猫の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、猫を飼う上では猫の種別に特徴を理解することが必要になります。今回は猫種の一つ「ソマリ」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

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ソマリとは

ソマリといえば、しなやかで筋肉質な体とゴールドに光り輝くゴージャスな長い被毛で覆われ、狐のようなフサフサの尻尾。細い足でつま先立ちをするエレガントな立ち姿は「バレエキャット」と呼ばれており、とても繊細で美しく鳴く声は「まるで鈴を転がしたよう」とも言われています。

また、優雅で野性的である外見とは裏腹に、とてつもなく愛情深く甘えん坊さんです。いつでもどこでもスリスリしてくるソマリなので、思いっきり愛情を注ぎたい人にはピッタリの猫であると言えるでしょう。

ソマリのルーツと「アビシニアン」


ソマリは、短毛種であるアビシニアンから突然変異で稀に生まれる長毛のアビシニアンを交配させて誕生した猫です。

1940年代、イギリスのブリーダーである「ジャネット・ロバートソン」が、アビシニアンを北アメリカ・オーストラリア・ニュージーランドなどに輸出していたのですが、長毛のアビシニアンはこれらのアビシニアンが基礎となって生まれたものと考えられています。

1963年にカナダの血統登録団体「CCA」主催のキャットショーに登場した長毛のアビシニアンに、審査員のケン・マックギルがその美しさに惚れ込んだことで、計画的に繁殖が始まったと言われています。その後の1978年、長毛のアビシニアンとしてではなくソマリとして、アメリカの猫登録団体「CFA」で正式に公認されました。

「ソマリ」という名前のルーツ

「ソマリ」という名前は、アビシニアンがアビシニア(現在のエチオピア)から名付けられたので、隣国アフリカの「ソマリア」から来ていますが、「ソマリ」と「ソマリア」は全く関係はありません。

アビシニアンの原産国には諸説あり、イギリスとアビシニアの戦争ののち、イギリスへと持ち込まれた猫がアビシニアンであったと言う説と、持ち込まれた猫とイギリスを原産国とするブリティッシュ・ショートヘアーと交配させることで、アビシニアンが誕生したという説があるのです。

ソマリの名もエチオピアの説に基づいて付けられたかは定かではありませんが、非常に古い歴史を持つアビシニアンですので、ソマリもそれに近い場所の名で呼ばれるようになったのでしょう。

ソマリの性格

ソマリは、「犬」のようなところがあると言われており、遊び好きで運動神経抜群、人とコミュニケーションを取るのが大好きで、犬のようにボール投げや芸ができたり、名前を呼べば飛んでくる犬のような忠誠心もあります。

また、「ツンデレ」という言葉とは程遠いくらいの甘えん坊で、猫は「自由気まま」な生き物であるという常識を覆してくれるでしょう。

ソマリは、利口で賢く、物覚えも早いのですが、好奇心も旺盛で、賢いがゆえ、イタズラも盛んで、ありとあらゆるイタズラを考えるところがあります。

しかし、賢いだけに繊細なとこもあり、強く叱り過ぎたり、体罰を与えると、トラウマになるという事もあるため、ソマリのように人が大好きという子は、厳しい躾よりも寧ろ無視をされることが一番堪えるといいます。本人が悪いことをしたと実感を持っているなら、目を合わさず様子を見てみましょう。

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ソマリの運動量はどのくらい?


好奇心旺盛なソマリ。アビシニアン同様に、非常に活発な猫で、遊ぶことも動くことも大好きな明るい性格です。運動量もそれなりに必要にはなりますが、部屋にキャットタワーを置くことでも解消されます。

アビシニアンもソマリも、高い所に上がるのが好きな猫ですので、キャットタワーだけではなく、窓際や部屋の高い場所で寛げるような空間を作ってあげると、ソマリも喜ぶことでしょう。

好奇心旺盛な性格なので、高い所に上がるのはもちろん、高いところから色々な物を見るのが好きなようで、窓から外を眺められる環境があると、のんびりと日向ぼっこをしながらくつろいでくれることでしょう。

窓も高い所も無いような環境は、ストレスが溜まってしまう事も考えられます。できるだけストレスがかからないような生活環境を整えてあげるようにしましょう。

ソマリの被毛

ソマリは長毛種の猫ではありますが、他の長毛種の猫と比較すると、被毛の管理もしやすい猫です。

シルクのような触り心地の良い被毛を持ち、長さはセミロングで、ペルシャなどの長毛種の猫と比べると、毛量は少なめで毛玉になりづらいのですが、毛球症(毛繕いの際に、飲み込んだ自分の体毛が消化器官内に留まり、吐くことも排便することもできなくなる状態)や皮膚病の予防のためにも、週に2~3回くらいはブラッシングして抜け毛を取り除いてあげましょう。

