猫の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、猫を飼う上では猫の種別に特徴を理解することが必要になります。今回は猫種の一つ「スコティッシュフォールド」についてチェックしてみましょう。

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スコティッシュフォールドとは

スコティッシュフォールドといえば、クルクルの大きな目でまん丸の顔、折れ曲がった耳はまるで帽子をかぶったような猫のようです。今や、日本で飼育されてる一番人気の猫がスコティッシュフォールドだと言われていて、ペットショップへ行けば、かなりの割合で出会える猫種なのではないでしょうか。

また、テレビなどに出演するさいにもスコティッシュ・フォールドを見かける機会も多く、今や日本人にとっても身近な猫といえば、アメリカン・ショートヘアに次ぐと言っても過言ではない程に、スコティッシュ・フォールドは人気が高いです。

そんなスコティッシュ・フォールドですが、「折れ耳」のスコティッシュ・フォールドを作出されるまでには、多くの難関がありました。その結果、いくつかの猫種との交配が重要なポイントとなったのです。

スコティッシュフォールドのルーツ

スコティッシュフォールドのルーツは、1961年にスコットランドの農場で生まれた、折れ耳の白いメス猫が始まりであると考えられています。

この白猫に「スージー」と名付けたロス夫妻は、その後このスージーが生んだ子も折れ耳がいたことで、これが遺伝的要因であるということに気付き、ロス夫妻はこの可愛らしい折れ耳のスコティッシュフォールドを世に広げようと繁殖を始めたのです。

1966年にロス夫妻は、イギリスの猫血統登録団体「GCCF」に登録して、スージーの血統を基礎としてスコティッシュフォールドの品種確立を目指しました。しかし、この折れ耳猫の育種にあたって、骨と聴力の異常が続発したことから、1971年にGCCFは遺伝性疾患を懸念して、スコティッシュフォールドの登録と繁殖を中止しました。

スコティッシュフォールドはミックス猫?


イギリスで繁殖ができなくなってしまったスコティッシュフォールドはアメリカへと渡り、アメリカの遺伝子学者「ニール・ドット」の元で、引き続き折れ耳猫の研究が行われることになりました。

その結果、「アメリカンショートヘア」や「ブリティッシュ・ショートヘア」「エキゾチック・ショートヘア」との異種交配をさせることで、遺伝性疾患の発症率を少なくすることができるという結論に至ります。完全なミックス猫というわけではありませんが、スコティッシュ・フォールドにはこれらの猫種の血が流れているのです。

その後の1978年には、アメリカの猫登録団体「CFA」で公認されることとなりました。しかし、GCCFやスウェーデンの猫登録団体「FIFe」は、未だスコティッシュフォールドの登録を認めていないようです。

ちなみに、「スコティッシュフォールド」という名前の由来は、最初は垂れ耳ウサギの「lop-eared(ロップイヤー)」から「lop(ラップ)」と呼ばれていたそうですが、後に「fold(折りたたまれた)」という意味に変わったことから、今の名称に変更されました。

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スコティッシュフォールドの性格


穏やかで大人しい性格のスコティッシュフォールドは、人懐っこく愛情深いところもあるので、子供や他のペットとも仲良くできます。

また、鳴き声が小さいので集合住宅にも向いており、猫の飼育が初心者の人でも扱いやすい猫です。こうした点も、日本でスコティッシュ・フォールドが人気が高い理由の一つにもなっていそうです。

また、スコティッシュフォールドは甘えん坊なところもありますが、自立心も持ち合わせていますので、留守番も上手にできるでしょう。しかし、同時に寂しがり屋で我慢強いところもあるため、あまり留守番が多いと、我慢をしてストレスを溜めることもあります。

留守がちの家庭では、多頭飼いをして、留守番仲間を作ってあげるのも良いかもしれませんね。

スコティッシュフォールドの大きさは?

スコティッシュ・フォールドの大きさは、3kg〜6kg程と言ったところ。ボディタイプに関しては「セミコビータイプ」です。

同じセミコビータイプの猫には、スコティッシュ・フォールドの交配にも一役買っている「アメリカン・ショートヘア」や「ブリティッシュショートヘアー」が挙げられます。セミコピータイプの猫の特徴としては、尻尾が長く足もやや長め。顔に関しては大きな目と丸々とした輪郭が特徴的です。

また、顔の輪郭は「フクロウ」のようと、スコティッシュ・フォールドならではの特徴的な輪郭を例えられる事もあります。全体的にはやや筋肉質な印象もあり、スラッとしたイメージというよりもコロンとしたイメージのほうが強い猫種です。

スコティッシュフォールドの被毛

スコティッシュフォールドの被毛には、短毛タイプと長毛タイプがいます。
短毛タイプの短く厚く密生した被毛は、まるで「ビロード」のような手触りです。
長毛タイプは長く密生した被毛で覆われており、フワフワした手触りでゴージャスな印象を受けます。

