鳥の普段のご飯に+αでカルシウムやミネラルを摂取させる必要がありますが、中にはなかなか摂取してくれなかったり、著しく栄養が不足してしまうなんてことも。そんな時は、すぐにサプリメントを利用して、普段のフードや水に混ぜて与えるようにしましょう。
鳥と不足しがちな栄養
市販で販売されているバードフード。様々な種子を混ぜ合わせたもので、インコにとってバランスの良い栄養を摂ることの出来る配合がされていて、バードフードと塩土や野菜をあげるだけでも、インコは健康的な生活を送ることが出来ます。
しかし、「カルシウム」や「マグネシウム」」「ミネラル」などのほか、ビタミンも不足してしまうと、すぐに病気を発症してしまったり、身体に異常をきたしてしまいます。
食事だけでは賄えない栄養素を、野菜や果物などのおやつや、サプリメント等から摂取する必要もあります。
カルシウム不足によるカルシウム欠乏症やクル病
様々なビタミンや栄養素にも関係してくるカルシウム。カルシウムが不足してしまうと、骨が弱くなってしまうだけではなく、様々な栄養バランスにも影響するため、様々な病気を併発してしまう恐れもあります。
カルシウム不足が原因で発症する代表的な病気には「クル病」が挙げられます。クル病の特徴的な症状には脚の変形や翼が垂れ下がってしまうといった症状が見られますので、すぐに気が付くことができる病気ではありますが、カルシウムが不足している、もしくはリンの過剰摂取によって引き起こされる病気でもあります。
こうした事態を予防するため、カルシウムの摂取は必須となります。しかし、リンの過剰摂取も要因となりますので、あくまでバランスを取りながら摂取させることが大事になってきます。
カルシウム不足を補うために
不足しがちなカルシウムを補うためには、「カットルボーン」や「ボレー粉」といった商品を与えるようにし、カルシウム不足を解消させます。
カットルボーンは、イカの甲で作られており、ボレー粉は貝殻を粉砕したものです。他にも、卵の殻などの製品も存在します。
マンゴー等の風味を持たせたカットルボーンなどもあるようですが、こうしたおやつ代わりの物でもだめならば、サプリメントでフードに振りかけるタイプのものや水に溶かすタイプのもので、カルシウム不足を解消するようにしましょう。
カルシウム不足によってクル病を引き起こす場合がありますが、この他にも低カルシウム血症など、カルシウム不足で引き起こされる病気はいくつかありますので、十分に注意し、日光浴をさせて体内の栄養バランスを整えさせることも大事になります。
日光浴も大事なサプリメントに
カルシウム不足を補うために、上記でも説明したカトルボーンやボレー粉を与えているだけで安心してはいけません。
カルシウムは体内に取り込むだけでは不十分であり、ビタミンDとのバランスが非常に重要になってきます。そして、ビタミンDの不足を補うために大事なのが「日光浴」なのです。
前述でも説明しましたが、カルシウムを摂取させつつ、日頃からしっかりと日光浴をさせて、体内の栄養バランスを整えることが大切です。鳥は日光浴を行うことでビタミンDを体内で合成させますので、1日に30分程度でもよいので日光浴させるようにしましょう。
カルシウムはビタミンDがなければ体に吸収させることが出来ません。ですので、日光浴とカルシウム補給は密接な関係であり、非常に重要な役割を果たしているわけです。
日光浴不足が不十分な鳥におすすめのサプリメント
日光浴が思うように出来ず、ビタミンD不足からカルシウム不足を招くというのは説明してきたとおりですが、日光浴をさせたくてもなかなか行えないという飼育環境もあるでしょう。
そんなときにおすすめなサプリメントが液体のサプリメントです。「CALMAX×10」などが代表的ですが、このサプリメントは水溶性のカルシウムを高配合し、さらにビタミンD3とMgイオンを含んでいます。
水溶性なので体への吸収も早く、ビタミンD3を含むことで日光浴不足の解消にも効果が期待できるサプリメントなのです。
ただし、こうしたサプリメントだけに頼らず、日光浴ができる環境であれば、しっかりと天然のサプリメントである日光浴をさせるようにしましょう。こうしたサプリメントはあくまでも補助的に、どうしても日光浴が難しい場合に利用するのが理想的です。
ナトリウム欠乏症を予防するために
鳥の不足しがちなミネラル・ナトリウムの補強に最適なのが「塩土(えんど)」などです。ただ単純に塩分を与えるというのも難しいため、こうして土で固めた塩分を鳥かごに置いておくことで、鳥がつついて塩分を摂取し、また、くちばしの伸びすぎを防ぐなどの効果も期待できます。
塩土に関しては、好みも大きく分かれるかもしれません。大きいサイズ、小さいサイズ、粉末状のものなど、種類も様々ありますが、興味がない子は全く興味を示さないことも。そんなときは、サプリメントでミネラル不足を解消するようにしましょう。