猫全般に言えますが、猫はグルーミングによってどうしても毛を飲み込んでしまいます。そのため、毛球症のリスクは0にはなりませんので、出来る限りこうしてブラッシングを行い、無駄毛を取り除いてあげることが大事になります。

ソマリは暑さに強い

他の長毛種の猫ですと寒さに強いという特徴がありますが、ソマリに関しては寒さには弱く、暑さに対しては比較的強いという特徴があります。

前述の通り、ソマリは元々アビシニアンです。アビシニアンは暑い気候で誕生した猫であるため、暑い環境に対しては強い猫ですが、寒い環境には適さない種類の猫でもあります。そのためソマリもアビシニアン同様に、寒さには弱いのです。

ただし、暑さに対しては比較的強いですが、アビシニアンよりは毛も長いため、アビシニアンと全く同じというわけでは無さそうです。また、毛が長いからと言って寒さにも強いわけでは無いのです。

日本のように四季がある環境では、暑いタイミングも、寒いタイミングもありますので、部屋の温度管理に関しては、激しい寒暖差が生じないように十分に注意するようにしましょう。

ソマリの毛色について


ソマリの被毛のカラーは、「ルディ」「レッド」「フォーン」「「ブルー」の毛色が認められます。「ロングヘアード・アビシニアン」と呼ばれる事もあり、毛色に関してもアビシニアンと同様の毛色が認められます。

ソマリやアビシニアンの特徴でもある「ティックドタビー」と言われる被毛は、1本の毛から2~6色の濃淡のグラデーションカラーになっており、太陽の光でキラキラ輝いてるように見えます。また、額にはM字のタビー(縞模様)が入っているのもソマリやアビシニアンの特徴です。

被毛の長さは違えど、この被毛の美しさはアビシニアン譲りのものなのです。特徴的なものも、アビシニアンとソマリは同じなため、好みとしては長毛か短毛かというところになるでしょう。

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ソマリがかかりやすい病気

【アミロイドーシス】
アミロイドという水に溶けない異常なタンパク質が、様々な臓器や組織の中にある細胞と細胞の隙間に沈着することにより、内臓機能に障害を起こす病気です。猫が発症することは少ないのですが、ソマリは比較的発症することが多いとされています。

多飲多尿、食欲不振、体重減少、元気消失などの慢性腎不全の症状が見られたり、体が浮腫んだり、腹水といったネフローゼ症候群の症状も伴うことがあります。また、このアミロイドーシスが脾臓に付着した場合、糖尿病を引き起こすこともあります。

【尿結石】
尿管、膀胱、尿道の中に砂や石のような結石ができる病気で、この結石に刺激されることによって、膀胱や尿道を傷付けたり、尿道に詰まることでおしっこが出なくなります。特にオスは、尿道が細長くカーブしており、先端も細くなっているため、尿道に結石ができやすいと言われています。

「トイレの回数が増える」「少量のおしっこしか出ない」「おしっこをする時に痛がる」「おしっこがキラキラ光って見える」などの症状がある場合は要注意です。また、おしっこが2日以上出ない場合は緊急を要します。

ソマリに見られる遺伝性疾患

ソマリとアビシニアンに発症する遺伝性疾患の一つに「重症筋無力症」と呼ばれる病気があります。この重症筋無力症と呼ばれる病気は、神経から筋肉への伝達がうまく伝わらなくなり、疲労の症状や脱力と言った症状が見られる遺伝性疾患です。

特徴的な症状には、いつもよりご飯を食べるスピードが遅くなることや、ふらふらとしている様子が見られたり、常に眠たそうな顔をしているといった様子が見られるようになります。また、夕方のほうが症状が重くなるという特徴もあるようです。

治療によっては症状が良くなるので、早期発見・早期治療が大切になります。多くの症例がある病気ではありませんが、中でもソマリとアビシニアンが一番多く発症しているため、様子がおかしいなと感じたらすぐに病院へ行くようにしましょう。

ソマリと暮らすために

ソマリは遊び好きであり、大型種類ではないものの運動量がやや多いため、上下運動ができるようなキャットタワーなどを置いてあげると良いでしょう。また、飼い主さんや家族と遊ぶことが大好きなので、スキンシップも兼ねて、「猫じゃらし」や「ボール」などで遊んであげるととても喜びます。

ソマリは、若い時はとにかく活発で、家の中を飛んだり跳ねたり、高いところへ登ったり、壁を駆け上がるなどは日常茶飯事で、家の中がひっちゃかめっちゃかになることも・・・。誤飲をするような危険なものや、壊されたくないものは片付けておく必要があります。基本的に、高い場所に「手の届かない所」はありませんので、きちんと戸棚の中などに閉まっておきましょう。

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