犬を飼育する上で欠かせない犬のお手入れ。お手入れと行っても様々な物がありますが、愛犬の健康を維持するためにも重要でもあり、常に健康状態を把握することにも役立ちます。では、全体的にどのようなケアが必要になるかを見てみましょう。
ブラッシングの必要性
犬のお手入れの基本となる「ブラッシング」。ペットショップ等でも、コームやラバーブラシといった様々なブラシが販売されています。ブラッシングの役割には、犬の毛並みをきれいにするため、毛艶を出す事以外にも、抜け毛取り、静電気の除去といった効果も得られるのです。
また、ブラッシングを通じて、愛犬の皮膚の異常を確認することにも適したケアです。特に夏場等は、皮膚も荒れやすい環境になります。丁寧にブラッシングを施し、愛犬の皮膚に異常がないかも確認しながら、愛犬とスキンシップをとるようにしましょう。
「爪切り」の時には「肉球」のケアも忘れずに
散歩によく行く犬の爪は、アスファルトによっていくらか削られている場合が多いですが、あまり散歩に行く機会がない犬の爪は、伸び切ってしまい、絨毯やタオル、服などによく引っかかってしまいます。時には爪が折れてしまうなんてこともあるかもしれません。
犬の爪は伸びてしまうと、その分、血管も伸びていってしまいます。あまりに爪が伸び切ってしまうと、円を描くように伸びていってしまい、最後には1周して肉球等に刺さるように伸びていきます。こうなってしまった場合、伸び切った爪を切るために、血管も一緒に切らなければならず、痛みを伴う結果となってしまうのです。
こうなる前に、適度な長さで爪を切る必要があります。もちろん、爪を切るだけなので、犬に痛みはありません。爪切りは、自宅でもできる簡単なお手入れの一つなので、1ヶ月に1回ほどのペースで、愛犬の爪切りを行うようにしましょう。
また、爪切りだけがお手入れではありません。パッドとも呼ばれる肉球ですが、パッド専用のクリームやスプレー等も市販されています。特に、散歩によく行く犬は、パッドが荒れてしまったり、割れてしまっている場合も少なからずあります。なんとなく見ている肉球ですが、犬の健康状態を維持させるためにも、肉球のケアも忘れないようにしましょう。
涙やけはしていませんか?
目の周りに「涙やけ」はできていませんか?涙やけは、涙が多い場合や目やにが多く出ている、目やにを付けたままにしている等の理由で、目の周りの被毛が変色してくるものです。涙やけを予防するためには、主に目やにを拭いてあげたりというケアが中心となりますが、目やにがあまりに多く出る場合、もしかすると、アレルギー反応が出ている可能性もあります。
今食べているご飯は、犬に合ったものでしょうか。成分によっても、犬の毛艶や目やにの出方が大きく変わります。また、こうした原因が思い当たらないようであれば、念のため、動物病院に診察に行くようにしましょう。もしかすると、涙管が詰まっていたり、流涙症や角膜炎などの症状がでている可能性もあります。
犬の目は、お手入れをしないでも、すぐ目につく部位でもあります。常日頃から目や目やにのチェックをするようにし、異常がないか確認するようにしましょう。目の病気を放おっておくと、最悪の場合、失明することも考えられます。こうならないためにも、出来る限り、早く気がつけるようにしましょう。
耳は常に衛生的に
爪切りなどのケアでは、爪が伸びていれば目につきますが、耳のケアを行う場合には、耳の中を明るく照らしたり、耳をひっくり返したりしなければ、耳の中の状態まではよく見ることが出来ません。しかし、犬の耳の中は毛が密集しているためにムレやすく、あまりに不衛生にしていると、外耳炎や内耳炎といった病気を引き起こしてしまいます。
犬が耳に何かしらの異常を感じると、よく掻く様子を見せたり、床や壁に耳を擦りつけたりといった様子が見られます。これは、耳の中が痒いためにこうした行動をして、耳を掻いているのです。
まずは、耳を裏返してみましょう。あまりに毛が密集しているようであれば、「カンシ」と呼ばれる器具で耳毛を抜く必要がありますが、自信がなければトリミングサロンなどで耳毛を抜いて欲しいと伝えるようにしましょう。