ミネラル分が不足してしまうと、ナトリウム欠乏症を発症してしまい、毛引きや精神不安定といった症状が見られるようになります。逆に、過剰に塩分を摂取してしまうと、高血圧や胃炎、動脈硬化などの弊害が起きてしまいます。くれぐれも、適量を意識して与えるようにしましょう。
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換羽期や繁殖期などのストレスのかかる時に
鳥の腸は非常にナイーブなので、ちょっとしたストレスなどがかかってしまうと、下痢をしてしまう鳥も少なくありません。こうした腸や便のトラブル、ストレスの緩和などに用いられるサプリメントが「乳酸菌」や「フラクトオリゴ糖」等が配合されたものです。
また、繁殖期を迎えた時や換羽期を迎えている時にも、サプリメントは効果的です。有名な物では「ネクトン」等が代表されますが、様々なビタミン、アミノ酸を含んだ、非常に栄養バランスの取れたサプリメントも販売されています。
愛鳥の体調が最近おかしいなと感じた時にも、こうしたサプリメントを一つ持っていると安心です。フードに混ぜても、水に混ぜてもよい粉末タイプなので、換羽期でなく体調を崩してしまったというタイミングでも、すぐに飲ませるようにしましょう。
ハーブも健康に良いものを
最近ではハーブの配合されたおやつなども見かけるようになりました。人間にとってもハーブは体に良いもので、体だけでなく精神的にも良い匂いがするハーブもたくさんありますね。サプリメント変わりに少量ずつ与えても、体に良い効果をもたらすハーブ類は、ぜひとも取り入れていきたい食べ物でもあります。
例えば、「タンポポ」は消化器系の働きを促進するのに役立ち、「クローバー」はマグネシウムが豊富で血液の循環を高める作用、「オオバコ」は消化器系や泌尿器系の改善や予防に、「パセリ」は抗菌作用に優れ炎症などの緩和に、「ナズナ」は胃腸や下痢にたいして効果があるなど、それぞれに優れた効果・効能が期待できるものばかりです。
この他にも、人間と同じくリラックス効果に期待ができる「ラベンダー」や「カモミール」、免疫力の向上には「ユーカリ」、抗炎症・抗がん作用に期待ができる「アルファルファ」、消化を助け胃腸に効果が期待できる「ミント」などのハーブにも効果が期待できます。
天然のサプリメント
上記でも紹介したハーブ類を与えるのも効果的ではありますが、バランスよく与えるのが難しかったり、1種類だけを集中して食べてしまうために栄養バランス的にも不十分な場合もあります。そんなときに試してみたいのが「鳥用のビール酵母」です。
天然のサプリメントであるビール酵母は、豊富なビタミンB群やカルシウム、アミノ酸を含む素晴らしいサプリメントです。成長期のインコにもおすすめですが、日頃から多尿多便気味のインコにもおすすめのサプリメントです。
餌に混ぜて与えたり、水に溶いて与えることも出来ますので、愛鳥の様子を見て、与えやすい方法で与えてみると良いでしょう。
愛鳥にサプリメントを与えたくても、なかなか思うように食べてくれなかったり、水に混ぜてもなかなか水を飲もうとしてくれないなど、ちょっと味や臭いが変わると警戒してしまう鳥も少なくありませんが、バランス的には非常に整っているサプリメントですのでおすすめです。
ネクトンはサプリメントの種類も豊富
前述でも紹介した「ネクトン」。ネクトンは1種類だけではなく、様々なサプリメントを扱うブランドですので、鳥を買っている方は一度はチェックしておくべきブランドの一つです。
その種類も多岐にわたっており、幼鳥にもおすすめな「ネクトン BIO」や、栄養バランスの気になる鳥におすすめな「ネクトン S」、ミネラル不足やカルシウムの補給におすすめな「ネクトン MSA」など、たくさんのサプリメントがあります。
味の好みはさておき、サプリメントの種類をある程度把握しておくことで、鳥が不足しそうな栄養素の勉強にもなりますし、万が一不足が疑われる場合にもすぐに気が付くことができるようになるでしょう。
鳥用のサプリメントにもいくつかの種類、各メーカーからも色々と登場していますが、ネクトンはその中でも特にチェックしておくべきブランドの一つです。
まとめ
色々なサプリメント、色々なおやつが販売されていますが、鳥用の物はだいたいが栄養を考えた商品が並びます。鳥が好きだからといって、極端に同じものばかりを食べるのは、栄養過多になってしまう恐れもありますので、飼い主さんの方である程度バランスをとりながら、フードやおやつ、サプリメントを与えるようにしましょう。
人間のサプリメントの感覚とは違い、鳥用のサプリメントは、栄養ドリンクに近いようなものです。常備しておいてもよいものなので、鳥の好みに合わせて、こういったアイテムを揃えておくようにしましょう。
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