犬の目の病気に限らず、人の病気にも存在する「白内障」と「緑内障」は一見すると違う病気とはわかるものの、やや響きも似ているために、それぞれどのような症状なのんでしょうか?今回はこの両病気の特徴と症状・治療に関して見てみましょう。
「白内障」と「緑内障」。名前は似ているが
目の病気で、「白内障」と「緑内障」という病名を聞いたことがあると思いますが。
なんとなくイメージは出来るものの、この2つの病気がどういった症状や、どういった原因で発症するものなのかは、意外と知られていないかもしれません。
「白内障」とは、先天的・もしくは外傷や病気の併発による後天的な理由によって引き起こされ、眼球内にある水晶体が白く濁ってしまう目の病気です。
白内障を発症することで、視力の低下や、場合によっては失明してしまう場合があります。
一方「緑内障」とは、眼球内部にある「眼房水」という液体が増加してしまうことにより、「眼圧(眼球の形を維持する圧力)」が上昇してしまう事で発症する目の病気で、悪化してしまうと最悪の場合、視力を失ってしまう病気です。
このように、病名はなんとなく似ていますが、この両方の病気はそれぞれに違った症状を抱えた病気であり、原因や治療方法も異なっています。それぞれの病気について、さらに詳しく掘り下げてみましょう。
「白内障」を発症する主な原因とは
白内障が先天性・後天性の原因で発症するのは前述の通りですが、さらには、
- 若年性白内障
- 老人性白内障
のものにも分けられます。
5歳以下の犬が発症する場合が「若年性白内障」に分けられ、原因は先天的な遺伝子疾患が疑われます。
対して「老人性白内障」の場合は、文字とおり高齢の犬が発症する白内障で、「老化現象」のひとつとして考えられます。
よく老犬の目が濁ってきたというのも、この老人性白内障の症状になります。
後天性の要因は、目に傷を負った場合の外傷的な場合や、「糖尿病」といったホルモン系の病気を患ってしまった場合に併発するものもあります。
また、他の目の病気を患い、進行していったことで白内障を併発してしまう場合もあります。
「白内障」の症状と治療法
白内障を発症すると、目のレンズの役割を果たす水晶体が白く濁るため、見た目にも目が白く濁って見えます。
また、視力の低下がみられ、急な物音に驚くといった行動や、壁伝いに歩いたり、物にぶつかって歩くといった行動も見られるようになるでしょう。
発見が遅れてしまうと、最終的には視力を失うまでに至ってしまいますので、早い段階で発見して治療することが有効的です。
白内障の治療に関しては、要因となる病気の治療が急がれますが、白内障自体の治療に関しては、同じく点眼薬などによって症状を遅らせる治療となります。
また、視力を回復させるために手術も必要となってきます。
白内障を発症して水晶体が一度濁ってしまうと、濁りを取り除くことができませんので、この場合も外科手術をする場合があります。
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「緑内障」の特徴と症状とは
緑内障は、経過の状態から、
- 急性緑内障
- 慢性緑内障
と判断されます。
急性緑内障の場合、その痛みから犬の元気が減少したり、食欲の低下、嘔吐といった行動が見られるようになります。
また、目の辺りに強い痛みが生じているために、触られるのを嫌がると言った行動も見られるでしょう。
また、犬の目の色も「青灰色」に見られたり、眼球が飛び出して見えるようになってきます。
慢性緑内障の場合は、慢性的に眼圧が高い状態にあり、眼球が次第に大きくなってくることが見られます。
また、視神経や網膜が慢性的に圧迫されている状態なので、角膜にヒビがはいったようにも見えます。
いずれの場合も、眼圧が上昇してしまうために、視神経への圧迫や網膜が圧迫されてしまい、視力の低下だけにとどまらず、視力障害や失明といった、重い症状になってしまいます。
「緑内障」の原因と治療法
緑内障の治療は、内服薬や点眼剤による投与で眼圧を下げて、緑内障の進行を遅らせる治療となります。
しかし、治療段階で視力を失ってしまっている場合は、眼圧の上昇による痛みを取り除くために、眼球を摘出して「義眼」を挿入する場合もあります。
急性・慢性のいずれの場合も、他の病気が要因となって緑内障を併発してしまう場合がありますが、この場合は緑内障の治療を施し、さらには、要因となる病気を優先的に治療することが急がれます。
緑内障は完治が難しい病気なので、できるだけ進行を遅らせることが重要となり、自宅で点眼薬等で治療を施し、通院して眼圧を計測するといった流れになってきます。
視力を失わせない為にも、早期発見が急がれます。
犬の目の病気について!【白内障と緑内障の違いは?】のまとめ
急激な痛みを伴う場合もある「緑内障」と、徐々に視力が失われる「白内障」、全く別の病気だということがお分かりいただけたかと思います。
いずれの場合も日頃から注意深く見ていないと分かりにくい病気でもあります。
いずれの場合も、他の病気で併発してしまう事もありますので、目のケアに限らず、常に犬の健康管理には注意をするようにしましょう。
飼い主とのコミュニケーションに欠かせない「目」ですので、日頃からチェックも兼ねて眼と眼を合わせて会話をしたり、定期的に検診を受けるなどして、早期発見・早期治療が行えるようにしていきましょう。
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