猫の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、猫を飼う上では猫の種別に特徴を理解することが必要になります。今回は猫種の一つ「シャム(サイアミーズ)」についてチェックしてみましょう。

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シャム(サイアミーズ)とは

シャムは「サイアミーズ」とも呼ばれ、猫の歴史でも古くから存在する猫種です。

スレンダーな体に引き締まった筋肉、アーモンド型の大きく青い目のシャムは、まさに「異国」を感じさせる猫です。日本に渡ってきたのは明治の中頃で、日本でも純血猫の代表的な猫として、昔から良く知られています。

シャム(サイアミーズ)のルーツ

シャムは、アユタヤ朝時代(西暦13501767年)の古書である「キャット・ブック・ポエムズ」にも登場する、古くからタイに存在する猫であると考えられおり、当時は、門外不出の猫として、王室や寺院で飼育されていたようです。

このシャムがヨーロッパへ渡ったのは、1884年にタイのイギリス総領事館に勤めていたゴールド氏が、イギリスへ帰国する際、タイ王室からつがいのシャムを送られたことがきっかけとなっています。その翌年の1885年、このシャムはイギリスで行われたキャットショーで賞を総なめにしました。それと同じ頃、バンコクのアメリカ領事からアメリカのヘイズ大統領へプレゼントした猫が、最初にアメリカに持ち込まれたシャムであると言われています。こうして、シャムは世界中に広く知れ渡ることとなりました。

20世紀に入り、世界大戦などの煽りを受け、シャムは絶滅の危機に陥ります。戦後、そのシャムを復活させようと交配が行われ、この交配により、V字型の頭と細身の体を持つ「モダンスタイル」、顔が丸めの「トラッドスタイル」、その中間の姿である「クラシックスタイル」の、3タイプのシャムが誕生しました。

「シャム」という名前の由来は、タイ(旧シャム王朝)から付けられています。しかし、シャムと呼んいでるのは日本だけで、海外では、「サイアミーズ」と呼ばれており、これは、シャムを英語表記して「siam(サイアム)」と記述することからと言われています。

シャム(サイアミーズ)の性格

活発で好奇心旺盛なシャムは、とにかく遊ぶことが大好きです。部屋中を走り回ったり、高いところに登ったり、飛んだり、ぶら下がってみたり・・・。ずーっと遊んでます。周りから見ると、落ち着かない猫と思われることも多々あるでしょう。

シャムの性格は、「ワガママ」「自己中」「ツンデレ」ですが、これがシャムならではの可愛いところでもあるのです。また、自己顕示欲が強いので、他のペットとの飼育も可能ですが、自分が一番でないと気が済まないというところもあります。

こんなシャムですが、とても愛情深く、甘えん坊なところも持ち合わせており、信頼できる飼い主さんがいると、その人にぴったり寄り添い、ゴロゴロ言いながら甘えてきます。そんな姿を見せられたら、どんないたずらをされても許してしまいそうですね。

シャム(サイアミーズ)の被毛

シャムの被毛は、とても短く、細くて光沢があり、シルクのような肌触りです。
被毛の手入れは比較的楽で、スキンシップも兼ねて、1日1回ブラッシングをしてあげるのが良いでしょう。

シャムは、ほぼ真っ白かクリーム色の被毛で生まれてきますが、成長とともに、顔や耳、四肢や尻尾などに濃い色が入り、他の部分は薄い色になるという、シャムの特徴である「ポイント」が現れます。
シャムの被毛のカラーは、「シールポイント」「ブルーポイント」「チョコレートポイント」「ライラックポイント」があります。

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シャム(サイアミーズ)がかかりやすい病気

【進行性網膜萎縮】
網膜が萎縮して正常に働かなくなる遺伝子の病気です。まず、視力が低下して夜に目が見えなくなり、そのうち日中も見えなくなり、最終的には失明します。
動く物を目で追いきれなかったり、おもちゃで上手に遊べなくなったり、急に触れようとすると驚いたり、怯えたりなどというような症状があります。

他にも、緑内障や流涙症など、あらゆる眼科疾患にかかりやすいと言われているので、日頃から少しの変化にも注意して観察しましょう。

【慢性腎不全】
老化や、腎疾患、泌尿器疾患、感染症によって腎臓の機能が徐々に低下して、やがては正常に動かなくなるという腎臓の病気です。また、シャムは遺伝的に慢性腎不全になりやすい猫種でもあります。

症状は、多飲多尿、食欲の低下などから始まり、進行すると、嘔吐や貧血、毛艶が悪くなる、体重が減るというような症状に陥り、最悪の場合は、尿毒症を引き起こして命を落とすこともあります。日頃から愛猫をよく観察すること、また、年に1回の健康診断を受けることをお勧めします。

シャム(サイアミーズ)と暮らすために

シャムは、体は小さいのですが、運動量はかなり多く、全猫種の中ではトップクラスと言われています。ケージに入れっぱなしなど、狭い場所にいるとストレスが溜まりますので、背の高いキャットタワーなどを置いてあげると良いでしょう。シャムは、飼い主さんと遊ぶことが好きなので、スキンシップも兼ねて、たくさん遊んであげましょう。

また、シャムは小さい体の割に声が太く、よく鳴き、発情中は特に声が大きくうるさいため、近所迷惑になることがあります。繁殖の予定が無いのであれば、若いうちに去勢・避妊をすることを視野に入れることも考えた方が良いかもしれません。

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