シーズーを飼っている方もこれから飼いたいと思っている方いると思いますが、シーズーを飼う上でどのようなことに気をつけなければいけない事あるのでしょうか?今回はシーズーの特徴や性格をチェックしてみましょう。
シーズーとは
ペットショップで「一番飼いやすい犬は?」と店員さんに尋ねると、必ず名前が挙がるのが、この「シーズー」です。
シーズーは、温厚な性格の持ち主のため、子供からお年寄りまで世代を気にせず育てることができると、幅広い層に人気の犬種です。
外見は、鼻はぶちゃっと潰れていて、大きな眼球は飛び出そうなくらい前に出ています。
大きな口角は常に上がっていて、まるで笑っているようです。
とても可愛らしい外見とは言えませんが、こんなチャーミングなところが、この犬種が長く愛された理由と言えるでしょう。
中国が原産国として知られる、シーズーのルーツとは
シーズーは中国で「獅子(ライオン)狗(犬)」=(シー・ズー・クー)と呼ばれていて、仏教の信仰があった中国では、最も尊ばれた動物として「獅子」と呼ばれていたようです。
こうした話もあり、シーズーと言えば中国が原産国として知られていますが、実はシーズーのルーツは、17世紀のチベットにまで遡ります。
そのルーツによると、シーズーは、
- 中国が原産国の「ペキニーズ」
- チベットが原産国の「ラサ・アプソ」
の混血によって作られたと言われており、当時のチベットでは、この犬種は神聖な犬として大切に扱われていたそうです。
そしてその後は中国に渡り、清朝時代(現在の台湾)の王宮で数百年もの間、愛玩され続けました。
1930年頃にはイギリスへと輸出されましたが、当時のイギリスでは「シーズー」と「ラサ・アプソ」の区別がつかなく、同犬種として扱われていましたが、1934年にそれぞれ別の犬種として分けられるようになりました。
やがてアメリカへと渡り、世界各所で公認犬種となり、1884年にアメリカで設立された愛犬家団体「AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)」によって、1969年に正式に認められるようになりました。
シーズーの性格
人懐っこく、とても陽気で大らかな性格の子が多いシーズー。
明るく活発で、遊ぶことが大好きな犬種なので、飼い主さんは日頃から沢山スキンシップを取り、どんどん信頼関係を築いていきましょう。
また、小型犬でありながら、小型犬特有の無駄吠えもなく、とても友好的で人見知りもしません。
飼い主さんの歩幅に合わせて上手に歩くこともできますので、お散歩のパートナーとしては最適の相棒になるでしょう。
しかしその反面、したくない事は絶対しないという頑固な一面を持ち合わせております。
飼い主さんは愛犬をワガママなわんちゃんにしないよう、そんな一面とも向き合いながら付き合っていく必要があります。
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シーズーの被毛
全体的に長い被毛で覆われており、その毛は抜けづらいため、室内犬に向いています。
しかし、毛が抜けない分、そのままにしていると長く伸び続けてしまうため、短くカットしているわんちゃんは、月に一度のトリミングは必須になります。
その他、シーズのの被毛は毛玉になりやすいのでこまめにブラッシングをしてあげましょう。
シーズーの被毛の毛色は、基本的にあらゆる毛色が認められていますが、日本では黒と白、茶色と白の「パーティーカラー」が多いです。
特に額部分と尻尾の先端に「白色」が入った方が良いとされています。
シーズーは暑さに弱い
シーズーの被毛は、祖先犬がラサ・アプソ(高山気候)とペキニーズ(亜寒帯冬季少雨気候)であるため、寒さには比較的強いのですが、日本のような高温多湿の気候など、暑さにはあまり強くありません。
また、シーズーの皮膚に関しても同じことが言え、高山気候は比較的乾燥した空気であるために、シーズーも乾燥に耐えうる皮膚に進化してきました。しかし、日本のような気候ですと、ジメジメとした暑さが続くため、乾燥に強いシーズーの皮膚は常に水分量や油分が多くなってしまい、結果として皮膚炎などを引き起こす場合があるのです。
こういった理由のため、シーズーは暑さに弱く、ジメジメした空気にも弱いのです。日本の夏はシーズーが苦手な季節とも言えるため、外の気温が高い時のお散歩は避けるようにしましょう。
シーズーと脂漏性皮膚炎
シーズーは「脂漏性皮膚炎」と呼ばれる皮膚炎を起こしやすい犬種として知られます。これも、前項にある通り、シーズーの被毛や皮膚が日本の環境にマッチしていないために起こるものです。
シーズーの被毛は、夏場などに何のケアもしなければ常に被毛と皮膚の間で熱がこもっている状態になり、高い湿度を保ってしまうことになります。湿度が高くなってしまい、皮膚も汚れた状態にあると、菌が繁殖しやすい環境になってしまうため、脂漏性皮膚炎などの皮膚炎を引き起こしやすい環境になってしまうのです。
また、脂漏性皮膚炎は年齢を重ねるごとに増加してしまうという事も指摘されています。
シーズーが脂漏性皮膚炎を引き起こさないよう、特に夏場はトリミングに出したり、こまめに皮膚や被毛のケアを行うようにし、雑菌が繁殖しないように注意する必要があります。
シーズーの暑さ対策でサマーカットというカットも
シーズーの蒸れやすい、密集した毛を思い切ってカットしたのが、「サマーカット」と呼ばれるカットです。
トリミング等でサマーカットで依頼すると、通常はバリカンで仕上げられることとなり、3mmや5mmなど、飼い主さんの希望の短さに仕上げてくれることとなります。ほぼ丸刈りの状態になりますが、耳の毛や尻尾などは残すようにカットするのが一般的かもしれません。
サマーカットの利点としては、蒸れやすいシーズーの被毛をカットするので夏場でも比較的サラサラな状態を保つことが出来る他、毛玉になると行った心配もありません。
一方でデメリットも。丸刈りの状態になるために、体温もそれにともなって下がってしまうため、温度管理には注意が必要になります(例えば、クーラーが直撃するような環境など)。また、被毛がまるで無いので、散歩中などは怪我をしないように気を付けなければ行けません。
メリット・デメリットはありますが、日本の夏を乗り切るには、サマーカットはシーズーにとって有効的な暑さ対策となるでしょう。
シーズーを飼う時に気をつけなければいけない事とは?
