グレート・ピレニーズを飼っている方もこれから飼いたいと思っている方も多いんではないでしょうか?今回は犬種の一つグレート・ピレニーズについて特徴や性質、気をつけなければいけない事などがありますのでグレート・ピレニーズを飼う上で特徴などを理解していきましょう。
グレート・ピレニーズとは
グレート・ピレニーズと言えば、
- 体が大きく
- 綺麗な白い被毛を持ち
- 気品と優雅さを兼ね備えている
反面、フランス・スペイン・アンドラ公国の3国にまたがる山脈「ピレネー山岳地域」の、極寒な天候の環境下で、護衛犬として勇敢に闘っていた犬種としても知られています。
グレート・ピレニーズのルーツ
グレート・ピレニーズの祖先は「チベタン・マスティフ」と言われています。
その起源はとても古く、紀元前にアーリア人やフェニキア人によってヨーロッパに運ばれ、ピレネー山岳地域で羊などの家畜を、オオカミや熊から守る護衛犬として働いていました。
その後、17世紀後半に「太陽王」の名で知られるフランスのルイ14世の目に留まり、1675年に「フランス王室犬」に定められています。
また、グレート・ピレニーズは、「ニューファンドランド」や「セント・バーナード」と同じ血筋であることも有名です。
バスク人がニューファンドランド島へ持ち込んだグレート・ピレニーズは、後の「ニューファンドランド」の元となり、絶滅の危機にあった「セント・バーナード」を復活させたのも、このグレート・ピレニーズでした。
そしてこの犬種は、イギリスにある世界最古の愛犬家団体「KC(ザ・ケネルクラブ)」により、1885年に公認品種として登録されました。
ヨーロッパではこの犬種を「ピレニアン・マウンテン・ドッグ」と呼ばれております。
また、アメリカでは、1933年にアメリカの愛犬家団体「AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)」に承認され、「グレート・ピレニーズ」の名前で登録されています。
グレート・ピレニーズの性格
グレート・ピレニーズはとても穏やかでのんびりした性格の持ち主で、信用した家族に対して従順で忠実な犬種です。
子供や他の動物にも友好的に接します。
その反面、元々護衛犬であったため、防衛本能や警戒心が強く、見知らぬ人には断固とした態度で接するので、番犬には最適です。
また、グレート・ピレニーズは独立心が強く、頑固な一面もあるので、上下関係ができていない飼い主さんに対して、優位に立とうとする傾向があり、問題行動を引き起こす原因になる場合もあります。
グレート・ピレニーズの被毛
グレート・ピレニーズは、ピレネー山岳地域の極寒の中でもその寒さから身を守り、悪天候にでも対応できるように、柔らかく密集した、「アンダーコート(下毛)」と、平らで硬く長い「オーバーコート(上毛)」の2種類の被毛を持ち合わせています。
そのため、グレート・ピレニーズの被毛は、冬は暖かく快適に過ごせますが、暑い夏にはとても弱いため、散歩の時間や天候には充分に配慮するようにしましょう。特に注意しなければいけないのが「熱中症」です。
夕方になって温度が下がったと感じても、アスファルトの温度はまだまだ暑い場合があります。下からの温度は犬にとって弱点にもなりますので、気温だけでなく、地面からの温度にも気を付け、熱中症にならないようにしましょう。
グレート・ピレニーズの被毛の色
グレート・ピレニーズの被毛は、基本的に全て白い被毛ですが、白い被毛に「斑点」が入るカラーも存在します。
斑点がある場合、
- グレー
- イエロー
- ウルフカラー
- オレンジ
いずれかの斑点が頭部・耳・尾の付け根に入ります。
グレート・ピレニーズの美しい被毛を維持するためには、こまめなブラッシングが必要になります。特に、ダブルコートの被毛は抜け毛も多く、換毛期には多くの毛が抜け落ちてきます。
換毛期は特にですが、しっかりとムダ毛を取り除き、被毛を清潔に保つことが皮膚病の予防や、被毛の美しさを保つ要因となりますので、スキンシップも兼ねてしっかりとブラッシングをしてあげるようにしましょう。
グレート・ピレニーズとサモエドの違い
白くて大きな犬として挙げられるのはグレート・ピレニーズの他にも、上記の写真の犬、「サモエド」がいます。サモエドも白い毛で、大きな体をした犬ですが、パット見は似ているものの、グレート・ピレニーズは大型犬なのに対し、サモエドは中〜大型犬に分けられる犬種です。
グレート・ピレニーズの体重は35kg〜55kgほどにもなりますが、サモエドは15kg〜30kgほど。サモエドは中型犬とも、大型犬とも紹介されますが、一般的には大型犬のサイズとなります。
