シンガプーラは小さな体と美しい毛並みが印象的で、小さな要請のような美しい容姿ですが、どのような歴史があるのでしょうか?今回はこのシンガプーラのルーツや特徴、飼い方について解説します。

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シンガプーラのルーツとは


「小さな妖精」と言う呼び名でも知られる「シンガプーラ」。「妖精」と呼ばれる由来には、世界最小の猫種として知られることが挙げられます。

このシンガプーラですが、元々はその小さな体格を活かして「下水溝」で生活をしていた野良猫がルーツとなっています。この「野良猫」は、街中にある下水溝で生活をしていたことから、地元では下水溝を意味する「ドレイン」と、猫の「キャット」を合わせて「ドレインキャット」と呼んでいたのだとか。

そのため、シンガプーラとして認識される以前には、単なる野良猫として認識されていただけだったのです。

現在のシンガプーラの、その可愛らしい姿とは想像がつきませんが、野生下で川の魚等を捕食して生活していた野良猫が、いかにして今のような人気猫種に変わっていったのでしょうか。

シンガプーラの原産国は「シンガポール」

1970年代にシンガポールで発見されたシンガプーラ。しかし、シンガポールではまれに見かける野良猫といった程度だったため、それまではこの「野良猫」に対して特別な関心を抱くことはありませんでした。

しかし、セピア色の綺麗なアビシニアンのような野良猫がいるという事で、アメリカのメドゥ夫妻がシンガポールを訪れ、この野良猫を引き取ってアメリカへ連れて帰った事から、「シンガプーラ」としての歴史が始まりました。

その後、メドゥ夫妻が連れ帰った5頭の「野良猫」たちは、マレー語の「ライオンシティ」の意味を込め「シンガプーラ」という名称で呼ばれるようになりました。

こうしてシンガプーラは原産国であるシンガポールから海を渡り、アメリカへ渡った後に「シンガプーラ」として本格的な繁殖が開始されました。

シンガポールの「顔」として

その後は、1979年にキャットショーへ初出陳を果たし、アメリカの猫種登録団体「TICA(The International Cat Association)」によって新品種として公認、1988年には「CFA(THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION)」にも公認されるに至ります。

現在では原産国となるシンガポールの「顔」としても活躍するシンガプーラ。シンガポールの観光推進委員会は、シンガプーラを観光マスコットとして採用し、また、シンガポール川にはシンガプーラの彫刻が置かれています。

この観光マスコットは、「Kucinta(マレー語のKucing(猫)とcinta(愛)の造語」と命名され、シンガポールの人々に愛されています。

シンガプーラの大きさはどのくらい?


シンガプーラの最大の特徴となるのが、その小さな体です。下水溝で生活をしていたという事からも、その小ささが安易に想像出来るかと思います。

シンガプーラは、メスの平均体重が2〜3kg前後、オスの平均体重でも3kg前後。シンガプーラに似ていると言われ、日本でも人気の猫種で知られる「アビシニアン」でも約3kg〜5kgと、アビシニアンよりも1kg〜2kg小さいサイズとなっています。

ボディタイプはやや筋肉質で、尻尾の長い特徴を持つセミコビータイプです。また、目は丸くしっかりとした大きさで、顎の形もしっかりとした輪郭を持っているのも特徴となります。

同じボディタイプには、常に一番人気となっているアメリカン・ショートヘアなどがいます。

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シンガプーラの特徴はアビシニアンに似ている?

シンガプーラの繁殖が始まり、新品種としても認められ始めた頃、シンガプーラがアビシニアンに似ていることやメドゥ夫妻の渡航記録などから、シンガプーラが人為的(メドゥ夫妻による)に作出された猫(メドゥ家の先住猫のバーミーズとアビシニアン)であるとする議論が持ち上がりました。

