鳥にもご飯だけではなく、おやつも与えたいという方も多いかと思います。犬や猫のようにジャーキーなどはありませんが、最近ではクッキータイプのおやつなんかもありますね。しっかりと鳥の栄養について考えながら、おやつを与えるようにしましょう。
不足しがちな栄養はおやつから
バードフードは様々な種子などが配合されており、鳥の栄養バランスも考えられて作られてはいますが、バードフードだけでは鳥の健康を常に維持することは難しいでしょう。そのため、おやつ代わりとして、栄養素を含んだ様々な商品が販売されています。
鳥は、「カルシウム」や「マグネシウム」「ミネラル」などのほか、ビタミンも不足してしまうと、すぐに病気を発症してしまったり、身体に異常をきたしてしまいます。鳥の体は小さいので、飼い主さんがイメージしているよりも早く、体に悪影響が見られ始めるでしょう。
そのため、食事だけでは賄えない栄養素を、おやつなどから摂取する必要もあり、また、鳥の本能的な部分を引き出し、ストレスがかからないようなおやつを与える工夫も必要になります。
日頃の観察を欠かさないように
とはいえ、栄養があるからとおやつを鳥かごにいれても、鳥も好みがありますので、興味のないものは無関心だったりもします。そのため、いかに興味をひくようにするか、食べてくれるように工夫するか、他のおやつに変えてみるかなど、色々と頭を悩ませる部分でもあり、楽しみな部分でもあるのが、鳥のおやつです。
愛鳥の好みを把握するには、日頃から与えているバードフードの何を好んで食べているか、何を残しているかをチェックしてみることをおすすめします。
ミックスフードですと、7種、8種と様々な種子が混ぜられています。この中でも好んで食べている種子や、興味を示さない種子、食器からはじき出す嫌いな種子など様々な様子が見られます。こうした細かい点にも注意してみましょう。
カルシウムの補強に
様々なビタミンや栄養素にも関係してくるカルシウム。カルシウムが不足してしまうと、骨が弱くなってしまうだけではなく、様々な栄養バランスにも影響するため、様々な病気を併発してしまう恐れもあります。こうした事態を予防するため、カルシウムの摂取は必須となります。
この不足しがちなカルシウムを補うためには、「カットルボーン」や「ボレー粉」といった商品を与えるようにし、カルシウム不足を解消させるようにしましょう。
カットルボーンは、イカの甲で作られており、ボレー粉は貝殻を粉砕したものです。他にも、卵の殻などの製品も存在します。メーカーによっても香りや形が微妙に違いますので、愛鳥の好みのメーカーのカルシウムを見つけておくようにしましょう。
興味を示すものを探しましょう
鳥にとってカルシウムは欠かせない栄養素ですので、カルシウム不足には十分に注意しなければなりません。ただ鳥かごに入れて安心するのではなく、しっかりと愛鳥が食べているか、ちゃんと減っているかの確認も欠かせません。
カットルボーンに興味を示さなかったらボレー粉を、ボレー粉もだめならば更に粉砕してみて、それでもだめなら卵の殻といった具合に、愛鳥の好みに合わせていくのも大事なことです。
スムーズに食べてくれれば良いですが、ほとんどはすぐに食べてくれないと思って良いでしょう。鳥は警戒心が強いので、なかなか本命に出会うのは難しいです。こうしたおやつ代わりの物でもだめならば、サプリメントでフードに振りかけるタイプのもので、カルシウム不足を解消するようにしましょう。
ミネラルの補強に「塩土」
鳥の不足しがちなミネラル・ナトリウムの補強に最適なのが「塩土(えんど)」などです。ただ単純に塩分を与えるというのも難しいため、こうして土で固めた塩分を鳥かごに置いておくことで、鳥がつついて塩分を摂取し、また、くちばしの伸びすぎを防ぐなどの効果も期待できます。
塩土に関しては、好みも大きく分かれるかもしれません。大きいサイズ、小さいサイズ、粉末状のものなど、種類も様々ありますが、興味がない子は全く興味を示さないことも。そんなときは、サプリメントでミネラル不足を解消するようにしましょう。
ミネラル分が不足してしまうと、ナトリウム欠乏症を発症してしまい、毛引きや精神不安定といった症状が見られるようになります。逆に、過剰に塩分を摂取してしまうと、高血圧や胃炎、動脈硬化などの弊害が起きてしまいます。くれぐれも、適量を意識して与えるようにしましょう。
