し、首都のアンカラにある動物園で、ターキッシュアンゴラの保存活動が進められました。その後、1900年代中頃、この動物園を訪れたアメリカ軍人がきっかけとなってアメリカへ持ち込まれ、計画的な繁殖が繰り返され、1968年に世界最大の猫血統登録団体「CFA」に登録されました。

ターキッシュアンゴラの性格

見た目はクールで優雅な容姿を持つターキッシュアンゴラですが、活発で遊び好きな面も持ち合わせています。また、賢くて順応性が高いので、しつけに困ることはないでしょう。どんなことも覚えてしまいますが、イタズラなども早く覚えて遊びに変えてしまうところもあります。

ターキッシュアンゴラは、家族みんなに愛されるよりも、一人の飼い主さんを独占しようとするところがあります。かと言って、飼い主さんにベタベタするするわけでもなく、抱っこもあまり好きではないようです。気ままで自由奔放な猫らしい猫です。

ターキッシュアンゴラは神経質なところがあるため、賑やかな環境や狭いスペースに閉じ込められるとストレスがかかってしまうようです。また、多頭飼いにも向きませんので、ターキッシュアンゴラを飼育する場合は、単独飼いで自由に過ごせる環境を作った方が良いでしょう。どうしても多頭飼いになってしまった場合は、ターキッシュアンゴラを尊重し、他の猫より優先してあげると問題ないようです。お姫様扱いしてあげましょう。

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ターキッシュアンゴラの被毛

ターキッシュアンゴラの被毛は、「シングルコート」と呼ばれる、アンダーコート(下毛)を持たない被毛で覆われており、他の猫種と違って毛玉が付きにくいので、簡単なお手入れで問題ありません。1~2日に1回、軽くブラッシングをかけてあげる程度で良いでしょう。

ターキッシュアンゴラの被毛のカラーは、「ホワイト」「ブラック」「レッド」「ブルー」「クリーム」の「ソリッド」や「タビー」、「キャリコ」や「スモーク」、「バイカラー」など、バラエティに富んでいます。しかし、「ラベンダー」「チョコレート」「ポイント」は認められていません。

ターキッシュアンゴラがかかりやすい病気

【運動失調症】
運動失調症とは、別名「ataxia」とも呼ばれ、運動機能を担う小脳に異常が起きる脳の病気で、ターキッシュアンゴラに発症しやすいと言われています。フラフラ歩いたり、真っ直ぐ歩けない、眼球が震えている、距離感が掴めず、食器を口に持って行けないなどという症状があります。

残念ながら、先天性疾患のため、この病気に対する予防法や治療法がなく、発症した場合、成猫になる前に命を落としてしまう怖い病気です。

【肥大型心筋症】
心臓の筋肉が内側へ向かって厚くなり、心室が狭くなってしまうことで、全身に十分な血液を送ることができなくなる病気です。そのため、体はバランスを取るために心拍数や血圧を上げるようになります。

初期の症状は、すぐに疲れてしまったり、じっとしていることが増えたり、少しの運動でも息切れするなど、猫の老化と間違われることが多いため、なかなか初期の発見は難しいと言われています。そして進行すると、肺水腫や胸水を引き起こしたり、血管や心臓の中で血液が固まる血栓症になり、最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。

この他に、稀に毛色が白で、目の色が左右違う「オッドアイ」と呼ばれる目を持つターキッシュアンゴラがおり、「宝石のようなきらめき」だと重宝されていますが、瞳のメラニン生成を阻害する遺伝子が、耳の器官形成を阻害するため、たまに聴覚障害を発症する場合があります。

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ターキッシュアンゴラと暮らすために

ターキッシュアンゴラは、優雅な見た目と違って遊び好きで、運動量がやや多いため、上下運動ができるようなキャットタワーなどを置いてあげると良いでしょう。また、飼い主さんと一緒に楽しむことを好みますので、スキンシップも兼ねて、「猫じゃらし」や「ボール」などで遊んであげるととても喜びます。

ターキッシュアンゴラの筋肉質の体型を維持するためにも、高タンパク、高カロリーのフードを選び、よく運動させることが必要となります。しかし、運動不足や老化になり、高タンパク、高カロリーの食事をそのまま摂っていると肥満になることもありますので、愛猫に合った食事の選び方が大切です。

ターキッシュアンゴラは、とても好奇心旺盛で冒険心が強いので、外の世界へ出ると興味のあるものばかりで、楽しくなってしまい、気が付いたら迷子になってしまうということもあります。そうなってしまうと、一人では帰って来られませんので、外へ出さないようにする必要があります。また、賢いところもあり、自分でドアや窓を開けてしまうこともありますので、必ず戸締まりはしっかりしましょう。

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