「デボンレックス」という猫種の特徴はどのようなものでしょうか?猫には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、猫を飼う上では猫の種別に特徴を理解することが必要になります。今回は、猫種の一つ「デボンレックス」の特徴についてチェックしてみましょう。

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デボンレックスとは

普通の猫はストレスがかかると尻尾を振りますが、デボンレックスは、気分が良い時や嬉しい時に尻尾を振るようです。まるで犬のような猫ですよね。また、カールされた被毛を持つことと、他の猫種と比べても、抜け毛が少ないシングルコートの被毛を持つことから、「プードルキャット」とも呼ばれています。

それでは、今回はカールされた巻き毛が特徴的なデボンレックスについて、ルーツや性格など解説していきましょう。

デボンレックスのルーツ


デボンレックスのルーツは比較的新しく、1960年にイギリスのデボン州に住むベリル・コックスという女性が、近所で見つけた巻き毛のオス猫を発見したことが始まりでした。そこで、そのオス猫とベリル・コックスが飼育していたメス猫を掛け合わせたところ、1匹だけ巻き毛の被毛を持った子猫が生まれたのです。この子猫は「カーリー」と名付けられ、後のデボンレックスの祖先となりました。

翌年、ベリル・コックスは、デボン州の隣の州のコーンウォール州で、突然変異によって生まれた「コーニッシュレックス」という巻き毛の猫の存在を知り、カーリーと同じ種類なのではないかと考え、カーリーとコーンウォールに住むコーニッシュレックスを掛け合わせたところ、全て直毛の子猫が生まれました。このことから、カーリーとコーニッシュレックスは別の遺伝子を持つことが判明しました。

その後、コーニッシュレックスと同様、遺伝子学者の助言をもらいながら、カーリーを基礎にして近親交配が繰り返され、他の猫種とも慎重に交配が重ねられるなどの計画繁殖が始まり、現在のような姿になったと言われています。

イギリスの猫血統登録団体「GCCF」では、こうした経緯が早くに認知されており、早々の1960年代にデボンレックスの登録が行われましたが、アメリカではしばらくの間、デボンレックスとコーニッシュレックスが同じ猫種と扱われており、1979年になってようやく、アメリカの猫血統登録団体「CFA」で登録されるようになりました。

デボンレックスの特徴とは?

デボンレックスの最大の特徴となるのは、その可愛らしい巻き毛が挙げられますが、その愛らしい性格もデボンレックスの特徴となっています。猫はツンデレの性格が多い印象がありますが、デボンレックスは前述の通り「プードルキャット」と呼ばれるとおりに犬のような性格をしています。

尻尾を振るという行動は、猫ではそうそう見られる行動ではありませんので、じゃれあったりコミュニケーションを取り合うのが好きな飼い主さんには、おすすめの猫ではないでしょうか。

また、頭の良さも際立っており、遊びにしても生活を送るにしても色々と悩まされることもありそうですが、気がつけば理解していい子にしているといった雰囲気にかわる猫でもあります。

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デボンレックスと「スフィンクス」の関係


デボンレックスは巻き毛の猫ですが、無毛の猫で知られる「スフィンクス」も、じつはデボンレックスと意外な関係と共通点がある猫なんです。

デボンレックスは偶然発見された、いわば野良猫でしたが、スフィンクスも同じく偶然発見された野良猫でした。カナダで発見されたスフィンクスは、その後品種の一定化を図りますが、なかなか上手くはいかず、様々な品種と交配させても同じようにスフィンクスを誕生させることができませんでした。

そこで試されたのがデボンレックスでした。デボンレックスとスフィンクスを交配させることにより、スフィンクスは一品種として一定化させる事に成功したのでした。現在においては遺伝的な問題もあり、デボンレックスとの交配はタブーとされていますが、デボンレックスとスフィンクスの意外な関係があったのでした。

デボンレックスの性格

とても活発で好奇心旺盛なデボンレックスは、とにかく遊ぶことが大好きです。部屋中を走り回ったり、高いところに登ったり、飛んだり、ぶら下がってみたり・・・。また、興奮すると、度が過ぎることがあり、おもちゃを破壊したり、カーテンやカーペットをボロボロにすることもあります。デボンレックスが若いうちは、家具を新調するのはやめた方が良さそうですね。

デボンレックスは、とても賢くて順応性が高く、新しい環境にもすぐに慣れ、物事を教えてもすぐに覚えてしまうので、しつけに困ることはないでしょう。ただ、どんなことも覚えてしまいますが、イタズラなども早く覚えて、遊びに変えてしまうところもありますので、幼少期から良いことと、悪いことを覚えさせる必要があるでしょう。

とても愛情深く、甘えん坊なところを持ち合わせているデボンレックスは、信頼できる飼い主さんがいると、その人にぴったり寄り添い、ゴロゴロ言いながら膝の上に乗ってきたり、気を引こうとアピールしてきます。そんな姿を見せられたら、どんなイタズラをされても許してしまいそうですね。また、こんなおてんばなデボンレックスですが、意外にも声が小さいので、マンションや集合住宅での飼育にも向いているようです。

デボンレックスの被毛

デボンレックスは、アンダーコート(下毛)のみの「シングルコート」という、被毛で覆われています。この被毛は、コーニッシュレックスの被毛と比べるとカールが緩く、手触りはビロードに柔らかい子が多いですが、中には、プードルのように毛むくじゃらのデボンレックスもいるようです。

また、デボンレックスは、他の猫種と比べても抜け毛が少ないので、猫アレルギーを持っている方でもアレルギーを発症しにくいため、飼育しやすいと言われていますが、100%の確立でアレルギーを発症しないというわけではないので注意しましょう。

デボンレックスは、様々な毛色の模様のパターンが「ソリッドカラー」や「タビーカラー」、「パーティカラー」や「ポイントカラー」などあり、全てのカラーが認められています。

デボンレックスの体重はどのくらい?