シーズーを飼う上で気をつけなければならないのが、シーズーの特徴でもある「短吻種(目の前から口までの長さが短い犬のこと)」だと言う事です。
短吻種の犬種は、体の構造的に呼吸器の機能が弱く、麻酔を行う場合は若干リスクが高くなるので配慮が必要です。
また、短吻種の犬種は「体温調整が苦手」な犬種でもあります。熱中症には十分気を付けましょう。
そして、熱や気圧の変化にも弱いことから、飛行機での輸送を断られる場合があるので、飛行機を利用して旅行に行く際は、予め航空会社で確認するようにしましょう。
そして、シーズーを飼う時に注意すべき点は、シーズーのチャームポイントでもある大きな目です。
シーズーに限りませんが、大きな目は飛び出て傷付きやすく、「白内障」になりやすいため、日頃から愛犬の目への配慮とチェックは欠かさず行いましょう。
その他、シーズーの垂れ下がった耳は、耳の中まで毛で覆われています。
立ち耳の犬種に比べ通気性が良くないため、耳の中が蒸れたり、カビや雑菌などが繁殖しやすく、「外耳炎」などの原因になります。暑い夏や湿気が多い季節は特に気を付けて、こまめな耳掃除が必要です。
シーズーはアレルギー持ちが多い?
シーズーは食物アレルギーを持っている子が多いと言われます。確かに、比較的多いとは思いますが、シーズーは前述の通り皮膚も弱く、日本の気候に合っていないため、皮膚に問題を抱えている子が多いのです。
近年では犬の食物アレルギー、特に穀物アレルギーに対して敏感になっているため、皮膚に異常が発生しても、まっさきに食物アレルギーを疑ってしまう傾向にあるのかもしれません。
しかし、問題は食物アレルギーではなく、飼育環境や皮膚・被毛のケアである場合も多く見受けられます。食物アレルギーを疑う前に、まずは飼育環境を整えてあげる事から始めてみましょう。
ドッグフードを変えることでも、体質の改善は行なえますが、飼育環境が清潔でなかったり、常に皮膚にダメージが加わっているような環境下では、いくらドッグフードを変えたところでも皮膚の改善は見込めません。
シーズーの販売価格は?
シーズーは日本でも人気犬種のひとつですので、ペットショップなどでも見かける機会は多いでしょう。また、月齢によっても様々な販売価格で売られていることもあります。
シーズーの平均価格はおおよそ15万円前後といったところです。毛色が一番一般的なゴールド&ホワイトであれば、上記位の価格で取引されていることが多いですが、希少色の「ソリッド」等のカラーになると一気に価格も跳ね上がり、50万円以上という場合も少なくないようです。
また、シーズーを繁殖しているブリーダーも多いので、ブリーダー直販で迎え入れる方も多く、シーズーのブリーダーを探すことも容易かと思います。
シーズーの毛色にこだわるのであれば、ブリーダーから親の毛色などの情報を得ながら探すのがベストになりますが、確実に同じ毛色が誕生するとは限らないため、ブリーダーと共に辛抱強く探すこととなるでしょう。
シー・ズーのルーツと飼い方!【特徴や性格は?】のまとめ
シーズーは、性格も温厚で、他の犬ともコミュニケーションを上手に取る事ができる犬種ですので、多頭飼いにも向いてる犬種でもあります。
子犬の頃から沢山の犬とふれあう機会を作り、社交性を身につけてあげましょう。
小さなお子様がいるご家庭でも、お子様と仲良く遊ぶことができ、高齢の方でも良き「お散歩仲間」にも最適なシーズー。
どんな犬がいいか迷っている方は、ぜひシーズーのかわいさに触れて、選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか?
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