犬のしつけなんてしないで自由にさせると言う飼い主さんもいるとは思いますが、しつけとは「おて」や「おかわり」だけでなく、愛犬と共に生活していく上で必要なものです。では、どうして犬にしつけが必要なのか、その「犬のしつけ」について考えてみましょう。
犬のしつけはどうして必要なのか
犬のしつけとは、愛犬の散歩中の誤飲や拾い食いを防いだり、間違って脱走した際に、呼び戻しをしたり、急に知らない人や犬に吠え掛かったり、襲いかかったりしないように、飼い主さんと愛犬だけが快適に暮らすためだけでなく、飼い主さんと愛犬とその周りの人たちが快適に過ごせるように必要なものなのです。
これは、愛犬を危険から守ったり、周りに迷惑かけることを防ぐことができるものであり、犬を飼った以上、飼い主さんの責任であり、義務でもあります。また、飼い主さんは愛犬をしつけるだけでなく、犬を飼う際に必要なマナーも、身に付ける必要があるでしょう。
飼い主さんがリーダーでいること
犬は元々群れで行動する動物です。この時の群れとは家族のことであり、家族の姿が見えないような孤立した犬小屋で飼育されると、とても不安になってストレスを感じるでしょう。
また、犬は群れの中で主従関係を見極め、順位付けをします。犬は自分より立場が上の者には服従して協力的ですが、自分より下と見なした場合、言うことを聞かなくなります。
犬にとって群れの中でのリーダーの存在は必要不可欠であり、飼い主さんは、愛犬に常に信頼されて頼られるリーダーでいなくてはいけません。
愛犬を「可愛いから」「可哀想だから」と甘やかしてしつけをしないと、自分がリーダーだと勘違いして、主従関係が付かなくなり、問題行動を引き起こして、手に負えなくなることもあります。これは、逆に愛犬に可哀想な思いをさせてしまう行為ということになります。
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しつけを統一すること
犬のしつけをする際、飼い主さんは愛犬に対して、「良いものは良い」「悪いものは悪い」と、終始一貫した態度で接する必要があるでしょう。
愛犬が人の手を囓った場合、それが例え甘噛みであっても叱らなければいけません。これが逆に、良い行動を取った時もきちんと褒めてあげることが大事です。
褒めたり褒められなかったり、叱ったり叱らなかったり、また、家族の中でお母さんは叱るのに、お父さんは叱らないなど、愛犬を混乱させるようなしつけをすると、なかなか理解することができません。
また、愛犬をしつけている時に、あまりに可愛らしい態度を愛犬に取られてしまって、ついつい許してしまいそうになることもあるとは思いますが、ここはブレずに、終始一貫した態度で接しましょう。
犬の行動直後にリアクションを
犬は「何かを上手にできた時」や「飼い主さんに言われた通りにできた時」、すぐ褒めてあげることが大切です。「何かしてはいけないこと」をした時も同様に、すぐその場で叱る必要があります。何か行動をした後すぐにリアクションをしてあげると、犬は迷うことなく飼い主さんの言葉の意味を理解するようになるでしょう。
しかし、そのタイミングを間違えると、犬はなぜ褒められたのか、なぜ叱られたのか理解できません。例えば、粗相をしてからしばらく時間が経って叱られた時、なぜ叱られたのか理解できず、何をしても叱られると勘違いして、飼い主さんに対して萎縮したり、逆に反抗的になったりすることがあります。
また、犬のしつけでは、叱ることより褒めることが何よりも大切であり、褒める時も、少しテンションを上げて大袈裟なくらいの気持ちで褒めてあげると、犬も喜び、また褒められようと同じ行動を起こそうとします。犬は飼い主さんが喜ぶ顔を、何より望んでいるということでしょうね。
良くできた時にはご褒美を
しつけをする際、ご褒美を与えることは良くないと言われることがあります。「エサで釣る」という行為はエサが無いと言うことを聞かなくなるということです。
しかし、ある程度信頼のある関係を愛犬と築いていると、「言うことを聞かなくなる」ということはないのではないでしょうか。
犬は「叱られたからやめる」のではなく、「ご褒美を貰えるから、またやろう」という意識を持ちます。
飼い主さんが「上手にできたね!」と、喜びながらご褒美をくれるのですから、こんな嬉しいことはないですよね。逆に、悪いことをした時は、無視をすることです。しつけには、メリハリのある「飴と鞭」があっても良いのではないでしょうか。(鞭と言っても叩くのは良くありませんが。)
私たちも子供の頃、「次のテスト良かったら、◯◯買ってもらうんだ!」という親との約束、一度はしたことありませんでしたか?
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失敗したとき
愛犬が「してはいけないこと」をして失敗した時、飼い主さんは暴力的になったり、体罰をすることは良くありません。このような行為は、愛犬が飼い主さんを心から慕うのではなく、不信感を抱くようになるでしょう。体罰を与えなくても犬は理解する動物なのです。
「だめ」「いけない」など、注意する言葉を統一して、低く厳しい声で叱ります。この時、犬の集中力はそんなに長くないため、あまり長い時間を使ってグチグチ叱ってしまうと、愛犬は途中でストレスを感じてヤル気を無くしてしまうので、愛犬が失敗した時は、短い時間で叱り、うまくできなくても諦めず、覚えられるまで根気良くしつけましょう。
また、一度問題行動を注意してもやめない場合、徹底的に無視をすると効果的であると言われています。愛犬が飼い主さんの傍に寄って来ても構わないで無視を続けると、愛犬も飼い主さんが怒っていることを理解します。犬にとって無視ほど辛いものはないのです。
犬の気持ちになって
「どうしてうちの子は、何度も同じことを言われているのにできないんだろう」
愛犬に何度言っても言う通りにできなくて、頭を抱えたことありますよね。
そんな時は、愛犬を叱る際、頭ごなしに愛犬を叱るのではなく、なぜこんな事をしたのか、まず犬の気持ちになって考えてみましょう。
例えば、トイレのしつけで、何度言ってもトイレではないところに粗相をしてしまう・・・
もしかしたら、トイレがいつも汚れていて、汚れたシーツに足を付けるのを嫌がっているのかもしれません。
もしかしたら、人の出入りが多い場所にトイレがあり、どうしてもその場所で落ち着いてトイレができないのかもしれません。
このように、犬の問題行動の裏を考えると、意外にすんなり問題行動が解決されることが多いのです。
しつけとは、いくら主従関係を築いた愛犬だからと言っても、愛犬にも心があるのです。「押しつける」だけのしつけではなく、愛犬の心に寄り添うしつけが必要なのではないでしょうか。
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