ロットワイラーと一緒に暮らすために、どんな特徴や性質であり、どのようなことに気をつけなければいけないのでしょうか?今回は「ロットワイラー」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

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ロットワイラーについて

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ロットワイラーと言えば、牛をも倒すことができる、並外れた力強さと俊敏性を持ち合わせている、逞しくて勇敢な犬種です。

昔は、過酷な気候環境の中でも、家畜を護衛しながら移送する護衛犬として、忍耐力と忠誠心を持ちながら、その仕事を全うしてきました。

今でもこうした防衛能力や作業意欲が認められ、警察犬や警備犬、軍用犬として活躍しています。

ロットワイラーのルーツ

ロットワイラーのルーツは古く、古代ローマ帝国時代、ローマ軍と共に過酷な気候のアルプス山脈を越え、ドイツへ侵攻しました。

この時、兵士の食糧となる家畜を守り、夜になれば兵舎を守り、荷車を牽引した護衛犬が今のロットワイラーの祖先と言われています。

その後、南ドイツのロットワイル地方に取り残された数頭のロットワイラーを、家畜商人が改良したことによって、現在のロットワイラーが作られました。

ここでも、この犬種は家畜の護衛や移送だけでなく、家畜商人と市場へ家畜を移送し、牛を売った現金を運ぶ警備犬としての仕事にも従事していました。

こうして、長い間家畜商人によって飼育されたこの犬種は、「肉屋の犬」と呼ばれ重宝されてきたのです。

また、この頃のロットワイラーの警備犬としての仕事ぶりは、牛を売買し、売上金が入った袋をロットワイラーの首にかけることで、大金を盗もうとする相手に対し、手加減することなく噛みつくといった方法で撃退していました。

このことから、この犬種は銀行よりも安全な「生きた金庫」として大切に扱われ、銀行から全財産を引き出し、ロットワイラーに託す家族まで現れるほどでした。

絶滅の危機に瀕するロットワイラー

1800年中頃になると、交通の妨げになるということから、犬による家畜の移送や荷車を牽引する行為が禁止されるようになり、家畜の物流は主に「鉄道」や「ロバ」などに切り替わり、ロットワイラーは絶滅の危機を迎えることになりました。

その後の1900年頃、ロットワイラーの絶滅を案じた一部の愛犬家たちが、いくつかの組織を設立して、この犬種を増やすために尽力し、ロットワイラーは無事に絶滅の危機から脱する事となりました。

今やロットワイラーは警察犬や軍用犬として高い評価を得ています。

ちなみに、ロットワイラーの名前の由来は南ドイツの「ロットワイル地方」にちなんで、「ロットワイラー」と付けられたと言われています。

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ロットワイラーの性格

ロットワイラーは、勇敢で警戒心が強く、家族に対してとても従順で愛情深い性格なので、自分の家族に身の危険が及んだ時、過度なまでに家族を守ろうとするため、番犬や護衛犬に適しています。

また、元々の護衛犬の素質からか、複数の子供がいると、牛の群れを管理するかのように、子供をまとめようとすることもあります。

また、ロットワイラーは、決してフレンドリーで人懐っこいタイプではありませんが、一度信頼関係を築いた飼い主さんや家族に対しては、とても優しく温厚な性格です。

普段からアイコンタクトしながらコミュニケーションを取ると、従順な良い家庭犬になるでしょう。

ロットワイラーの大きさは?

ロットワイラーの大きさは、体高が56cm〜69cmほど。体重が35kg〜60kgの大型犬種です。かなりガッシリとした体格をしており、体つきも筋肉質。また、四肢や指も太く、マズルもがっしりとしています。

闘犬や護衛犬として活躍してきただけあり、顎の力もかなり強く、犬種自体の力もかなり強いです。そのため、女性一人でロットワイラーを飼育するのは少々、難しい場合も出てくるでしょう。とはいえ、男性でも力がなければ引っ張られる場合もあるかもしれません。

しつけ教室に入れることが大事にはなりますが、これだけの強靭な体と力を持つロットワイラーですので、しっかりと飼い主さんが愛犬をコントロールできなければ、安易に外で遊ばせることも難しくなるでしょう。

ロットワイラーの被毛

ロットワイラーは、「ダブルコート」の被毛を持ち、硬く短い毛の「オーバーコート(上毛)」と柔らかく密生した「アンダーコート(下毛)」の2種類の被毛で覆われています。

被毛のカラーは、「ブラック&タン」で、

  • 両目の上
  • マズル(鼻先から口にかけた部分のこと)
  • 四肢
  • 尾の付け根の下

にタンのマーキングが入っています。

被毛の手入れは比較的簡単で、汚れた時は、固く絞ったタオルで拭く程度で良いでしょう。

また、年に2回の換毛期があり、その間は沢山の毛が抜けるため、犬アレルギーの人がいる家での飼育はあまりお勧めできません。

定期的なブラッシングをすることが望ましいですが、換毛期を迎えた時には、よりこまめにブラッシングをするようにし、常に清潔な体を維持させるようにしましょう。

ロットワイラーの尻尾


ロットワイラーは「断尾」が行われる犬種としても知られます。「断尾」とは、子犬の時期に尻尾を切断し、本来の尻尾の長さではなく短くすることですが、なぜ断尾が行われるのでしょうか。

その理由には、ロットワイラーが使途犬として活動する際に、家畜などに尻尾を踏まれて怪我をしてしまう恐れがあることや、戦闘の際に怪我をしてしまうリスクがあるために、事前に尻尾をカットしてしまうというものでした。