他にも、耳の付いている場所が違う事や、マズルなど、見慣れればグレート・ピレニーズとの相違点も多いことがわかりますが、あまりご存知でない方が見ると、白い毛をしている犬種たちですので、同じ犬種に見られることもあるようです。
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グレート・ピレニーズの大きさ
前述の通り、サモエドと比較するとグレート・ピレニーズの大きさがよりわかりやすいのですが、体重以外にも、体高は65cm〜80cmほどと大きな体をしています。
体が大きな犬は、心が優しい犬が本当に多いですが、グレート・ピレニーズも代表的な心の大きな犬です。目を見ると優しい犬ということがわかりますが、そんな優しいグレート・ピレニーズも体が大きいために力も強く、悪気がなくとも何かを倒してしまったり、飼い主さんを引っ張ってしまったりといった事も起こります。
本気を出せば非常に強い犬種ですので、しっかりと飼い主さんがコントロール出来ることが重要になるでしょう。しつけ教室に通わせるなど、飼い主さんだけでなく、他人にも危害を加えないような躾を確実に入れるようにしましょう。
グレート・ピレニーズの飼育時に気を付けるべきこと
グレート・ピレニーズがかかりやすい病気とされているのが、大型犬に多い「股関節形成不全」です。
この股関節形成不全は、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気です。
肥満体型は、股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。
また、グレート・ピレニーズの耳は垂れ耳で、立ち耳の犬種に比べ通気性が良くないため、耳の中が蒸れたり、カビや雑菌などが繁殖しやすく、「外耳炎」などの原因になります。
暑い夏や湿気が多い季節は特に気を付けて、こまめな耳掃除が必要です。
グレート・ピレニーズの寿命はどのくらい?
グレート・ピレニーズの寿命は、おおよそ10歳〜12歳ほどと言われています。グレート・ピレニーズは大型犬ですので、日頃からしっかりとした運動を行うことが、日頃の健康管理に欠かせない要素となります。
大型犬は小型犬に比べると体も大きく、より多くの運動量を必要とします。1回の散歩は1時間程度、1日に2回は最低でも欲しいところです。
また、時折散歩コースを変えるなどの工夫も大事です。日頃から同じ散歩コースを散歩するのが悪いわけではありませんが、たまには別のコースを選んで、刺激を与えてあげるのも大事です。
毎日のコースですと、だいたい寄り道するコースも決まってきますが、新しいコースにすると新鮮な刺激もたくさんあります。このように、たまに脳や心に刺激を与えてあげるというのも、長生きしてもらえる一つの要因にもなるのです。
グレート・ピレニーズのブリーダー
グレート・ピレニーズは、ペットショップで見かけることは少ないものの、全くいないというわけではありません。大型犬の中でも、グレート・ピレニーズは比較的人気の犬種でもあるので、タイミングが良ければ会えるペットショップもあるでしょう。
ただし、実際にグレート・ピレニーズを迎え入れる際にはブリーダーからの直販のほうが手っ取り早いかもしれません。また、大型犬種は飼育相談するにも、飼い慣れている方のアドバイスを聞きたいもの。小型犬とは勝手も違うため、全てが参考になるとはいえないのです。
そのため、ブリーダーから迎え入れることで、ブリーダーに相談する事もできますので、後々の事を考えるのであれば、ブリーダーから迎え入れるのをおすすめします。
グレート・ピレニーズのルーツと飼い方は?【性格や飼育時の注意はコレ!】のまとめ
グレート・ピレニーズは、普段はとても温厚な性格の持ち主ですが、元々は護衛犬として果敢に闘ってきた性質を持っています。
ストレスや恐怖といった何かの衝撃によって潜伏していた闘争心が表に出ないよう、子犬の時から飼い主さんとの上下関係をつけながら躾をしましょう。
また、グレート・ピレニーズは体が大きい分、毎日の散歩は欠かせませんが、激しい運動は必要としません。
長い時間のんびりと散歩したり、山の上り下りをすることも得意なので、飼い主さんと一緒に登山をすることもお勧めです。
グレート・ピレニーズは体が大きく、頑固な面を持ち合わせている分、躾が難しいと言われていますが、一度信用した家族に対しては、いざとなった時には、何が何でも守ろうとします。
こんな強靱なグレート・ピレニーズですが、実はとても寂しん坊で甘えん坊なところもあります。
毎日のスキンシップを欠かさず、アイコンタクトを取りながら、愛情を持って接してあげましょう。
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