この議論は一時終結し、CFAがシンガプーラを公認して話はまとまるものの、最近の研究で再び異を唱える意見が出てきています。

一見すると小さなアビシニアンにも見えるシンガプーラ。

被毛もアビシニアン特有とも言える「ティッキング(1本の毛が帯状に色が付いている)」で、根元付近の色は薄く、先端が濃い色の被毛を持っています。

その真相はどうなんでしょうかね。いずれにしてもかわいい猫であることには違いませんので、結論は気になるところですが、今は見守るしかなさそうです。

シンガプーラの性格や気質


シンガプーラの魅力はその体の小ささだけではありません。

かわいい容姿はもちろんのこと、とても人なつっこい性格で、甘えん坊な子が多いのもシンガプーラの特徴です。

また、シンガプーラはあまり鳴かない猫としても知られており、個体差はあるものの、比較的大人しい性格の子が多いようです。

人間が好きで甘えん坊、おまけに体も小さく綺麗な毛並みを持っているシンガプーラ。

特に女性に好まれているイメージもありますが、このように比較的飼いやすい猫としても認知されているので、初心者の方にも安心して飼うことができる品種かもしれません。

シンガプーラの寿命

シンガプーラの寿命は、平均で10歳〜15歳ほど。猫の中でも平均的な寿命となっています。

原産国が東南アジアのシンガポールであるシンガプーラは、寒い環境が苦手です。
そのため、シンガプーラを飼う際には、なるべく年間を通じて温かい環境で過ごすことのできる場所で飼うようにしましょう。

特に、夏と冬の寒暖差には注意が必要です。夏は涼しすぎず・暑すぎずを意識し、冬は寒さが感じられない程度にとどめておくと良いでしょう。

また、シンガプーラに多く見られる疾患の一つに「PK-Def(ピルビン酸キナーゼ欠損症)」という病気があります。

これは体内で赤血球が破壊され、溶血性貧血を引き起こしてしまう病気で、貧血や食欲が落ちると言った症状が見られます。

命を脅かす程ではないものの、注意が必要ではあります。

シンガプーラの価格は?

日本でも人気が上がってきているシンガプーラですが、相場としてはおおよそ23万円ほど。高い場合には30万を超える場合もあります。

シンガプーラは前述の通り、人気の高い猫種でありますので、ペットショップなどでも見かける機会は多いでしょう。人気の猫種ですのですぐに飼い主が決まる事が多いですが、中には少し時間がかかってから売れる子も。

そんな場合には20万円を切る位の価格で販売されることもありますので、シンガプーラを探している際には、こまめにペットショップめぐりを行うか、ブリーダーに相談してみると良いでしょう。

シンガプーラのブリーダーに関しても、比較的、全国各地にブリーダーが存在しているので、探すのも難しくは無いでしょう。

シンガプーラは猫アレルギーでも飼える?

猫が大好きでも猫アレルギーを持っているために、猫を飼育することが出来ないという方も多いですが、猫種の中には猫アレルギーが起きにくいと言われる猫種も存在します。

中でも有名なのが「サイベリアン」や「スフィンクス」ですが、あくまでもこれは猫アレルギーを誘発すると言われている「fel d1」を始めとしたアレルゲンが、他の猫種と比較すると「少ない」というだけのこと。実際の所は全くアレルゲンが無いというわけではありません。

シンガプーラに関しては、特にこのアレルゲンが少ないとは言われていないため、猫アレルギーを持つ方は飼うことが難しいかもしれません。シンガプーラに限らず、猫アレルギーを持っている方は、猫を迎え入れる前に一度、しっかりと病院などで猫アレルギーの検査を行うと良いでしょう。

シンガプーラはまるで小さな妖精!【飼い方やルーツとは?】のまとめ

前述のとおり「甘えん坊」の部分もあり「人懐っこい」部分もあるシンガプーラ。人に甘やかされることは大好きな品種ですが、寂しい環境やストレスのかかる環境は苦手な傾向があります。

シンガプーラを飼う場合は、留守番などが少なく、落ち着いて過ごせるような環境に向いています。遊び場を作ることはもちろん、狭い場所も好みますので、シンガプーラが落ち着ける場所を作ってあげましょう。

また、多頭飼育を考えている場合は相性が大事になりますので、先住猫の性格も考慮して考えましょう。

こうした性格の部分も考慮して、シンガプーラを飼うかどうかを考えてみてくださいね。

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