デボンレックスはやや小型の猫で、体重は2.5kg〜5kgほどになっています。また、ボディタイプは「セミ・フォーリンタイプ」となっており、同じセミ・フォーリンタイプの猫には「アメリカンカール」や「トンキニーズ」といった猫が挙げられます。

セミ・フォーリンタイプの特徴としては、くさび形の顔立ちと大きな耳、大きな目が特徴となります。小型の猫ですので、家庭内で飼育する際にも向いている猫でもあります。

体の小ささや抜け毛の少なさ、猫アレルギーになりにくいといわれる品種、そして愛らしい性格と、ペットとしては非常に安定した要素を持つデボンレックス。同居犬がいても仲良く出来る性格ですので、今後は人気が上がってくる可能性も高い猫です。

デボンレックスがかかりやすい病気

【膝蓋骨脱臼】
膝蓋骨脱臼とは、膝関節のお皿にあたる「膝蓋骨」が、正常ではない場所へ外れてしまう病気です。膝蓋骨脱臼を発症すると、足をひきずって歩く、スネが腫れる、痛みが伴うので、患部を触られることを嫌がるようになるというような症状が起こります。

初期の症状は軽症な場合が多いのですが、放っておくと、骨や靭帯に影響が及び、悪化して歩けなくなりますので、早期発見・早期治療が望まれます。肥満になると膝に負担をかけますので、日頃から体重管理に注意しましょう。

【肥大型心筋症】
肥大型心筋症とは、心臓の筋肉が内側へ向かって厚くなり、心室が狭くなってしまうことで、全身に十分な血液を送ることができなくなる病気です。そのため、体はバランスを取るために心拍数や血圧を上げるようになります。

初期の症状は、すぐに疲れてしまったり、じっとしていることが増えたり、少しの運動でも息切れするなど、猫の老化と間違われることが多いため、なかなか初期の発見は難しいと言われています。そして進行すると、肺水腫や胸水を引き起こしたり、血管や心臓の中で血液が固まる血栓症になり、最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。

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デボンレックスのブリーダー

デボンレックスはまだまだ日本では珍しい部類に入る品種の猫です。そのため、ペットショップで見かける機会も少ないのですが、ブリーダーに関しては存在していますので、全く手に入らない品種ではありません。

主にインターネット販売が中心となりそうですが、しっかりと信頼のおけるブリーダーから迎え入れるようにしましょう。デボンレックスのような珍しい品種ですと、相談したい時になかなか相談できないと困ってしまいます。

デボンレックスについて詳しいブリーダーさんや、コミュニティを見つけると良いかもしれませんね。こうした相談はペットショップではなかなか難しいですので、ブリーダーから迎え入れるメリットと言えます。しっかりとチェックを行い、信頼のおけるブリーダーさんを見つけましょう。

デボンレックスの価格はどのくらい?

デボンレックスの価格に関しては、まだ安定しているわけではありませんので、おおよそ20万円前後が基本となりそうです。人気が出たり、様々なブリーダーが参入してくると付加価値が付いた個体などを作出しはじめますので、価格は高騰する傾向にあります。

デボンレックスに関しては、まだそこまで参入の進んでいる品種ではなさそうですので、ブリーダーさんに関しても多くは信頼できるところでしょう。

また、デボンレックスの病気について詳しくなることや、デボンレックスを診断できる動物病院を調べておくのもおすすめです。まだまだ珍しい品種ですので、なるべくであればデボンレックスを診断したことのある先生に頼みたいところ。いくつか動物病院を回って決めるのも大事かもしれません。

デボンレックスと暮らすために

とても活発で、遊び好きなデボンレックスは、体は小さいものの、運動量がやや多いため、上下運動ができるようなキャットタワーは必須アイテムです。また、飼い主さんや家族と一緒に楽しむことを好みますので、スキンシップも兼ねて、「猫じゃらし」や「ボール」などで遊んであげるととても喜びます。基本的には一人で遊ぶことも得意ですが、何よりも飼い主さんと共に過ごすことが好きなので、愛猫と過ごす時間を積極的に作ってあげましょう。

また、デボンレックスは、とても甘えん坊で寂しがり屋な性格なので、できれば飼い主さんの愛情を独占できる環境が望ましいですが、やむを得ず、長時間の留守番をさせることが多い家庭では、多頭飼いを検討した方が良いかもしれません。しかし、少し神経質なところも持ち合わせていますので、多頭飼いをする場合は、新人さんを迎え入れても、焼きもちを焼かないように、デボンレックスを優先してあげるなどの配慮が必要です。

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