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「粟の穂」
ペットショップなどでも売られている「粟の穂(あわのほ)」。粟(あわ)自体は、バードフードにも配合されている場合も多く、幼鳥の時に食べていた「粟玉」なので、比較的ほかのおやつよりは、食べ馴染みのあるおやつではないでしょうか。
この粟の穂、昔から販売されているものですが、だいたいのインコも喜ぶ、鳥のおやつ・おもちゃの代表格です。粟の味もさることながら、穂についたままの粟をかじり取る感じが、おやつのようでもあり、おもちゃのようでもあるのか、喜ぶインコが多いように感じます。
粟の穂はこのように、ちょっとしたストレス解消にも役立てられるおやつでもあり、また栄養価も高い食べ物ですので、定期的に与えてあげると良いでしょう。
粟の穂は食事との量・バランスを見て与えましょう
1点、デメリットをあげるとすると、粟の穂は飼い主泣かせのおやつかもしれませんね。というのも、食べかすがそこらじゅうに拡がってしまいますので、掃除が大変になります。
カゴの中にぶら下げておくおやつなので、カゴにカバーなどが付いていない場合には、床に粟の剥かれた皮がたくさん落ちることになります。とはいえ、インコが大喜びするなら、これくらいは我慢・・しましょう。
粟の穂自体はそこまでカロリーも高くはありませんので、食べすぎて太るという心配はしなくてもよいかと思いますが、極端に粟の穂ばかりを食べ、主食を食べなくなるようであれば栄養バランスが偏りますので、飼い主さんがバランスを見ながら与えるようにしましょう。
おやつ代わりに与える果物
飼い主が食べていると、自分も食べたいと言って近づいてくるものの中に、果物が多いのではないでしょうか。果物も、与える量に気をつければ、「みかん」「オレンジ」もビタミンCが多く含まれ、体に良いものです。
また、「リンゴ」も食物繊維が豊富で体に良いものですが、種や葉の部分はNGです。リンゴの葉や種、種の周りの部分はインコにとっては有毒な成分が含まれていますので、りんごを与えるなら実の部分だけにしましょう。
このように果物は与えることができるものの、与えてはいけない部位もありますので、おやつなどの加工されたもの以外を愛鳥に与える場合には、飼い主さんが責任を持って、しっかりと把握しておかなければいけません。
野菜もおすすめのおやつ
果物だけでなく、野菜もおやつ代わりに最適です。「小松菜」や「チンゲン菜」「水菜」「白菜」などに代表される野菜類も、鳥にとっては味も体にもよいおやつです。
果物に関しても同じことがいえますが、果物も野菜も水分量が多いため、おやつとして与える際には、与える量に注意しましょう。
水分量が多いと、インコの糞も水っぽく、また下痢の症状が現れます。これは、水分量が多く、消化が追いつかないために起きてしまうもので、こうした野菜や果物を与える際には、はじめは2〜3口ずつ、糞の状態を見ながら適正な量を判断するようにしましょう。
与えてから時間をおき、糞の状態を確認し、問題がないようであれば少しずつ量を増やしてみても問題はないでしょう。また、量を増やした時は同じように、糞の状態をチェックすることを忘れないようにしましょう。
まとめ
鳥に最適なおやつは、鳥の栄養補助として役立てられるものばかりです。おやつとしての役割も持ちますが、多くは栄養補助食品というイメージで与えるのが良いでしょう。
特にカルシウムやミネラルは必ず摂取させなければなりません。バードフードをしっかりと食べてくれていても、油断は禁物です。また、食事の管理だけでなく、飼育環境の管理も重要です。特に日光浴には気を使うようにしましょう。
このように、鳥は食事からだけでなく、様々な点に気を使う必要があり、飼い主さんも鳥の栄養管理についての知識を得ておくことが重要です。その手助けとなるのがおやつであったり、果物や野菜といった食材です。
こうした食品を上手に利用し、愛鳥を常に健康な状態に保てるようにしていきましょう。
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