被毛の手入れは、1日1回スキンシップも兼ねて、ブラッシングしてあげるのが良いでしょう。
長毛タイプはブラッシングを怠ると、毛が細いため毛玉になりやすく、毛球症(毛繕いの際に、飲み込んだ自分の体毛が消化器官内に留まり、吐くことも排便することもできなくなる状態)や皮膚病の予防のためにも、ブラッシングして抜け毛を取り除いてあげましょう。

スコティッシュフォールドの被毛は、「ホワイト」「ブラック」「クリーム」「レッド」「ブルー」や、これらのタビー(縞模様)、これらの毛色とホワイトの組み合わせなどがあり、基本的に全ての毛色が認められています。

スコティッシュフォールドがかかりやすい病気

【骨軟骨異形成】
遺伝子の作用により、成長過程において骨をうまく形成できない病気のことで、放置すると骨が変形したり、関節炎を引き起こします。

愛猫の手首、足首にコブのようなものはできていないか、歩く時にびっこを引いていないか、痛そうにしていないかなど、この病気の発症率が高いスコティッシュフォールドを飼育している場合は、注意して観察する必要があります。

【肥大型心筋症】
心臓の筋肉が内側へ向かって厚くなり、心室が狭くなってしまうことで、全身に十分な血液を送ることができなくなる病気です。そのため、体はバランスを取るために心拍数や血圧を上げるようになります。

初期の症状は、すぐに疲れてしまったり、じっとしていることが増えたり、少しの運動でも息切れするなど、猫の老化と間違われることが多いため、なかなか初期の発見は難しいと言われています。そして進行すると、肺水腫や胸水を引き起こしたり、血管や心臓の中で血液が固まる血栓症になり、最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。

スコティッシュフォールドの寿命は?


スコティッシュ・フォールドの平均的な寿命は、おおよそ10年〜13年くらい。猫の平均的な寿命といったところです。ただし、スコティッシュ・フォールドは前述の通り、遺伝子疾患の多い猫種と言われていますので、場合によっては寿命よりもだいぶ短い個体もいます。

もちろん、こうした寿命は子猫の段階ではわかりませんので、スコティッシュ・フォールドを迎え入れた際には定期的に健康診断を行うなどして、病気の早期発見・早期治療が行えるようにしておくと良いでしょう。

かならず遺伝子疾患があるわけでもありませんが、万が一の事態を想定しておくとよいでしょう。疾患がある場合には、若年期から徐々に兆候が見え始めますので、飼い主さんもスコティッシュ・フォールドが発症しやすい病気を理解しておき、初期症状を十分に把握しておくと安心かもしれません。

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スコティッシュフォールドの「スコ座り」

スコティッシュ・フォールドのかわいらしい写真や動画では、よく「スコ座り」と呼ばれる、スコティッシュ・フォールド特有の座り方が注目を集めたりもします。

この座り方は、まるでおっさんがもたれかかっているかのような、だらしのない座り方をしているため、愛嬌がある座り方の意味合いを込めて「スコ座り」と呼ばれることがあります。しかし、この座り方は手足に負担をかけないようにしているために、手足をだらんと垂らして座っている可能性もあるのです。

つまりは、前述でも触れた「骨軟骨異形成」を発症している可能性も否めません。もしかすると関節が痛むために、こうして負担をかけないような座り方をしているかもしれませんので、万が一を考えて検査してみることをおすすめします。

スコティッシュフォールドの価格は?

日本でも人気の高いスコティッシュ・フォールド。ペットショップなどでも目にする機会は多い猫種ですので、スコティッシュ・フォールドを迎え入れる際にも容易に探すことができるでしょう。

スコティッシュ・フォールドの価格は、平均すると20万円ほど。ただし、月齢によっても価格は前後しますので、この価格が平均とは言えないかもしれません。前述の通り、スコティッシュ・フォールドはペットショップでも多く見かける猫種で人気もある猫ですが、タイミングによっては飼い主が決まるまで時間を要する子もいます。

こうして月齢が進んでいくと、平均価格の20万円から一気に価格も落とされて販売されるようになり、10万円を切る位の価格で販売される場合もあります。とはいえ、長い付き合いになりますので、迎え入れる際には価格ではなく、相性で選ぶようにしましょう。

スコティッシュフォールドと暮らすために

スコティッシュフォールドが折れ耳になる確立は全体の30%であると言われており、折れ耳で生まれたとしても出産や病気、ストレスなどによって耳が立ってしまうこともあります。

また、折れ耳のスコティッシュフォールドの交配は、遺伝性の疾患を避けるために、立ち耳のスコティッシュフォールド、もしくはアメリカンショートヘアやブリティッシュ・ショートヘアとの異種交配が原則とされています。

スコティッシュフォールドは成猫になると、どんと落ち着いてしまい、あまり積極的に運動するほうではないので、肥満には注意しなければいけません。しかし、人との触れ合いを好むため、「猫じゃらし」や「ボール」などで遊んであげると、喜んで参加したがるので、愛猫とのスキンシップも兼ねて、肥満予防のためにもたくさん遊んであげましょう。また、運動できるようにキャットタワーなどを置いてあげるのも良いでしょう。

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