また、耳の中を掃除する際には、必ず耳掃除用の液剤を利用しましょう。耳の中はナイーブな部分なので、綿棒に液剤を染み込ませる、または、液剤を直接注入し、くるくると綿棒を回すようにして掃除しましょう。間違っても、綿棒をゴシゴシと擦るようにしてはいけません。
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老後も健康な歯を維持するために
犬の生命線の一つでもある「歯」。歯のケアは、犬の老後にも関係するほどに重要な部位でもあり、お手入れが大変な部位でもあります。動物病院やトリミングサロンでも、歯磨きを行っている場所もありますが、全ての場所が対応しているとは限りません。そのため、自宅での歯のケアは、非常に重要なものでもあります。
お手入れするとわかりますが、犬の歯は思っているよりも汚れています。野生下のオオカミは肉を食べ、骨を食べることで歯磨きの効果を得ていますが、ペットとして飼われている犬は、玩具などを噛む事以外には、歯磨きの要素となるものがありません。そのため、老齢期になると、虫歯によって歯が無くなってしまっている犬も珍しくありません。
実際に歯磨きを行う際には、はじめから「歯ブラシ」を利用しないようにしましょう。いきなり歯ブラシを使用すると、犬も怖がり、歯磨き自体を嫌がることになります。はじめは、飼い主さんの指の感触で慣れさせ、徐々に歯ブラシに移行するようにしましょう。
無理にやろうとすると嫌がる犬も多いため、出来る限り若年の頃から歯磨きの癖をつけるようにしましょう。食べることが大好きな犬にとっては、歯が無くなることは、非常に辛いものであるでしょう。そうならないためにも、早い段階で歯磨き週間をつけるようにしましょう。
肛門腺絞りも忘れずに
愛犬が自宅にいる時に、「地面にお尻を擦りつけている」または、「しっぽを追いかけている」といった様子を見かけていないでしょうか。こうした行動を繰り返し行なっている時には、肛門腺から出されている分泌液が溜まっているサインかもしれません。
肛門腺とは、犬の分泌液を分泌する器官で、この分泌液は「肛門嚢」という部位に貯められます。通常であれば排便時に一緒に排出されるはずの分泌液ですが、中には上手に排出されず、肛門嚢に溜まってしまう犬もいるのです。これを排出させなければ、肛門嚢の中で細菌が繁殖してしまい、やがて炎症してしまい「肛門嚢炎」という症状を引き起こしてしまいます。
分泌液を排出できない犬は、肛門腺を絞ってあげて分泌液を排出させてあげる必要があるのです。溜まりやすさ、肛門腺を絞る頻度は犬によっても変わりますが、目安としては1ヶ月に1回の頻度で絞ってあげるようにしましょう。こうすることで、常に肛門嚢はすっきりした状態となり、肛門嚢炎などの病気を予防することができます。肛門腺を絞るケアは、意外と見落としがちなケアの一つでもありますので、毎回意識しておくようにしましょう。
過剰にケアすることもデメリットとなる場合があります
綺麗にしたいからといって、頻繁にシャンプーをすることは避けましょう。犬の皮膚は少し脂を残してあげるのが理想的です。シャンプーは月に1回、脂性の犬であれば月に2回程度に留めるようにしましょう。あまりに皮脂を落としてしまうと、逆に乾燥しすぎてしまい、別の皮膚トラブルが発生してしまうので気をつけましょう。
また、シャンプー後は必ず被毛を乾かすようにしましょう。濡れたままにしておくと、ムレの原因になって皮膚炎を引き起こす他、体温調整が上手く出来ずに体が弱くなってしまいます。逆に、早く乾燥させようと、ドライヤーを局所的にあてすぎないように。乾燥しすぎてしまうだけでなく、やけどをしてしまいます。温めの温度でまんべんなく乾燥させるようにしましょう。
今回取り上げた中では、歯磨きは毎日の日課としてよいケアでありますが、その他に関しては月1回程度のケアでも、十分にケアできるものです。毎日こまめにと力まずに、月に一度、じっくりと愛犬と向き合う時間を作るようにして、しっかりとしたケアを行えるようにしましょう。
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