犬を飼育する上で欠かせない、犬のお手入れ。お手入れと行っても様々な物がありますが、出来る限り飼い主さんがお手入れできるようになる事が、愛犬の健康維持や健康状態を知る上では重要になります。今回は犬の皮膚・被毛のケアについて解説します。
愛犬のお手入れは健康維持の第一歩
犬を飼育する上で重要になってくるのが、犬へのケア・お手入れです。食事や運動で健康を維持することも重要ですが、こまめに被毛のお手入れをすることでも、犬の健康維持に繋がるとともに、ちょっとした体の変化や皮膚への異変にも気が付きやすくなります。
お手入れには、爪切りやパッド(肉球)のケア、歯磨きなどの歯のケア、耳掃除などの耳のケア、肛門のケアなど、様々な部位をお手入れする必要があります。これは、人間でも同じことですよね。トリミングサロンや動物病院でも、こうしたお手入れをすることが可能ですが、出来る限り自宅で飼い主さんがお手入れすることができれば、お財布にも愛犬の精神的にも安心な部分が多いように感じます。
トリミング等のケアは素人には難しいかもしれませんが、はじめは難しくても、意外と自宅でできるケアもありますので、犬の健康状態を常に把握するためにも、ぜひ、お手入れに挑戦して、愛犬の健康維持を自分の手で行うようにしてみましょう。
ブラッシングの必要性
犬のお手入れの基本となる「ブラッシング」。ペットショップ等でも、コームやラバーブラシといった様々なブラシが販売されています。ブラッシングの役割には、犬の毛並みをきれいにするため、毛艶を引き立たせるといった事だけではありません。
犬の被毛は静電気を帯びてしまうため、ほこりや床のゴミが付着しやすいです。そのため、被毛はすぐに汚れてしまいます。こうしたホコリ等を取るため、また、ゴミの元となる「抜け毛」を予め取り除くという点でも大事なケアとなります。抜け毛が増えると、それだけ床のゴミも増えてしまい、その結果、また愛犬の体にゴミとして付着してしまいます。
このように、ブラッシングには毛艶を出す事以外にも、抜け毛取り、静電気の除去といった効果も得られるのです。また、ブラッシングを通じて、愛犬の皮膚の異常を確認することにも適したケアです。特に夏場等は、皮膚も荒れやすい環境になります。丁寧にブラッシングを施し、愛犬の皮膚に異常がないかも確認しながら、愛犬とスキンシップをとるようにしましょう。
様々なシャンプーがありますが
市販で販売されている犬用のシャンプー。最近では、本当に様々な種類がありますが、どのシャンプーがいいの?という声も多く聞かれます。犬の肌も、人間と同じように刺激に強い・弱いという事や、シャンプーの合う・合わないという事も起こります。合わないシャンプーを使い続けてしまうと、皮膚は赤くなり、皮膚炎などを引き起こします。また、肌も荒れていくために、フケがでてきたりといった様子も見られます。
こうした症状には、シャンプーが合わないという事も考えられるのですが、他の要因としてアレルギーを持っていたり、ストレスや他の要因で皮膚病を併発しているといったことも考えられるのですが、これらの要因に思い当たらないようであれば、シャンプーを変えてみましょう。
良い匂いや、優れた成分を配合した物もたくさんありますが、第一に考えるのは、愛犬に合っているシャンプーを選択することです。中には薬用のシャンプーもありますので、あまりに皮膚炎が酷いようであれば、まずは薬用シャンプーを利用して皮膚の状態を改善させるようにしましょう。
皮膚・被毛のケアをするためのシャンプー
犬の皮膚は少し脂を残してあげるのが理想的です。シャンプーは月に1回、脂性の犬であれば月に2回程度に留めるようにしましょう。あまりに皮脂を落としてしまうと、逆に乾燥しすぎてしまい、別の皮膚トラブルが発生してしまうので気をつけましょう。
また、シャンプー後は必ず被毛を乾かすようにしましょう。濡れたままにしておくと、ムレの原因になって皮膚炎を引き起こす他、体温調整が上手く出来ずに体が弱くなってしまいます。逆に、早く乾燥させようと、ドライヤーを局所的にあてすぎないように。乾燥しすぎてしまうだけでなく、やけどをしてしまいます。温めの温度でまんべんなく乾燥させるようにしましょう。
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「耳毛」も被毛のケアです
犬が耳に何かしらの異常を感じると、よく掻く様子を見せたり、床や壁に耳を擦りつけたりといった様子が見られます。これは、耳の中が痒いためにこうした行動をして、耳を掻いているのです。犬の耳の中は毛が密集しているためにムレやすく、あまりに不衛生にしていると、外耳炎や内耳炎といった病気を引き起こしてしまいます。
まずは、耳を裏返してみましょう。あまりに毛が密集しているようであれば、「カンシ」と呼ばれる器具で耳毛を抜く必要がありますが、自信がなければトリミングサロンなどで耳毛を抜いて欲しいと伝えるようにしましょう。
また、耳の中を掃除する際には、必ず耳掃除用の液剤を利用しましょう。耳の中はナイーブな部分なので、綿棒に液剤を染み込ませる、または、液剤を直接注入し、くるくると綿棒を回すようにして掃除しましょう。間違っても、綿棒をゴシゴシと擦るようにしてはいけません。
涙やけはしていませんか?
意外と多いのが犬の涙やけ。目の周りに「涙やけ」はできていないでしょうか。実は涙やけは皮膚のトラブルが原因となって涙が多くなっている場合や、目やにが多く出ている、目やにを付けたままにしている等の理由で、目の周りの被毛が変色してくるものです。
この涙やけを予防するためのケアには、主に目やにを拭いてあげることが中心となりますが、目やにがあまりに多く出る場合、もしかすると、アレルギー反応が出ている可能性もあります。今食べているご飯は、犬に合ったものでしょうか。成分によっても、犬の毛艶や目やにの出方が大きく変わります。
また、こうした原因が思い当たらないようであれば、念のため、動物病院に診察に行くようにしましょう。もしかすると、涙管が詰まっていたり、流涙症や角膜炎などの病気が疑われる場合もあるのです。
犬の目は、お手入れをしないでも、すぐ目につく部位でもあります。常日頃から目や目やにのチェックをするようにし、異常がないか確認するようにしましょう。目の病気を放おっておくと、最悪の場合、失明することも考えられます。こうならないためにも、出来る限り、早く気がつけるようにしましょう。
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