「小型犬は散歩が要らない」「庭があるからそこで走らせている」そう考えている飼い主さんも多いのではないでしょうか。散歩は愛犬にとって必要なのでしょうか。今回は犬の健康管理に欠かせない散歩について考えてみましょう。

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なぜ散歩が必要か

小型犬にも散歩は必要なのでしょうか。
「小型犬は運動量も少なくて良いはずなので、散歩は要らないのでは?」

そう思う方もいらっしゃると思いますが、どんなに体が小さい小型犬にも散歩は必要です。確かに、チワワやシーズーのような小型犬に、運動量が多いことで知られる牧羊犬のボーダーコリーのような運動量は必要ありません。その犬種に見合う運動量を取り入れてあげないと、愛犬に無理をさせてしまうことで、足腰に負担をかけることがあるのです。

愛犬を散歩させることでのメリットは、小型犬でも大型犬でも、肥満予防や老化防止などの健康管理、ストレス解消、愛犬に社会性を身に付けることができるなど、様々な効果が期待できます。

散歩で補える健康管理

体の小さな小型犬は室内を走り回るだけで、十分な運動量を補うことができるとも言われています。しかし、犬は継続的に散歩をすることによって身体に筋肉が付き、関節の弱い小型犬にとっては、膝蓋骨脱臼などの補助の効果もあり、とても大切な役割を果たしていると考えられます。

また、犬の散歩で太陽の光を浴びることによって、身体の中でビタミンDを合成してカルシウムを吸収する働きがあります。犬も高齢になると、人間と同様に骨粗しょう症になる可能性があり、このように老化を防止するためにも、骨を強くしておくことが大切です。

さらに、犬を散歩させることは、犬の身体の新陳代謝を促し、肥満予防に繋がります。運動もしないで、家で「食っちゃ寝」を繰り返していると、肥満になりやすいのは人間も一緒ですよね。そして、肥満は犬にとって内臓や関節に負担をかけるだけでなく、他の病気を併発する引き金となってしまうことが多いのです。

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散歩によるストレス解消

犬の散歩には、犬の運動能力を維持することで刺激を与え、脳を始めとする神経系を活性化する効果があります。獣医行動学の研究によると、犬にとって散歩とは、犬のエネルギーを発散させるだけでなく、脳内のノルアドレナリンやセロトニンのレベルを上昇させ、犬の心地良さを生む物質であるエンドルフィンの放出を促すため、情緒の安定に繋がるようです。

また、有酸素運動を持続的に行うことは、オピオイドと呼ばれる鎮痛作用がある脳内モルヒネに働きかけることによって、交感神経へ効果的な影響をもたらすことが科学的にもほぼ証明されており、犬の散歩には1日最低30分くらいの有酸素運動を推奨しています。

少し難しく書いてしまいましたが、簡単に言うと、愛犬を散歩させるということは、外からの刺激を受けて脳を活性化させることで、精神的にリフレッシュ効果があり、ストレス解消にもなるということです。これは、犬だけでなく、私たち人間も同じです。家に籠もっていないで、愛犬と一緒に外の空気を吸いに出掛けましょう。

いつ、どのくらいの散歩が必要か

基本的には、毎日1日2回ほど散歩をしてあげることがベストです。小型犬の場合は20~30分、中型犬で30~40分、大型犬で60分が目安ですが、小型犬でも活発な犬種や、運動量が少なくて良い大型犬もいますので、その犬種に見合った運動量を考えてあげましょう。

また、「外でしかオシッコをしない」子以外は、雨降りなど天候が悪い時は、散歩を控えても問題ないです。雨の日は、他の犬の尿や糞便が溶けて水溜まりに混入していることがあるため、病原菌やウィルスなどが潜んでいる危険性があります。間違って水を舐めて、病気に感染することがないよう、水溜まりに近付かせないように注意しましょう。

そして、真夏の炎天下時に散歩に連れて行くことは絶対避けましょう。真夏の暑い時に素足でコンクリートの上を歩いてみると、私たち人間でも暑くて飛び上がってしまうでしょう。また、人間よりも低いところを歩いている犬にとって、地面からの照り返しは、熱中症の危険性を高めます。人間が暑いなと感じる気温は、犬にとって灼熱地獄になっていることを忘れてはいけません。夏の散歩は、朝陽が昇る前や夕陽が沈む頃が良いでしょう。

散歩コースを決めない

毎日散歩へ出掛けていると、ついつい同じルートを歩いてしまいがちになりますが、毎回違うルートに変えることで、愛犬の好奇心や探究心が刺激されます。
また、毎回違うルートを歩くことで、常に心や脳に刺激を与えるので、愛犬の痴呆予防にも効果的です。

「こんなところに公園なんてあったんだね」「こんなところに、こんなお店ができたんだ」
飼い主さんも、見慣れた近所のはずなのに、新しい発見をすることもあるのです。
やはり、愛犬も飼い主さんも楽しめるような散歩にしたいですよね。

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