人間も老いがくるように、猫にも必ず老いはやってきます。もし、成猫時の過ごし方によって、愛猫が老齢期を迎えた時の生活の仕方が変わってくるのなら・・・?今回は、愛猫が老齢期を迎える前に備えておきたい、成猫期の過ごし方について考えてみましょう。

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猫が老齢期を迎えると

猫も老齢期に入ると、少しずつ全身に様々な変化が現れてきます。全体的に毛が薄くなってきたり、毛の色艶が衰えてきます。それまで元気走り回っていたのに、動きが機敏でなくなったり、寝てることが多くなります。また、筋力が低下すると、足腰の力も弱くなるので、得意のジャンプができなくなるといった様子も見られるでしょう。

その他にも、口臭が強くなってきたと思ったら歯周病を患っていたり、呼んでも反応がないと思えば、耳が聞こえづらくなっていたり、目が見えにくくなっているということもあります。さらには、年をとると免疫力が下がりますので、ウィルス感染症を発症する可能性も高くなります。

では、愛猫が老齢期に入った時、このような症状を少しでも軽減できたり、少しでも症状を遅らすことはできるのでしょうか。今回は、愛猫が老齢期を迎える前に、成猫期にどのように過ごしたら良いのか考えてみましょう。

丈夫な足腰を保つために

猫は年をとると、どうしても筋力の低下や関節炎などが原因で、歩いたり、ジャンプしたりということが難しくなることがあります。そのため、老化を迎える前に、若い時から適度に運動させて、肥満にさせないよう体重管理をしてあげることが大切です。

室内にキャットタワーを設置して遊ばせることで、愛猫の筋力の維持に役立ちます。ただし、若いうちは背の高いキャットタワーでも構わないのですが、愛猫が7歳を過ぎたあたりからは、低めで安定しているキャットタワーに変えてあげましょう。

また、肥満は「百害あって一利なし」です。肥満になると、足腰に負担がかかってしまい、さらに老化による筋力の衰えで、動けなくなってしまうことが多いようです。関節炎を発症している子は、特に注意が必要です。愛猫の丈夫な足腰を保つために、肥満にさせないように気を付けましょう。

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誰でも触れるように

愛猫がこの先、介護が必要になった場合、食事や排泄、移動なども人の助けが必要となるでしょう。そんな時に、愛猫にとって触れられたら嫌なところがあると、愛猫にもストレスがかかったり、介護する際に、暴れられたり、囓られたりなどしてケガをすることもあります。これは、飼い主さんだけの問題ではなく、動物病院で診察したり、入院する時、ペットホテルに預ける時など、飼い主さん以外のお世話してくれる人たちにも迷惑をかけてしまいます。

猫の場合は特に、犬に比べても警戒心が強いので、幼少期のうちから、飼いさんやその他の人たちが、愛猫の体のどこの部分を触っても怒ったり、威嚇したりしないようにするため、色んな人に会わせて触れ合う機会を作った方が良いかもしれませんね。脳に疾患があったり、腫瘍などがあって体に痛みがある場合は別ですが、そうでない場合は、人に対して恐怖心や警戒心などを持たせないようにしましょう。

歯磨きの習慣を

猫が老化を迎えると「歯周病」や「歯根膿瘍」など、歯の病気を発症することが多くなります。これらの病気は、毎日の歯磨きで予防することができます。そのため、若いうちから口の周りを触られることに慣れさせ、毎日の歯磨きを習慣にしましょう。

歯周病とは

歯周病とは、歯垢や歯石を放置したり、歯茎に傷が付くことによって、歯の表面で細菌や毒素を産生し、歯茎や骨までも炎症を起こしてしまう歯の病気です。
歯周病が悪化すると、鼻腔にまでも影響を及ぼし、歯根部の感染がより奥の方まで拡がった結果、鼻腔に穴を開けてしまい、呼吸器系の症状が現れます。物を噛むのを痛がったり、片方でばかり噛んでいた様子が見られた後に、くしゃみ・鼻水の症状が見られます。

更に歯周病が進行していくと、炎症は目の下部あたりにまで進み、目の下辺りの皮膚に穴が空いてしまい、そこから膿が出てくる「歯根膿瘍」と呼ばれる症状を発症します。これは、目の下(頬の部分)に膿が溜まっていき、破裂してしまうものです。特に奥歯の歯周病で引き起こされる場合が多いようです。

また、歯周病は骨までも蝕み、歯槽骨と呼ばれる下顎を支える土台の役割をしている骨までも影響を与え、これによって下顎の骨は徐々に弱っていき、骨折を伴う事態へと陥ります。
さらには、骨を溶かし、歯周病の原因菌が全身へと感染してしまうことで、肺炎や心臓病といった重大な病気を引き起こす場合もあるため、たかが歯周病と決して侮れない怖い病気なのです。

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事前に予防することが肝心

混合ワクチンなどの予防接種、フィラリア症やノミ・ダニの予防などを継続的に行ってあげることが大切です。また、メス猫を飼育している場合は、「子宮蓄膿症」などのメス特有の病気を発症することがありますので、子猫を産ませる予定がないのであれば、避妊手術をすることをお勧めします。

また、成猫時は1年に1回、老齢期に入ると半年に1回の健康診断を受けさせることが理想と言われています。
「うちの子は元気だから大丈夫!」
老化による猫の内臓機能の低下は、外から見ただけでは分からないものです。動物病院へ行って、血液検査や尿検査やエコーなどを含めた健康診断を定期的に受け、早期発見に努めることが大切です。

さいごに

猫の老化は、人間と同様、どうしても防ぐことはできません。しかし、成猫期の生活の送り方次第では、このような老化による症状を少しでも遅らすことができるのです。だからこそ、老齢期に入る前に、若い時からの健康的な生活習慣が大切になります。

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