現代においては、こうした慣習も薄れつつあるため、断尾を行う習慣も亡くなり始めていますが、現代においてはひとつのスタイルとして断尾される場合がほとんどです。

尻尾が長くとも、現代においては使役犬として活動するというよりかは、ペットとして飼育される場合が多いので、断尾の必要性はもはや重要ではありません。

ロットワイラーがかかりやすい病気

ロットワイラーがかかりやすい病気とされているのが、大型犬に多い「股関節形成不全」です。

この股関節形成不全は、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気です。

肥満体型は股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

また、「胃捻転」という病気も、ロットワイラーは気を付けるべき病気とされています。

「胃捻転」とは、胃の内容物が発酵し、発生したガスで胃がパンパンになり、その胃が捻転してしまう病気で、大型犬に多く見られ、致死率も高い病気です。

ついさっきまで元気にしていると思ったら、急にぐったりとするなど、早急に処置をしないと、最悪の場合死に至る病気です。

予防としては、食事の後しばらくは安静にさせることや、水のがぶ飲みは避けること、早食いさせない事など、十分に気を付けてあげましょう。

そして、大型犬の多く発症する「骨肉腫」にも注意するべきでしょう。

骨肉腫は、命の危険が極めて高いガンの一種です。このガンは足に発症することが多く、足に激しい痛みが生じて、足を引きずったり、患部の骨が腫れるなどの症状があります。

また、骨肉腫はとても進行が早く、転移しやすいので、発見した時点で、90%以上の確率で肺に転移していると言われています。

足を引きずったり、いつもと歩く感じが違うと感じたら、すぐ病院へ連れて行きましょう。

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ロットワイラーと「危険犬種」


ロットワイラーは危険な犬種というイメージを持つ方も多いでしょう。残念ながら、アメリカではロットワイラーの咬傷事故による死亡事故が、ピットブルに次ぎ2番目に多い犬種です。

こうした数字から見ても、見た目が格好いいからと、連れて歩けば自慢になるからと、安易な気持ちで飼育できるような犬種ではありません。そのため、海外でも同じ例がありますが、日本においても「危険犬種」として飼育を規制している県が茨城県です。

危険犬種とは、人や動物に対して危害を加える恐れのある犬種を指し、ロットワイラーの他、ピットブルや土佐犬、ドーベルマン、グレートデンなど、幾つかの犬種が指定されています。

茨城県でロットワイラーを飼育する際には、幾つかの規制が義務付けられているので、飼育の際には必ず確認するようにしましょう。

ロットワイラーは多頭飼いができる?

ロットワイラーを飼育する際にすでに先住犬が居たりと、多頭飼育できるかどうかで悩む場合もあるでしょう。ロットワイラーの性格を知れば知る程、多頭飼育は難しいのではと感じてしまいますが、それも躾や幼少期からの育て方によるかもしれません。

ロットワイラーだからと、確実に凶暴かといえばそうではありません。あくまでも育った環境でも変わってきますので、すでに先住犬が居るのであれば、それに応じて育てていく事が大事になります。幼少期から先住犬がいれば、他の犬に対しての免疫もつきますので、散歩中に大騒ぎになると言ったことも減るかもしれません。

相性は必ずありますが、かといえロットワイラー自体も必ず気が強いわけではありませんので、まずは飼い主さんとの相性、そしてしつけの仕方によっても向き不向きは変わってくるでしょう。

ロットワイラーのブリーダー

ロットワイラーはペットショップ等で見かける機会はほぼ無いと言って良いでしょう。全く見かけない訳ではありませんが、ペットショップは犬を飼ったことが無い方も見に来る場所でもあります。

ロットワイラーは、初めて犬を飼う方にとっては少々難易度の高い犬種ではありますので、ペットショップ向きの犬種ではないため、販売される機会も少ないのです。

そのため、ロットワイラーを迎え入れる際にはブリーダーからの直販という形が一般的となるでしょう。ロットワイラーのブリーダーに関しては、インターネットで調べるとでてはきますが、全国的にも少なめです。

価格に関しては、おおよそ20万円前後で取引される場合が多いようです。高くとも、30万円前後ほどとなるでしょう。

ロットワイラーの性格と飼い方は?【心優しき頼もしい番犬!】のまとめ

ロットワイラーは体重が重く、床ずれを起こしやすいので、寝床は常に大きくて柔らかいベッドを用意しましょう。

また、高温多湿の環境が苦手な犬種なので、熱射病や脱水症状には気を付けましょう。日中の炎天下での散歩や、クーラーのないような場所で長時間留守番させるようなことは絶対しないで下さい。

また、ロットワイラーは警戒心が強いので、子犬の頃から家族以外の人間や外の環境などに慣れさせ、社交性をつけてあげると、必要以上に怯えたり、吠えることが無くなります。

こうした躾の他に、ロットワイラーは服従訓練が必要になります。成犬になると、成人男性でも敵わなくなりますので、必ず愛犬とアイコンタクトを取りながらトレーニングして、飼い主さんに「従う」ということを理解させる訓練をしましょう。子犬のうちに、訓練の学校へ通わせるのも、一つの手かもしれません。

ロットワイラーはとても愛情深く、本来は温厚な性格の持ち主です。しっかりと躾をして、愛犬と飼い主さんとの信頼関係を築けば、決して危険なだけの犬種ではなく、家族を守る頼もしい相棒となってくれるでしょう。

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