実に様々な種類が存在するフェレット用のサプリメント。健康な体を作るイメージの強いサプリメントですが、しっかりと必要な栄養素を知る事で、必要なサプリメントも見えてくるはず。今回はフェレットの体に必要な栄養素とサプリメントについて解説します。
フェレットに必要な栄養素を把握
普段の食事だけでも十分な栄養を摂れますが、はたしてフェレットにとって本来必要な栄養素はしっかりと摂取できているでしょうか。
それには、フェレットに必要な栄養素をしっかりと理解することが必要になってきます。こうして必要な栄養素を知ることで、いつもの食事にプラスアルファでサプリメントを与えることで、よりフェレットが健康な生活を送ることができるでしょう。
肉食動物のフェレットは、タンパク質が必要不可欠な栄養素です。必要なタンパク質の量は、フェレットの年齢や性格、フェレットの状態によっても少し変わってきますが、一度の食事の内の4割程度はタンパク質を摂取する必要があります。
フェレットに与えるフェレットフードには原材料や成分の記載があるはずですが、しっかりとフードの成分表を確認するようにし、フェレットに必要な栄養素・カロリーが満たされる製品なのかを確認しなければなりません。
また、飼い主さん自体もフェレットが必要としている栄養素や必要である成分量を把握・理解する必要があります。飼い主さんがある程度の知識を持っていなければ、たとえ中身が微妙な製品であっても気がつくことができないでしょう。
飼い主さんも成分や原材料を把握しましょう
飼い主さんがフェレットが必要とする栄養素や原材料を把握することは、フェレットの健康維持にも直結してくるものとなります。というのも、フェレットフードの中には、粗悪品と呼ばざるをえないような粗悪なフェレットフードも存在するのです。
こうしたフードを与え続けていても消化にも悪く、そもそも含まれている原材料が粗悪なために、思うような栄養をえることができないでしょう。そればかりか、原材料に使用される成分に害のある物が使われていれば、当然ながらフェレットの健康維持も難しくなってくるでしょう。
フェレットにとって害のない原材料や成分が含まれていないかなど、フードを与える前にしっかりと原材料を確認し、成分量についても意識的に確認するようにしましょう。
フェレットフードの原材料
では実際に、フェレットフードの内容について見てみましょう。例としてあげるのは、フェレットフードの中でも特に有名な「マーシャル社」のフェレットフードで見てみましょう。
【マーシャル プレミアム ダイエットフード 原材料】
鶏の副産物(新鮮な鶏肉の内臓のみ)、チキン、チキンミール、コーンミール、乾燥ビートパルプ、ビール酵母、DL-メチオニン、L-リジン、プロピオン酸ナトリウム、混合トコフェロール、ビタミンA酢酸塩、ビタミンD3、ビタミンE、リボフラビン、ナイアシン、ビオチン、塩化コリン、葉酸、硝酸チアミン、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、アスコルビン酸、ビタミンB12、D-パントテン酸カルシウム、酸化マンガン、イノシトール、アスコルビン酸、BHA(防腐剤)、硫酸第一鉄、硫酸銅、酸化亜鉛、コバルト炭酸塩、ヨウ化カリウム、亜セレン酸ナトリウム、ローズマリーエキス
この原材料表記で、最もはじめに記載されている原材料が、構成されるフードの中身で最も含有量の高いものが記載されます。マーシャル プレミアム ダイエットフードを見てみると、主原料となるのは「鶏の副産物(新鮮な鶏肉の内臓のみ)」となっています。
このフードで言うと、この鶏の副産物による構成比が高いということがわかるわけです。続いて「チキン」「チキンミール」と動物性タンパク源が続き、植物性タンパク質である「コーンミール」と続いていきます。
肉食のフェレットに穀物は不要?
