「つい最近まで元気に走り回っていたのに、もう老犬の心配?」と思う方もいるとは思いますが、犬の年を取る早さはアッという間なのです。ここでは、そんな愛犬が老犬になった時、どのように接したら良いのかを考えてみましょう。

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老犬の介護について

「この子の人生、最期まで面倒を見よう」と心に決め、愛犬と暮らし始める方が多いと思います。しかし、その愛犬が老犬になった時、思った以上の苦労や予期せぬ事態に、飼い主さんが頭を抱えてしまうこともあるでしょう。

今回は、愛犬が老犬になった時に、どのように気配りをして、どのような介護をしたら良いのか、「あの時、もっとこうしてあげられたかもしれない」「もっとこうしてあげれば良かった」と、愛犬が亡くなった後に後悔しないような介護を考えていきましょう。

老犬の食事

犬は年を取ると、自然に食事の量も減りますので、いかに少量のフードで、いかに十分な栄養を摂らなければいけないかが重要なポイントとなります。また、消化機能が衰えたり、代謝機能が低下してしまうため、消化吸収の良いドッグフードを選ぶ必要があるでしょう。

また、老犬になると、自分で喉の渇きを自覚しにくくなるため、水を飲む量が減り、脱水症状を引き起こしたり、腎臓や肝臓に負担をかけてしまうことがあります。愛犬が自ら水を飲めなくなった時は、定期的にシリンジやスポイトを使い、新鮮な水を飲ませてあげることが必要です。

老犬の食事の与え方

ドッグフードの粒が大きくて食べづらい場合は、水かぬるま湯でふやかしたり、ドッグフードを砕いてみると良いでしょう。
また、愛犬の鼻が老化によって効かなくなって、匂いに鈍感になり、食欲が湧かなくなった場合は、柔らかくしたドッグフードを電子レンジで数秒温めることで匂いを感じさせるようになります。

そして、足腰の筋肉の低下や首や関節の痛みで、頭を下げてご飯を食べることに苦痛になった場合は、食器の高さを、愛犬の胸の高さほどに設置できるように台を置くなどの工夫をすると良いでしょう。

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老犬が立てなくなった時の食事

もし、愛犬が立てなくなり、自ら食事ができなくなった場合、愛犬を抱っこなどをして頭を少し高い状態に保ちながら食事を与えます。この時、寝たまま食事を与えてしまうと、フードが飲みきれなかった場合、食道にフードが詰まってしまうことがあります。

愛犬が寝たきりの状態になり、流動食を食べさせる場合も、抱っこをしたりクッションなどを使って、頭の位置を少し高くして、シリンジなどで流動食を口の横から流し入れるように与えましょう。

老犬の運動

愛犬が自力で歩けるのであれば、愛犬の速度に合わせてゆっくり散歩をしましょう。また、前足や後ろ足などがふらつく場合、歩行補助のハーネスやベストなどがありますので、補助をしてあげながらできる範囲で歩かせてみると良いでしょう。しかし、体力的に疲れている様子があれば、無理に動かさないようにしましょう。

そして、愛犬が寝たきりになった場合、運動することはできなくなりますが、抱っこや犬用のカートなどに乗せて、外の空気に触れさせて気分転換させてあげると良いでしょう。
また、寝たきりの子は、動かなくなると筋肉も落ちて、関節も硬くなってきますので、リハビリやマッサージなどして、コミュニケーションを取りながら、愛犬の心のケアも一緒にしてあげましょう。

老犬になると、家の中でも動く機会が減り、寝てることが増えてしまいます。寝たきりになると、足腰も動かなくなり、食事や排泄も自分でできなくなってしまい、介護をしなければいけないことも増えるため、飼い主さんの負担も大きくなります。寝てばかりいるからと、ずっと寝かせるのではなく、できるだけ愛犬の心に刺激を与えて、気持ちを若く保たせることも必要です。

老犬の床ずれ

愛犬が寝たきりになった時、気を付けなければいけないのが床ずれです。特に痩せて骨が出やすくなる肩や腰、足の関節は床ずれを起こしやすく、血流が悪くなり、皮膚の一部が壊死してしまいます。また、痛みや痒みを伴う傷ができたり、水ぶくれが破裂してジュクジュクと化膿することもあります。

床ずれの初期の場合は「湿潤療法」という、傷口を乾燥させず、湿らせた状態を保つことによって、細胞が活性化しやすくなり、傷を早く治すという治療法があります。これは、水洗いした傷口にワセリンを塗り、その上に食用のラップを巻いてテープで止めるという、家にいながらケアができる治療法ですが、あまり傷口が悪化するようなら病院へ連れていきましょう。

また、床ずれができた場合の愛犬の寝床は、普段寝ている場所に低反発マットやウォーターベッドなど、体の一部分に圧力が集中するものではなく、広い面に圧力が分散されるようなものに変えると良いでしょう。

普段寝てばかりいると、床ずれができていても、なかなか気付かないこともあると思います。話ができない愛犬の代わりに、普段から体を撫でてあげるなどのスキンシップを取りながら、愛犬の体をチェックする習慣が必要なのかもしれませんね。

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老犬の排泄

老犬になると、尿が出づらくなるため、膀胱炎になったり、便秘になることがありますので、水分を多めに摂らせることが必要になります。
また、自力で排尿や排泄が難しくなった場合、愛犬の体をマッサージや圧迫をすることで排泄を促しますが、マッサージの仕方は、犬種や性別によっても異なってきますので、獣医さんの指導を仰ぎましょう。

痴呆になると、所構わず排泄してしまうことが増えてきてしまいます。しかし、そんな時は決して叱ったりしないで下さいね。愛犬がトイレを失敗してしまう時は、ペット用のオムツを使用するのが良いでしょう。オムツを使用する際、予めお尻周りや肛門周りを短くカットして置いた方が、愛犬の汚れも最小限で済みます。

また、オムツを嫌がる子は、寝床一面にペットシーツを敷き詰めるのですが、この時ペットシーツの下に撥水性のタオルシーツを敷くと、裏面がラバーのようになっているので、排尿しても寝床に染みこまず便利に使用できます。

さいごに

老犬を介護をしていると、不安になったり、イライラが募り、「もういい加減にして!」と怒鳴ってしまったことで自己嫌悪に陥ってしまったり、「この先、こんな生活がいつまで続くんだろう」と、終わりが見えない介護に、時間がとてつもなく長く感じることもあると思います。

そんな時は、一人で思い詰めるのではなく、家族や病院の先生に相談してみましょう。また、日頃からワンちゃんのママさん友達を作り、交流しておくと、愛犬の介護に行き詰まった時に、良き相談相手になってくれるでしょう。

「話をする」
ただそれだけで気が楽になることもありますよ。

老犬を介護することは、並大抵の苦労ではありません。介護にかかる労力や時間、経済的や精神的にも負担はかかるでしょう。特に、大型犬の場合は想像以上に大変だと思います。
今や、簡単にペットが手に入る時代ですが、そのペットが老犬になった時、自分は何歳になるのか、最後まで育てることができるのか、犬を飼おうと思う前に、飼育できる環境にあるのか、もう一度見直す必要があるのではないでしょうか。

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