安価なフェレットフードになると、主原料には動物性タンパク源が使用されていても、穀物の含有量が多かったり、主原料自体に穀物が使用されることも。
というのも、穀物はフェレットにとって植物性タンパク質を摂取できる原材料ではありますが、消化のしにくい原材料の一つでもあります。消化の悪い食べ物を与え続けてしまうと、フェレットが消化不良を起こしてしまったり、肥満を引き起こしてしまう可能性もあります。
フェレットは肉食の動物ですので、肉を消化することは得意ですが穀物や植物成分を消化するのは苦手としています。中には穀物を一切使用していない「グレインフリー」のフェレットフードも登場してきている程です。
こうしたフードに対する知識もある程度持っていたほうが、よりフェレットの健康維持を行いやすいのです。
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4歳からはシニア用フードを
続いて成分についても見てみましょう。
【マーシャル プレミアム ダイエットフード 成分】
タンパク質:38%、脂質:18%、粗繊維:3.5%、灰分:%、水分:10%、カロリー(100gあたり):約392.6Kcal
前述の通り、フェレットはタンパク質を必要とする動物です。マーシャルフードの成分を見てみても分かる通り、タンパク質は38%と高配合です。フェレット用フードの中には40%台のタンパク質を配合している製品もあります。
ただし、フェレットの年齢が変わってくれば、必要となる成分量にも違いが見られるようになります。上記のマーシャル社のプレミアム ダイエットフードはおおよそ4歳までを対象としているフードですが、フェレットの年齢が4歳を超えてくると「シニア用」に切り替えていく必要が出てきます。
マーシャル社のシニア用フェレットフードでは、タンパク質が34%と低く設定されています。
サプリメントやおやつを与える前には、このように与えているフードの成分量を確認し、必要なサプリメントを与えるようにします。タンパク質に限らず、不必要なサプリメントを与え続けてしまうことで、栄養過多にもなりかねません。栄養過多になってしまうと、何かしらの変調があらわれ始めてしまうでしょう。
様々なサプリメント
フードだけでは補えない栄養を与える為のサプリメント。その種類も突き詰めていくと様々な種類が存在します。また、中には栄養を補うためではなく、万が一の病気に備えるために免疫力をつける用途のサプリメントなども存在します。
その中でも多く目にするのが、胃腸や消化に対してのサプリメントです。フェレットに限られた話ではありませんが、多くの肉食動物の腸は、草食動物の腸よりも短く、消化時間も短いために、より効率よく消化する必要があります。ところが、フェレットは胃腸の弱い個体も多く、下痢をしやすいなど、悩みを抱えた個体も少なくありません。
少しでも消化吸収を良くし、フェレットの消化をより早く、またより栄養を吸収させるためにサプリメントを与えるわけです。
フェレットにも必要な繊維質
肉食動物であるフェレットは、自然界では主に草食動物などを捕食して生活をしています。一見すると、肉食動物は肉だけを食べていれば、健康に生活することができているように見えますが、実はそうではありません。肉食動物も、微量ながら、食物繊維等を必要とするのです。
草食動物を捕食する際には、フェレットは内臓も食べるわけですが、ここでフェレットは食物繊維を摂取しているのです。どういうことかというと、草食動物が食べていた草などが臓器に残っているため、フェレットはこうして草食動物が食べた草を、内臓も食べることで間接的に摂取しているのです。
すでに草食動物が消化している状態の繊維質を食べることができるため、もともと繊維質を消化するのが苦手なフェレットも、こうして消化された状態のものであれば容易に取り込むことが出来るわけです。
サプリメントから繊維質を
繊維質を体内に取り込むことによって、フェレットの体内では消化や吸収力を向上させる事ができます。実は必要なさそうな緑色の食べ物ですが、ペットで飼育されているフェレット用にはこうした繊維質を摂取させるためのサプリメントが販売されています。
タンパク質や脂肪分ばかりを気にしてしまいがちですが、こうした栄養素もしっかりと補ってあげることで、よりフェレットの体調も良くなることでしょう。また、お腹を壊しがちなフェレットや、より消化吸収を高めてあげたい体調を崩している時にも、栄養の吸収がよくなるので、こうした繊維質はおすすめです。
極端に動物性タンパク源ばかりを摂取していても、体のバランスは維持できないのです。
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栄養過多でも病気を引き起こす
フェレットに多く見られるのが、腎臓や肝臓、尿石などに問題を抱えている個体です。これにはミネラル分が関係していますが、あまりにミネラル分の多い食事を繰り返していると、尿路結石などの病気を引き起こしてしまいます。尿路結石を発症し、症状が悪化してくると腎臓病などの重い病気をさらに引き起こしてしまうのです。
こうしたフェレットの消化器系、尿路系の疾患対策として、ハーブなどの成分を活用したサプリメントが販売されています。日常的にこうしたサプリメントを摂取することで、体内のビタミンやミネラルを効率よく吸収できるようになるほか、胃腸の弱いフェレットにも効果が期待できるでしょう。
まとめ
日頃から、飼っているフェレットの体調を確認するようにし、便の状態もしっかりとチェックするようにしましょう。特にフードを変えた時、サプリメントを混ぜたときなどは、便も緩くなりがちです。しっかりとフェレットの体調を知るようにし、また、体調を崩した時に備えて、何の栄養素が少ないのかということを理解するようにしましょう。
なかなか難しいことかもしれませんが、与えているフードの成分表記は必ず確認するようにし、フェレットの体調や便の状態を確認しながら、必要なサプリメントを見極められるようになりましょう。
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